東京都のカウンセリングルーム/自己肯定感専門カウンセラー在籍/HSP・愛着障害専門カウンセラー複数在籍/
公認心理師・臨床心理士による心理カウンセリング/メンタルクリニック提携/発達障害診断補助検査

東京の臨床心理士・公認心理師による心理カウンセリング

大人になって分かるADHDの症状と付き合い方

大人になってから、もしかしてADHDかもしれないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?子どもの頃は気づかなかったものの、社会人になって初めて自分の特性に気づくケースは少なくありません。

本記事では、大人になってから気づくADHDの特徴や症状、日常生活で実践できる対処法、医療機関への相談の目安などを解説します。ぜひ最後まで読んで、自分に合った対処法を見つけてください。

大人になってから気づくADHDとは

ADHD(注意欠如・多動症)は、発達障害の1つに分類される脳機能の特性です。「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの特徴が、さまざまな形で生活に現れます。

子どもの頃は、親や先生のサポートによって特性が目立たないことも少なくありません。しかし、大人になり仕事や自己管理の責任が増えることで、困難さを強く感じるようになります。

周りからは性格や努力不足の問題だと誤解されがちですが、本人の意思とは関係のない生まれ持った特性です。この特性を正しく理解することが、困り事を解決する第一歩となります。

ADHDのおもな症状の特徴

ADHDの特性は、生まれつきの脳機能の発達の偏り方よりが関係していると考えられています。その特徴は以下3つのタイプに分類されますが、人によって現れ方はさまざまです。

  • 不注意の特徴
  • 多動性の特徴
  • 衝動性の特徴

詳しく解説します。

不注意の特徴

重要な書類を見落とす、会議の日時を勘違いするなど、細部への注意が続かない傾向があります。1つの刺激に集中しづらく、周囲の音や光にすぐ気を取られるためです。たとえばパソコン作業中に通知が来ると元の作業に戻れず、締め切り直前で慌てる場面が増えます。メモを視界に置き、作業を短い時間で区切ればミスを減らせます。

頭の中で複数のことを同時に考えやすいため、物事の優先順位を決めにくい点も特徴です。結果、不要な作業に時間を費やし、本来の目的があと回しになります。

多動性の特徴

じっと座っていられない、手足をそわそわと動かす、まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になるなど、体の動きによる特徴があります。脳が刺激を求め、静かな環境では不安定になるためです。

会議中に思いついたことをすぐ口に出してしまい、話の流れを遮る場面も起こりやすいです。短い休憩をこまめに入れ、ガムを噛むなど小さな動きを許すと集中を保ちやすくなります。また、趣味やアイデアが次々と浮かび、未完のまま放置するプロジェクトが増えるのも特徴です。

衝動性の特徴

思いついた行動を即座に実行してしまい、後悔するケースが目立ちます。たとえばネットで高額商品を衝動買いする、会話中に相手の発言を遮ることがあります。抑制を担う前頭前野の働きが弱まりやすく、感情が高ぶるとブレーキが利きにくいためです。

購入前に十分な検討時間を置くルールを作る、発言前に心の中で3秒数えるなど、即反応を切り替える工夫をしましょう。また、怒りや悲しみといった強い感情も瞬間的に表に出やすく、職場や家庭で誤解を招きがちです。

ADHDによって生じやすい生活上の困難

ADHDの特性により、日常生活や仕事でさまざまな困難が生じることがあります。単なる「苦手」ですまされない問題に発展することも少なくありません。

ここでは、ADHDの特性によって生じやすい代表的な5つの困難を紹介します。

  • 時間管理の苦手さ
  • 物の紛失・忘れ物の多さ
  • 人間関係のトラブル
  • 感情の起伏の激しさ
  • 自己肯定感の低さ

それぞれ見ていきましょう。

時間管理の苦手さ

時間の感覚が独特で、作業にかかる時間を正確に見積もることが苦手です。そのため、仕事や約束の時間に頻繁に遅れてしまうことがあります。物事を順序立てて計画するのが難しく、どこから手をつけてよいか分からなくなりがちです。

結果、やるべきことをつい先延ばしにしてしまい、締め切り直前になって慌てるというパターンを繰り返します。自分では計画どおりに進めているつもりでも、なぜかいつも時間が足りなくなってしまいます。

