うつ病のカウンセリングで話す内容と受けるべきタイミングを解説

うつ病の治療方法のひとつとしてカウンセリングはよく知られていますが、実際にどのような内容を話し、どのようなタイミングで受けるべきなのか知らないという方も多いでしょう。

また、費用的な面も不安要素に挙げられ、保険が適用されない場合とされない場合の両方が存在するため、どれくらい費用がかかるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、うつ病のカウンセリングで話す内容と受けるべきタイミング、保険適用される条件などについて詳しく解説します。うつ病のカウンセリングを検討している方にとっては非常に大切な情報となりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

うつ病のカウンセリングで話す内容とは?

うつ病のカウンセリングでは、患者の症状によっても話す内容は異なりますが、主な会話内容は以下のようなものがあります。

  • 現状感じている不安やストレスについて
  • うつ病に対する理解について
  • 無意識の行動習慣や思考について

それぞれの内容について、以下で詳しく解説します。

1.現状感じている不安やストレスについて

現代の日本において、うつ病は誰でもかかる可能性のある代表的な精神疾患ですが、それでも「うつ病はネガティブだから」「少し休めば治る」と考えている方が一定数いるのも事実です。

このような現状から、うつ病患者は現状感じている不安やストレスについて周囲に話すことができず、さらにうつの症状が悪化してしまう可能性もあります。

うつ病のカウンセリングでは、うつ病に対して専門的な知識を持っているカウンセラー相手に話すことができるため、不安やストレスについて気軽に話すことができるのです。

2.うつ病に対する理解について

うつ病に関してはインターネットでも多くの情報を調べることができますが、自分がうつ病になってしまった場合、正確なうつ病の情報を調べることは難しいことでしょう。

うつ病のカウンセリングでは、うつ病に対する理解を深めるためにメカニズムや治療のプロセスなどを話し合うことができます。このようなうつ病の正しい知識を理解することで、復職までの流れやうつ病回復までの期間をある程度把握することができます。

3.無意識の行動習慣や思考について

うつ病は日常の行動習慣によって精神的な負担を感じてしまったり、ストレスを感じてしまうこともあるため、無意識の行動習慣がうつ病の要因のひとつになっていないかを確かめることが大切です。

うつ病のカウンセリングでは、カウンセラーから見てうつ病の要因になる可能性もある無意識の行動を確認してくれるため、うつ病の改善に近くなります。

うつ病でカウンセリングを受けるべきタイミングとは

うつ病でカウンセリングを受けるべきタイミングは以下の通りです。

  • 復職を考えているとき
  • 行動習慣を見直したいとき
  • 患者がカウンセリングに必要性を感じているとき
  • 経済的に負担にならないとき

カウンセリングは受けるタイミングによって効果に違いがあるため、しっかりとしたタイミングを知ることが大切です。それでは、それぞれのタイミングについて詳しく解説します。

タイミング①:復職を考えているとき

うつの症状が改善傾向に合う場合、復職について具体的なタイミングを検討しますが、このときにカウンセリングを受けることがおすすめです。

復職のときには主治医や上司にも相談しますが、そのうえで気持ちに寄り添ってくれるカウンセラーの存在が復職に向けて大きな存在になります。

また、カウンセリングでは復職に向けての具体的な計画や目標設定などもすることができます。

タイミング②:行動習慣を見直したいとき

うつ病の症状が改善しつつあるにも関わらず、生活習慣が乱れている場合や強い不安・ストレスなどを感じる場合はカウンセリングを受けることが必要です。

うつ病の症状が軽減し始める「回復期」において、通常は生活習慣が安定したり不安やストレスの症状も改善してきますが、そのタイミングでうつ病の症状が見られるという場合は症状が再発してしまう可能性もあるので注意が必要になります。

タイミング③:患者がカウンセリングに必要性を感じているとき

効果的なカウンセリングをするためには、うつ病の患者本人が必要性を感じているときですので、本人がカウンセリングを受けたいという気持ちがあるのであればカウンセリングを受けるといいでしょう。

逆にいうと、カウンセリングが必要な状態であっても、本人が必要性を感じていない場合は効果が半減してしまうこともあるのです。

タイミング④:経済的に負担にならないとき

カウンセリングは基本的に保険が適用されず1回あたり1万円の費用がかかってしまうため、経済的に負担にならないのであればカウンセリングを受けるといいでしょう。

ただし、基本的には自費負担になるものの、カウンセリングの内容によっては保険適用になるケースもあるため、どれくらいの費用がかかるのかを主治医に確認することが大切です。

うつ病のカウンセリングは保険適用の対象になるのか?

先ほどもお伝えした通り、うつ病のカウンセリングは保険適用になる場合もあります。

ただし、基本的にはうつ病のカウンセリングは自費になるということ、さらには保険が適用される場合はカウンセリングをする前に主治医の診察が必須であること、さらにはカウンセリングルームではなく心療内科・精神科でのカウンセリングとなることを覚えておきましょう。

また、医療機関によっても保険適用のカウンセリングの取り扱いは異なるため、診察を受ける医療機関に必ず問い合わせをする必要があります。

これらの注意点を踏まえて、以下の具体的な条件についてみていきましょう。

  • 認知行動療法・精神分析療法でのカウンセリング
  • 通院・在宅精神療法でのカウンセリング
  • 標準型精神分析療法でのカウンセリング
  • 小児特定疾患に対するカウンセリング

それぞれの対象になる条件について詳しく解説します。

保険適用のケース①:認知行動療法・精神分析療法でのカウンセリング

うつ病のカウンセリングの中でも、強迫性障害・社交不安障害・パニック障害または心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった気分障害の治療として医師からカウンセリングが認められた場合に保険適用となります。ただし、この場合は1回30分以上のカウンセリングが必要です。

保険適用のケース②:通院・在宅精神療法でのカウンセリング

うつ病のカウンセリングの中でも、統合失調症・躁うつ病・神経症(不安障害)・中毒性精神障害(アルコール依存症など)・パーソナリティ障害などの精神疾患の場合のカウンセリングでは保険が適用されます。

保険適用のケース③:標準型精神分析療法でのカウンセリング

標準型精神分析として、1回45分以上のカウンセリングが行われる場合に保険が適用となります。

保険適用のケース④:小児特定疾患に対するカウンセリング

発達障害や児童思春期による精神疾患に対するカウンセリングは保険適用となります。ただし、公認心理士によるカウンセリングに加え、以下の条件をすべて満たしたときになります。

  • 初回カウンセリングを医師が行う
  • 医師の指示のもと20分以上行う
  • 3ヶ月に1回の頻度でカウンセリングを医師が担当する

このように、小児特定疾患において保険適用される条件がほかよりも厳しくなっているためよく確認しましょう。

まとめ

本記事では、うつ病のカウンセリングで話す内容と受けるべきタイミング、保険適用される条件などについて詳しく解説しました。うつ病のカウンセリングは非常に効果的な治療方法のひとつとなりますが、症状の回復度や本人の意思などを考慮したうえでしっかりとしたタイミングで受けることが大切です。

また、カウンセリングで話す内容や保険適用に関する費用的な問題についても事前に知っておくことでカウンセリングに対する不安を解消することができるでしょう。ぜひ本記事を参考にして、うつ病のカウンセリングについて理解してみてください。

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