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うつ病で眠れない夜を乗り越えるには?自分でできる6つの対処法を解説

うつ病の治療中、夜になっても目が冴えてしまったり、不安で押しつぶされそうになったりして、眠れない時間を過ごすことは本当に辛いものです。
眠れないこと自体がストレスとなり、さらに症状を悪化させてしまう悪循環に陥ることも少なくありません。
しかし、生活習慣を少し見直すだけで、睡眠の質を改善できる可能性があります。

本記事では、うつ病に伴う不眠の症状と、ご自身で無理なく取り組める6つの対処法を解説します。
心地よい眠りを取り戻し、心と体を休めるために、ぜひ参考にしてください。

うつ病で眠れないときによく見られる症状

うつ病になると、自律神経の乱れや脳内物質のバランスが崩れることで、睡眠にさまざまな影響が出やすくなります。

ここでは、うつ病の方によく見られる代表的な不眠の症状を4つ紹介します。

  • 寝つきが悪くなる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早くに目が覚めてしまう
  • ぐっすり眠れた感覚がなくなる

それぞれ見ていきましょう。

寝つきが悪くなる

布団に入っても、30分から1時間以上眠りにつけない状態を、入眠障害と呼びます。
うつ病になると、不安や緊張から交感神経が優位になりやすく、脳が覚醒状態のままリラックスできないことがおもな原因です。

「早く寝なければ」と焦るほど目が冴えてしまい、時計の音が気になったり、ネガティブな考えが頭を巡ったりしてしまいます。
毎晩のように寝つくのに苦労するため、布団に入ること自体に恐怖を感じるようになる方も少なくありません。

夜中に何度も目が覚める

睡眠中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝直せない状態を、中途覚醒と呼びます。
うつ病の患者に多く見られる症状の1つで、睡眠の質が著しく低下しているサインです。

健康な人でも夜中に目が覚めることはありますが、うつ病の場合は一度起きると不安感に襲われ、再び眠りにつくのが困難になる傾向があります。
細切れの睡眠しか取れないため、朝起きても疲れが全く取れていないと感じることが多くなります。

朝早くに目が覚めてしまう

起きたい時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、それ以降は眠れなくなってしまう状態を、早朝覚醒と呼びます。
これはうつ病の典型的な初期症状として知られており、高齢者に限らず若い世代の方にも現れることがあります。

早朝は、うつ病の影響で憂鬱な気分(抑うつ気分)が、もっとも強く現れる時間帯の1つです。
目覚めた直後から、強い絶望感や憂鬱な気分に襲われることが特徴です。
まだ外が暗いうちから目が覚めてしまうため、1日が長く感じられ、精神的な負担が増大します。

ぐっすり眠れた感覚がなくなる

睡眠時間は十分に確保しているはずなのに、朝起きたときに「ぐっすり寝た」という満足感が得られない状態を、熟眠障害と呼びます。
うつ病の影響で深い睡眠(徐波睡眠)が少なくなるために起こる現象です。
これにより、睡眠の質が低下し、浅い眠りとなります。

脳と体が十分に休息できていないため、日中に強い眠気や倦怠感が残り、集中力が低下する原因となります。
端から見れば眠っているように見えるため、周囲につらさを理解してもらいにくいという側面もあるでしょう。

うつ病で眠れないときに自分でできる6つの対処法

医療機関での治療と並行して、日常生活の中で少し工夫を取り入れることで、睡眠の質を高められます。
無理をする必要はありませんが、できることから少しずつ生活リズムを整えていくことが回復への近道です。

ここでは、うつ病で眠れないときにご自身で実践できる対処法として、以下6つを紹介します。

  • 日中に太陽の光を浴びる
  • 適度な運動を取り入れる
  • カフェインやアルコールを避ける
  • 寝る前のスマホやPCを控える
  • 無理して寝ないようにする
  • 自分が今なにを考えているのかアウトプットする

今の体調に合わせて、負担にならない範囲で試してみましょう。

日中に太陽の光を浴びる

朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びる習慣をつけることは効果的です。
人間の体内時計は24時間よりも少し長めに設定されていますが、朝の光を浴びることでリセットされ、正しいリズムに調整される仕組みになっています。

また、日光を浴びることで、夜間に自然と眠気が訪れやすくなります。
朝に光を浴びて体内時計を整えることが、睡眠のリズムを改善するために大切です。
まずは窓際で過ごすことから始めてください。

適度な運動を取り入れる

日中に無理のない範囲で体を動かし、適度な疲労感を得ることは、夜の睡眠を深くするために有効です。
激しいスポーツをする必要はなく、近所を15分程度散歩したり、室内で軽いストレッチを行ったりするだけで十分な効果が期待できます。

運動によって体温がいったん上がると、その後下がっていく過程で眠気が生じやすくなるという体のメカニズムがあります。
ただし、寝る直前の激しい運動は交感神経を刺激して目が冴えてしまうため、夕方までに行うのが理想的です。

カフェインやアルコールを避ける

睡眠の質を下げないために、夕方以降の飲み物には注意が必要です。

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があり、人によっては効果が数時間続くため、寝つきを悪くする原因となります。
寝酒は一時的に入眠を助けるように感じられますが、アルコールが分解される過程で交感神経を刺激し、睡眠を浅くして中途覚醒を引き起こします。

結果として疲れが取れにくくなるため、就寝前の水分補給はノンカフェインの麦茶やハーブティなどを選ぶようにしてください。

寝る前のスマホやPCを控える

就寝前の1時間から2時間は、スマホやパソコンの画面を見ることを控えるのが賢明です。
電子機器から発せられるブルーライトは、脳を昼間だと勘違いさせ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。

さらに、SNSやニュースサイトから入ってくる情報は脳に刺激を与え、不安や興奮を引き起こすかもしれません。
寝る前は部屋の照明を少し落とし、読書をしたり音楽を聴いたりして、脳をリラックスモードに切り替える時間を作ることが大切です。

無理して寝ないようにする

眠れないときに「早く寝なければ」と焦ることは、かえって脳を覚醒させ、不眠を悪化させる最大の要因となります。

どうしても眠れないときは、無理に布団の中に留まり続けず、一度起きてリラックスできることをして過ごすのも1つの方法です。
実際には眠っていなくても、部屋を暗くして横になり目を閉じているだけで、体と脳はある程度の休息を取れます。
「眠れなくても体を休めれば十分」と割り切ることで、精神的なプレッシャーが減り、自然と眠りにつきやすくなります。

自分が今なにを考えているのかアウトプットする

頭の中をぐるぐると回る不安や悩みで眠れないときは、ノートや紙にその内容を書き出してみるのがおすすめです。
自分の感情や考えていることを文字にして可視化することで、客観的に状況を捉えられるようになり、脳内の整理が進みます。

漠然とした不安の正体がはっきりするだけでも、心のモヤモヤが晴れて気持ちが落ち着くことがあります。
誰に見せるものでもないため、言葉を選ばずに思いついたことをそのまま書き殴るだけで、ストレス発散にもつながるでしょう。

>>関連動画「【うつの症状】眠れない時の対処法とは?」はこちら

まとめ:うつ病で眠れない悩みは専門家と共に解決しよう

うつ病による不眠は1人で解決するのが難しい場合も多いです。
もしセルフケアだけで改善が見られない場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

Heart Life ~こころの悩み相談所~ では、公認心理師や臨床心理士といった心の専門家が、一人ひとりの悩みに寄り添い、オーダーメイドで解決策を一緒に考えます。
対面だけでなくオンラインでのご相談も可能ですので、少しでも辛いと感じたら、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

>>Webご予約フォームはこちら

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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