物の紛失・忘れ物の多さ

不注意の特性により、持ち物をどこに置いたか忘れたり、大切な物を失くしたりすることが頻繁に起こります。鍵や財布、スマホといった日常的に使う物も、定位置管理が苦手なため、出かける直前に探し回ることが少なくありません。

人との約束や頼まれごと、買い物のリストなどを、うっかり忘れてしまうことも多いです。こうした忘れ物は、生活や仕事に直接的な支障をきたし、周囲からの信頼を損なう原因にもなり得ます。

人間関係のトラブル

ADHDの特性は、対人関係にも影響を及ぼすことがあります。衝動的に相手が傷つくようなことをいってしまう、人の会話に割り込んでしまうなどが一例です。不注意から約束を忘れたり、話の内容を覚えていなかったりするため、相手に「無責任な人だ」という印象を与えかねません。

本人に悪気はないため、なぜ相手が怒っているのか理解できずに孤立してしまうこともあります。こうしたすれ違いが、友人や同僚との関係を難しくします。

感情の起伏の激しさ

感情をコントロールするのが苦手で、些細なきっかけで感情が爆発することがあります。急にカッとなって怒り出したり、突然理由もなく落ち込んだりと、感情の波が激しいのが特徴です。

一度生まれた強い感情を、自分の中でうまく処理できません。その結果、周りの人が驚くような言動を取ってしまうことがあります。こうした感情の不安定さは、自分自身でも疲れ果ててしまい、人間関係を損なう大きな原因にもなります。

自己肯定感の低さ

子どもの頃から忘れ物やミスを繰り返すことで、親や先生に叱られる経験を多く積んできています。そのため「自分は何をやってもダメだ」「努力が足りないせいだ」と、自分を責める癖がついてしまっている方が多いです。

大人になっても失敗体験が重なることで、その思い込みはさらに強くなります。自分に自信が持てず、何事にも挑戦する意欲を失ってしまいます。この低い自己肯定感が、うつ病や不安障害といった二次障害を引き起こすことも。

大人になってADHDと気づくきっかけ

子どもの頃は見過ごされていたADHDの特性が、大人になって顕在化することは珍しくありません。その背景には、ライフステージの変化が大きく関わっています。

たとえば、就職や転職、結婚や昇進といった環境の変化です。これまでの学生生活とは違い、社会人になると高度な自己管理能力や計画性が求められます。こうした状況で、特性による困難さが表面化し「もしかして」と気づくのです。また、自分の子どもの発達相談を機に、親自身のADHDが判明するケースもあります。

セルフチェックリストでADHDか確認

ADHDの可能性を確認するには、世界保健機関(WHO)が作成したASRS-v1.1というセルフチェックリストが有効です。このチェックリストは18項目の質問で構成され、過去6ヶ月間の行動について回答します。

たとえば、以下のような項目があります。

  • 物事を計画どおりに進めることが困難
  • じっと座っていることが苦痛
  • 締め切り直前まで物事を先延ばしにする

ただし、これは診断ツールではなく、あくまでスクリーニング用です。6項目以上該当する場合は、専門医への相談を検討することが推奨されます。正確な診断には、幼少期からの症状の確認や、ほかの精神疾患との鑑別が必要です。

日常で出来るADHDの対処法

ADHDの特性による困り事は、適切な対処法を実践することで軽減できます。環境を整え、自分に合った工夫を取り入れることが大切です。

ここでは、以下5つの対処法を紹介します。

  • タスクは細かく分けて短時間で集中する
  • 予定は見える化しリマインダーで管理する
  • 持ち物は定位置管理+朝のルーティンで防ぐ
  • 感情の爆発を防ぐために一呼吸おく習慣をつける
  • できたことを記録して自己肯定感を育てる

詳しく解説しましょう。

タスクは細かく分けて短時間で集中する

大きな仕事を前にすると、脳は全体像を処理しきれず手が止まりやすくなります。そこでタスクを5分程度で終わる小さな行動に分解し、タイマーを使って区切ると集中が維持できます。

