発達障害におけるカウンセリングの効果はどのように現れる?

認知度が上がるとともに、診断数も増えてきている発達障害。先天性である発達障害には、カウンセリングの効果があるのかどうか、不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、発達障害とは何か、発達障害におけるカウンセリングの目的と効果、カウンセリングを受ける方法など、網羅的に解説していきます。

発達障害とは

発達障害とは、先天的な脳の器質的変形・損傷による障害の総称です。最新の診断マニュアルでは「神経発達症」という名称に変わっています(本記事では知名度を重視し、旧名を用いて解説していきます)。

その分類は医師によっても見解が分かれるところですが、基本的に代表的な発達障害としては以下の3つが挙げられます。

  • ASD(自閉症スペクトラム障害)
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • SLD(限局性学習障害)

発達障害のカウンセリングの目的

発達障害は、先天性(つまり生まれつき)の障害です。そして、現状発達障害が完治することはありません。そのため「発達障害にカウンセリングは効果がないのではないか」と考える方もいます。

結論からいえば、発達障害にもカウンセリングは有効です。しかし、その目的は「治す」というよりも「困り感(日常生活・社会生活における不自由性や困難さを示す精神医学の専門用語)の軽減」になります。

具体的には、心理検査によって自身の得手不得手を把握する、SST(ソーシャルスキルトレーニング)によって生活習慣の改善や就労支援につなげるなどが挙げられます。

また、カウンセリングではありませんが、薬物療法による障害特性の抑制などが実施されることもあるでしょう。

発達障害のカウンセリングの効果

ここからは、発達障害のカウンセリングの効果について解説していきます。
基本的には、3つの効果が挙げられます。

自己認識が向上する

まずは、自己認識が向上する効果があります。

カウンセリングで言葉を交わす過程や心理検査などで、自分自身の特性や困り感を深く理解し、自己受容や自己評価の改善に向けたアクションがとれるでしょう。

自分自身をより客観的に見つめ、個性を受け入れながら自信を持つことができることにもつながります。

自己認識の向上により、自己成長や日常生活の改善を目指してください。

社会的スキルの獲得につながる

次に挙げるのが、社会的スキルの獲得です。

具体的には、先述したSSTなどでコミュニケーションや関係構築に関するアドバイスやトレーニングを受けることで、社会的な困難に対処する方法を学べます。

また、集団セッションやロールプレイのような実践的な活動を通じて、社会的な場面でのスキルを磨くこともできるでしょう。

これにより、他人との関わりを円滑に進め、友情や職場での協調性を築くことができるようになるだけでなく、自信や自己効力感も向上し、積極的に社会参加できることが見込めます。

家庭や学校での問題の解決につながる

最後に挙げるのが、家庭や学校での問題の解決につながることです。

カウンセリングでは、感情や行動の制御方法を学び、対人関係やコミュニケーションのトラブルを解決する手段を身につけられます。

また、家族や教育者へのカウンセリングなどもあるため、特性への理解や協力も期待できるでしょう。

発達障害のカウンセリングを受ける方法

最後に、発達障害のカウンセリングを受ける方法を紹介します。

基本的には、以下の施設が挙げられます。

  • 病院(精神科・心療内科)
  • カウンセリングセンター
  • 発達障害支援センター

なかでもカウンセリングセンターは、オンラインカウンセリングを実施していることもあります。外出や対面で話すことに抵抗がある方は、ぜひ検討してみてください。

発達障害にもカウンセリングは効果がある

今回は、発達障害へのカウンセリングの効果について解説してきました。

発達障害は、現状の医療で治ることのない障害ですが、カウンセリングの効果はしっかりあります。具体的には、自己認識が向上する、社会的スキルの獲得につながる、家庭や学校での問題の解決につながるなどが挙げられます。いわば、日常生活や社会生活のやりやすさが向上するといえるでしょう。

また、たとえば今は病院で薬物治療のみを行っているという方も、カウンセリングを受けることによって薬物の必要性が低まることもあります。積極的に検討してみてください。

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