アダルトチルドレン6つのタイプとカウンセリングの必要性を解説

アダルトチルドレンにはさまざまな種類があり、それぞれに適切な対処をすることが改善の第一歩になります。

しかし、アダルトチルドレンのタイプや改善方法について知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、アダルトチルドレンのタイプ別の特徴とカウンセリングの必要性について詳しく解説します。

そもそもアダルトチルドレンとは?

アダルトチルドレンとは、子どもの頃に機能不全家族(※)に育てられ肉体的・精神的な負担を受けた人の中でも、大人になってからもその影響によって心理的に問題を抱えている人のことを指します。

機能不全家族に育てられたアダルトチルドレンの心理的な問題にはさまざまな種類がありますが、主な問題として挙げられるのがアルコール依存症・薬物依存症・うつ病・不安障害です。

現代での生きづらさを感じて多くの問題を抱えてしまうアダルトチルドレンですが、実はアダルトチルドレンという名前は医学的な診断名ではなく、もともとはアルコール依存症の親に育てられた人のことを指す言葉でした。

そこから意味が広がっていき、現在では機能不全家族に育てられ、その影響が大人になっても残っている人のことを指すようになったのです。

(※)機能不全家族とは、さまざまなストレスが日常的に存在している家族のことを指し、具体的には精神的・肉体的虐待や、ネグレクト(育児放棄)、子どもへの過干渉、子どもへの過度な期待などが挙げられます。

アダルトチルドレンの6つのタイプとは?

アダルトチルドレンには以下の6つのタイプがあります。

  • ヒーロー(英雄)
  • スケープゴート(生贄)
  • ロストワン(いない子)
  • ケアテイカー(世話役)
  • ピエロ(道化師)
  • イネイブラー

それぞれのアダルトチルドレンのタイプについて詳しく解説します。

アダルトチルドレンのタイプ①:ヒーロー(英雄)

ヒーロータイプは、小さいことから両親や周囲の大人から期待されたことから、期待に答えなければいけないという気持ちが強くなってしまった結果、勉強やスポーツはもちろん、周囲の大人から良い評価を得ることを第一に行動してしまうアダルトチルドレンのことを指します。

そのため、自分に厳しく行動・思考することはもちろん、自分の行動によって良い結果が出なかった場合に、大きく落ち込んでしまったり、挫折してしまうことが多いことが特徴です。

アダルトチルドレンのタイプ②:スケープゴート(生贄)

スケープゴートは、本来であれば家族や親が問題を起こしているのにも関わらず、あたかも子どもが悪いかのように問題の原因を押し付けられてしまい、悪役として育てられてしまったアダルトチルドレンのことを指します。

そのため、スケープゴート(生贄・身代わり)という名称が付けられ、自分への価値を極端に低く考えやすいことから、自傷行為や自暴自棄な選択を取りやすいことが特徴として挙げられ、問題行為を起こしたり相手から評価が低くなる行動をあえてとったりしてしまうこともあるのです。

アダルトチルドレンのタイプ③:ロストワン(いない子)

ロストワンは、兄弟の中でも親の注目度が低い子どもだったり、学校などの集団の中で存在感の薄い立場にいたことから、自己主張が苦手で自分の存在意義を感じにくいアダルトチルドレンのことを指します。

また、自分の感情を誰かに伝えることをせずに大人になっているため、社会的ストレスを発散することができず、うつ状態など精神疾患になりやすいことも特徴のひとつです。

アダルトチルドレンのタイプ④:ケアテイカー(世話役)

ケアテイカーは、小さいころから家族の世話や話し相手、支える役割などをしてきたことから、過剰なまでにお世話をしてしまったり、自己犠牲をしてまで誰かに尽くしてしまうアダルトチルドレンのことを指します。

また、ケアテイカーは誰かのお世話をしていることに対して大きな存在意義を感じていることが多いため、恋人と共依存の関係になったり、本来であれば自分が助けて欲しい状態にも関わらず誰かに尽くしてしまうなどしてしまうため、精神的に疲弊してしまったり、精神状態が悪くなってしまうことが特徴です。

アダルトチルドレンのタイプ⑤:ピエロ(道化師)

ピエロは、自分の状況に関わらずいつも笑顔で振る舞ったり、冗談を言って周囲を和ませたりする役割を担って育ってきたため、ピエロのようにいつも明るく振る舞ってしまうアダルトチルドレンのことを指します。

いつも明るく振る舞うことは一見良いことのように思われるかもしれませんが、常に周囲の状況を把握して緊張感を解くことに思考を使うため、自分の精神状態や本音、本心などを周囲に伝えることができず、結果として精神状態が悪くなってしまったり、「なんでこんなことしているのだろう」という虚無感に襲われることもあるのです。

アダルトチルドレンのタイプ⑥:イネイブラー

イネイブラーは、アルコール依存症の親を支えるために子どものころから自分のことは後回しにして親のお世話をして育ってきたアダルトチルドレンを指すため、「救済者」の意味を持つ”イネイブラー”と呼ばれています。

イネイブラーは、ケアテイカーと同じように自己犠牲をしたり献身的に家族に尽くしたりしますが、ケアテイカーが相手のためになる尽くし方をする一方で、イネイブラーは相手のためにならない尽くし方をしてしまうということが大きな違いです。

例えば、親がアルコールを欲しいと言っているときにすぐにアルコールを持っていってしまったりと、相手のアルコール依存症をさらに悪化させてしまうように尽くしてしまいます。

このように育ってきたイネイブラーは、大人になってからも悪い尽くし方をしてしまったり、献身的に尽くさないと恋人が離れていってしまうなどの不安に駆られてしまうことも多いのです。

アダルトチルドレンの改善にはカウンセリングを受けるべき

先ほどもお伝えした通り、アダルトチルドレン自体は病気として扱われないため、医療機関でアダルトチルドレンと診断されることはなく、それに対しての処置もしてもらうことができません。

もちろん、アダルトチルドレンに付随して発生するアルコール依存症・薬物依存症・うつ病・不安障害については治療してもらえるので安心してください。

とはいえ、アダルトチルドレンに悩んでいるという方は多いため、そのような方はカウンセリングを受けることがおすすめです。

カウンセリングでは、子どもの頃に感じたトラウマを大人になってから改善することができたり、現状の人間関係についての相談、さらにはタイプ別にアダルトチルドレンの改善方法を相談することもできます。

このように、明確な病名はないもののアダルトチルドレンに悩んでいるという方は一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、アダルトチルドレンのタイプ別の特徴とカウンセリングの必要性について詳しく解説しました。

ひとことでアダルトチルドレンといっても、まったく異なる環境で育ってきた6つのタイプに別れているため、それぞれの育ってきた環境やタイプによって適切な改善方法をすることが大切です。

また、病院ではアダルトチルドレンに付随して発生した病気のみ改善することができ、根本的な改善をするためにはカウンセリングを検討することも大切になります。

ぜひ本記事を参考にしてアダルトチルドレンのタイプと改善方法をチェックしてみてください。

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