たとえば報告書なら「見出しを書く」「図を貼る」などに切り分け、1つ終えるごとにチェックを入れると達成感も得られるでしょう。積み重ねれば作業量が同じでも疲労感は軽減し、締め切り遅れを防ぎやすくなります。前準備で細分化する習慣が脱線を防ぎ、作業効率も上がります。

予定は見える化しリマインダーで管理する

予定を頭の中で管理すると、1つの刺激で情報が飛びやすくあとで慌てます。スマホのカレンダーに日時と場所を入力し、開始前日と一時間前の二段階通知を設定すると抜け漏れが減少します。

さらに壁掛けカレンダーにも同じ内容を書き、家族と共有すればダブルチェックができて安心です。視覚化とリマインダーの併用で予定忘れの不安を大幅に抑えられます。

持ち物は定位置管理+朝のルーティンで防ぐ

物を探す時間は、積み重なると大きな損失になります。家と職場それぞれで鍵や財布の置き場所を決め、扉のないトレーに置くと視覚的に認識しやすく、紛失を防げるでしょう。

朝出かける前に「鍵・財布・スマホ」を指差し確認するルーティンを設けると、寝坊しそうな日でも忘れ物に気づけます。定位置と習慣の二段構えが、探し物のストレスを激減させます。

感情の爆発を防ぐために一呼吸おく習慣をつける

感情が頂点に達すると、言葉や行動で後悔しやすくなります。高ぶりを感じた瞬間に深く息を吸い、ゆっくり吐く動作を3回行うと身体反応が落ち着きます。呼吸に注意を向ける間は怒りの対象を考えづらいため、反射的な発言を避けやすくなるでしょう。

退席が許される環境なら数分その場を離れると、感情の波が引き冷静な判断が戻ります。呼吸と距離の取り方を習慣化すれば衝突の回数が減少します。

できたことを記録して自己肯定感を育てる

ADHDの特性を持つ人は、失敗体験から「できなかったこと」にばかり目が行きがちです。自己肯定感を育てるためには、意識的に「できたこと」に目を向ける習慣が大切です。

1日の終わりに些細なことでもよいので、今日達成できたことを3つ書き出してみましょう。「時間どおりに起きられた」「1つのタスクを終えられた」などで十分です。できたことを可視化して記録し続けることで、失っていた自信を少しずつ取り戻せます。

ADHDは医療機関で治療が必要?

ADHDの特性による困り事が続く場合は、専門家によるサポートを受けることが賢明です。環境調整や対処法を実践しても改善が見られないときは、早めに相談することをおすすめします。

医療機関では薬物療法が選択肢の1つとなりますが、心理カウンセリングや認知行動療法などの心理的アプローチも効果的です。うつ病や不安障害などの二次障害を予防するためにも、1人で抱え込まず、専門家と一緒に対策を考えることが大切です。

まとめ

大人になってからADHDの特性に気づくことは珍しくありません。もし自分にADHDの特性があるかもしれないと感じた方は、専門家への相談をおすすめします。
Heart Life~こころの悩み相談所~では、公認心理師・臨床心理士による心理カウンセリングや、発達障害診断補助検査を提供。生きにくさを感じている方のお悩みに寄り添い、認知行動療法などの技法を用いてサポートいたします。初回30%OFFでカウンセリングを受けられますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
公式Twitter
公式Instagram

ACCESS

アクセス

渋谷店

〒150-0044 東京都渋谷区円山町15-14エル・アルカサル渋谷1F
  • 京王井の頭線 渋谷駅西口より徒歩8分
  • 京王井の頭線 神泉駅北口より徒歩1分
  • JR線 渋谷駅ハチ公前出口より徒歩約10分

[開室時間]

月・水・木・金・日/祝 10:00~22:00

火 11:00~20:00

土 9:00~22:00

新宿店

〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-16-1コンシェルジュ石原602号室
  • JR線 新宿駅より徒歩5分
  • 都営大江戸線 新宿西口駅より徒歩3分

[開室時間]

月・火 12:00~22:00

水 10:00~13:00

木・土・日/祝 9:00~22:00

金 10:00~22:00

町田店

〒194-002 東京都町田市中町1丁目22番7号ANビル2階

コメントする

対面カウンセリング予約 当日予約可/初回30%OFF 店舗一覧 店舗一覧 心理職の方
はこちら