良いカウンセラーの見分け方とは?臨床心理士が解説

初めてカウンセリングを受けようと考えているけれども、どのようなカウンセラーを選んだ方が良いのかわからないと感じている方も多いかと思います。そこで今日のコラムでは良いカウンセラーの選び方・見分け方について現役の臨床心理士が解説していきます。是非最後までご覧ください。

「良い」カウンセラーと「悪い」カウンセラー

特に、初めてカウンセリングを受けようと考えている方は当てはまると思うのですが、カウンセリングを受けようと考えていて、いざ、カウンセリングを受けようと思った時にどんな基準でカウンセラーやカウンセリングルームを選べばいいかわからない、と感じる人が多いのではないでしょうか。

確かに今はカウンセリングルームがたくさんはびこっていておりますし、カウンセリングを受けたことがなければ尚さら何が良いのか悪いのかすら、わからないですよね。

そんなときは、選択基準としてウェイトを占めるのが、例えば

「早く予約できる」とか「通いやすいところがいい」とか「グーグルの口コミが良いから」とかで選びがちだと思うのです。

もちろんそのような選び方も悪くはないし、むしろそのような選び方もひとつの方法だと思います。

いざカウンセラーに話してみて、今までいくつかカウンセリングを受けたことがあれば、比較対象があるのでわかるかもしれませんが、そうではなく、今回がはじめてのカウンセリング体験であれば、出会ったそのカウンセラーが本当にいいのかどうなのかわかりませんよね。

歯医者でも病院でもそうですけれど、診てもらうならできるだけ「良い医者」に診てもらいたいように、カウンセリングもまた、「良いカウンセラーのカウンセリングが受けたい」と思うのが、人情だと思います。

そうであれば、いったい、良いカウンセラーというのはどういうカウンセラーなのでしょうか。

「悪い」カウンセラーとは?

良いカウンセラーをお伝えする前に、対義語であるであろう「悪いカウンセラー」とはどういうイメージがありますか。

イメージしやすいのは、

「全然話をきいてくれなかった」

「足を組んでたり、腕組んでいたり、態度が悪いなぁと感じた」

とか

「何回か受けたけれど悩みが解決しないなぁと感じた」とか、

「話をしても否定されるように感じた」とか

「話をしている間に居眠りしていた」とか、このようなことではないかと思われます。

ちなみにこれらは実際のクライアント様から聞いたことがあるホントの話です。

「良い」カウンセラーとは?

では「良いカウンセラー」のイメージはどのようなものでしょうか。

例えば、

「親身になって話をきいてもらった」とか

「態度がよかった」とか

「自分の話を受け止めてくれた」

「問題の解決の糸口が見えた」とか

このような感じだと思います。

確かに、良いカウンセラーのイメージや悪いカウンセラーのイメージは、合っている気がしますが、

でも実は良いカウンセラーって、皆さんが一見、「悪いカウンセラー」と思うようなカウンセラーだったりすることもあるのです。

どういうことか?良いカウンセラーの見分け方をこの後詳しく解説しましょう。

良いカウンセラーの見分け方

良いカウンセラーの特徴①

まずひとつめは、あまり話をしないカウンセラーということ。

これ意外ですよね。むしろ色々と話してくれるくらいのカウンセラーの方がいいのでは?

アドバイスとかいっぱいもらえた方が解決するんじゃないの?と思うでしょう。でも実は違います。

カウンセリングは、自分の心と向き合い、問題解決を自分が自ら気づいていく場所、だからこそカウンセラーが答えを出すのではないのです。相談者が答えを出すのです。

カウンセラーというのは、その相談者が自ら答えを出すためにお手伝いをしているのですね。だから、カウンセラーはあまり介入的に「あぁしなさい」「こうしなさい」とは言わず、必要最小限のことばかけしかしないのです。

伝え返したり、解釈したりするカウンセラー、実はこのようなカウンセラーの方が、良いカウンセラーなのですね。

ある意味、すごく冷静に見えると思います。そういう人が良いカウンセラーです。

一見、親身になって話を聞いてくれる方が良いと思うかもしれませんが、そうすると客観的に話を聞くことができず、良いカウンセリングにならないと言われます。話す割合で言えば、7:3か6:4くらいでクライアントの方が話すのが多いのです。

良いカウンセラーの特徴②

ふたつめは、何となく話しやすいなと思うカウンセラー。

これは「良いカウンセラー」のイメージとドンピシャかなと思います。

どんなに「腕がいいカウンセラー」とうわさされるカウンセラーのところに行ったとしても

「話しにくいなぁ」「怖いなぁ」と思ったら心は開けないですよね。

まずは1回目で「話しやすいかどうか」それを重視してくださいね。

これは個人差が大きいから、これはもうご自身の感覚が大事だと思います。人によっては話しやすい人にも人によっては話しにくいということもありますから。

良いカウンセラーの特徴③

3つめは、カウンセリングの導入の時に、大まかな見通しを伝えてくれたり、正直に話をしてくれるカウンセラー。

初回カウンセリングのことをインテーク面接と言ったりするのですが、このインテークの最後に、カウンセリングのおおまかな見通し、これを伝えられる人は良いカウンセラーです。

普通に考えて、カウンセリングこれからずっと受けてみようと思っても、見通しがないと不安ですよね。

その見通しを伝えてくれるカウンセラーは、クライアントのことにも配慮していることはもちろんのこと、見通しを伝えられるということは、ある程度の見立てができているということです。

正直、インテーク面接ですぐに見立てはできないものと言われますが、ある程度分かる範囲で伝えてもらえる方が相談者としては安心できると思うのです。もしそうなら正直に話をしてくれるカウンセラーが一番誠実だし、信頼できるわけです。

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この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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