うつ病とは?原因や治療法までわかりやすく解説

うつ病というワードは一般的にも認知されるようになりましたが、しっかりとうつ病の知識について知っている方は少ないかもしれません。

今日は、うつ病についての基礎知識、そして原因や治療法まで解説していきたいと思います。

うつ病とは?

うつ病とは、15人に1人、場合によっては10人に1人、8人に1人ともいわれますが、この割合でうつ病になると言われています。人が障害に病気に罹る確率のことを生涯有病率と言いますが、それが15人に1人と言うことですね。つまり学校の1クラス30人として2~3人くらいはいることになりますね。

うつ病の症状は、大きく3つの症状が代表的です。

・気分の落ち込み・やる気の低下

・倦怠感・疲れやすさ・だるさ

・性欲・食欲・性欲の低下

それ以外にもたくさんの症状がありますが、代表的な症状はこの3つです。

他にもめまいや頭痛など身体症状が強く出る人もいますし、急に怒りっぽくなるなど性格の変容もあります。

多くの人が感じる症状としてはなんとなく気分が優れない、とかやる気が出ないということが大半だと思います。また、重度なうつ病の方だと、入浴や食事もしたいと思えずできないこともあります。

うつ病と適応障害の違い

うつ病と似たこころの病気に適応障害があります。適応障害の症状も、実はうつ病の症状とほぼ同じです。

ではうつ病と適応障害の違いとは何なのでしょうか。一言で言えば、明確なストレス源があるかないかということです。

適応障害の場合は、明確なストレス源がありますが、うつ病の場合は、明確なストレス源がないことが多い。

注意してほしいのは、うつ病もストレスが引き金となってうつ病になることもあります。

なので必ずしもストレスが原因じゃない、というわけではないということです。

ただ適応障害は明確なストレス源がはっきりしている。

例えば、パワハラ上司がいる、ことによって症状が出ていたりする。これは明確なストレス源は「上司」になるわけです。うつ病の場合は、ストレス源が複数ある場合もあります。

うつ病の原因

うつ病になるのは、どのような原因があるのでしょうか。

結論から言うと、ひとつの原因から説明することはできません。

うつ病の多くは、大きなライフイベントや過労やストレスを強く感じるときなどに生じやすいと言われていますが、じゃあ誰もがストレスフルな状態になればうつ病になるのか?と言われればそうではありません。

大きく原因としては、「ストレス」「性格的要因」「遺伝」この3つが絡んでいると言われています。

ストレス

日々生きていればストレスに晒され続けることになります。

「ストレスがない」状態になることはありません。家族の問題や、身体の病気が見つかった、とか、慢性的に仕事が忙しく過労状態とか職場の人間関係の問題、あとは環境の変化もストレスになります。

転勤や結婚、転居など、良い出来事(ライフイベント)でもストレスになることがあります。

それをきっかけとして、うつ病を発症することがあったり、うつ病でなくてもこころの病気になる方もいます。

例えば、強迫性障害は、まさに転勤とか結婚とか、今自分が生きている環境が変化したときに生じやすいと言われたりします。なのでストレスというのは、うつ病を発症するきっかけ(トリガー)に過ぎないということです。

性格的要因

うつ病になるかならないかの違いは、その人の性格要因も非常に影響していると言われます。

よく言われるのは、メランコリー親和型性格というのもので、ドイツのテレンバッハという精神科医が提唱したものなんですが、うつ病になりやすい人は「他人に合わせようとする」「ルールや秩序を重んじる」そういう傾向があると提唱しました。

周りからすると、生真面目で良い人。悪く言えば、「かたぶつ」みたいなイメージでしょうか。

要するに「しっかりもの」で社会的には評価されやすい人なんですよね。

うつ病の人のきまじめさは、物事の優先順位をつけるのが苦手なところが影響しているといわれたりします。

複数のことをこなすときに、「これは大事、これは後回し」ということができず、「すべて大事なこと」と思って、すべてに対してしっかりやるため、疲れやすいし、実際、時間は有限ですからすべてのことがこなせずストレスになる、傾向にあるとも言われます。

遺伝

遺伝も関係しているのではないか、という議論はあるのですがいまだによく解明されていないのが実情です。

ある研究では遺伝情報が全く同じ一卵性双生児の一人がうつ病になっても、もうひとりがうつ病にならないということもあると言われます。

他の要因

ホルモンの分泌も影響していると言われます。

脳内でつくられるメラトニンという物質の現象がうつ病と関連していると言われています。

メラトニンの働きというのは、睡眠や覚醒をはじめとする生命体のリズムを調整することで、これは日光に当たることで作られると言われます。だから日に当たる時間が少ないと、うつ病のリスクが高まると言われることもあるわけです。

よく冬にうつ病になりやすくて、夏になるにつれて回復するというようなうつ病があってこれを季節性うつ病というのですが、これはまさにメラトニン不足なのではないかと言われたりします。

冬は日照時間が少ないけど夏は多い、だから冬はメラトニンが生成されずうつ病になりやすいといわけですね。

他にもうつ病は女性に多いと言われますが、女性の場合だと月経の開始、妊娠、出産、閉経と障害を通じてホルモンバランスが大きく変化するといわれます。

このようなホルモンのバランスもうつ病の発症に影響しているのではないか、とも言われたりします。

うつ病の治療方法

うつ病の治療方法はどのようなものがあるのか?結論から言うと薬物療法と心理療法と休養です。

場合によっては、うつ病は休みをとることで治る場合もあります。

しかしながら、治療をしないと非常に強い精神的落ち込みを体験し、時に「死にたい」と思うくらい辛い状況を体験することになり、自殺のリスクがあります。だからこそ、治療をすることがとても大事になるのです。

薬物療法で気持ちの状態を落ち着かせ、そのうえで、心理療法でその人の考え方のクセを理解していきます。自己理解を深めることで、うつ病になった性格的要因の理由を探していくのです。

治療期間としては、だいたい半年~1年程度と言われます。もちろん重症化したうつ病はもっと時間がかかると言われますし、個人差も大きいでしょう。

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