カウンセリングを受けたいと思ったらどうすればいい?臨床心理士が解説

カウンセリングを受けたいと考えているけれど「どうすればいいのかわからない」そのようなお声を聴くことは少なくありません。

実際、カウンセリングに来室して頂いている方で初めてご利用頂く方でも

「カウンセリングを受けようと思ってもどうすればいいのか?」「どうやって探せばいいのかわからなかった」というお声を聴くことが多いです。

なので今日は、現役の臨床心理士がお伝えする「カウンセリングを受けたいと思った時はどうすればいいのか?」

詳しく解説していきたいと思います。

カウンセリングを受けたいと思ったらまずするべきこと

カウンセリングを受けたいと思ったらまずするべきことは、

・カウンセリングルームを探すこと

・料金について調べること

・カウンセリングを受ける目的

・相談できることは何か

大きくはこの4つがポイントになります。ひとつずつ解説していきましょう。

①カウンセリングルームを探すこと

カウンセリングを受けたいと思った時に、対面でカウンセリングが受けられるところを探すか、

もしくはオンラインでカウンセリングを受けられるところを探すか、大きくこのふたつから選ぶ必要があります。

対面でのカウンセリングルームを探す

まずは自宅の近くや職場の近くなど、通いやすいカウンセリングルームを探しましょう。

カウンセリングは1回受けて劇的に改善するものではなく、

ある程度セッションを受けて時間をかけて自分自身のお悩みの解決の糸口が見えてくるというものです。

そのため、通いやすいところを選びましょう。

例えば、片道2時間かかるようなところに何回も通えますか?

一般的に考えると負担が大きく、途中で通うことがしんどくなることが多いです。

そもそもカウンセリングは、自分自身と向き合う作業なので、

時に自分自身の見たくないものを見ることになりますから、

個人差はありますが、カウンセリングを受けること自体が次第にしんどくなるということがあります。

ですから、できるだけ物理的に負担がないところを選ぶと良いでしょう。

オンラインカウンセリングを探す

最近ではオンラインカウンセリング専門のプラットフォームもあり、

web会議アプリ、zoomやGoogleミートなどでカウンセリングを受けることもできます。

対面カウンセリングを専門としているカウンセリングルームでもオンラインカウンセリングにも対応している場合もあります。

オンラインカウンセリングの場合は、通信環境とひとりでいられる環境さえあればどこでも受けられますし、

カウンセリングルームに通う時間を節約できますので時間を節約したいと考えている方にはお勧めです。

また、「今すぐに話を聞いてもらいたい」と考えている方などにもお勧めです。

オンラインカウンセリング専門のプラットフォームですと当日に予約できる場所も多く存在しています。

逆に対面カウンセリングルームですと当日に予約をとれるところが少ないです。

場合によっては1週間後とか1か月後先の予約になることもありますので、

「誰かに話を聞いて欲しい」と強く感じている方はオンラインカウンセリングはお勧めです。

一方で、うつ病や適応障害などこころの病気の治療として

カウンセリングを利用したいと考えている場合は、対面カウンセリングをお勧めします。

オンラインカウンセリングでは、比較的心の健康度が高い人、これを「病態水準」と言ったりしますが、

病態水準が高い人向けであり、専門家の間では賛否両論ありますが、

オンラインカウンセリングはあまり向いていないと言われたりします。

 

まとめますと、対面カウンセリングでは、うつ病や適応障害などこころの病気の治療や

自分自身の心の問題の改善をすることが目的であり、

オンラインカウンセリングでは、「話を聞いてもらう」ことによるカタルシス効果を得ることや

話をすることで、問題の整理をしたいと考えている人向けと考えて頂くとわかりやすいかもしれません。

②料金について

カウンセリングを受けようと考えたときに、気になるのは料金ではないでしょうか。

実際、カウンセリングルームのHPの中でアクセス数が多いのは、料金ページです。

地域差もありますが、1回の対面でのカウンセリングの料金の相場は、8000円~10000円前後と言われます。

オンラインカウンセリング専門プラットフォームでのカウンセリングの相場は、5000円~8000円前後と言われています。

一般にオンラインカウンセリングの方が相場としては安い傾向があります。

ただ注意してほしいのは、対面カウンセリングルームでもオンラインカウンセリングを提供しているところもありますが、

場所によっては、対面カウンセリングと同じ料金、

もしくは対面カウンセリングの料金より高く設定しているところもあったりします。

なぜ対面カウンセリングルームで、オンラインカウンセリングの料金を高くしているかと言うと

そのカウンセリングルームそれぞれの考え方があるので、一概には言えませんが

一般的には、オンラインカウンセリングよりも対面カウンセリングに重きを置いているカウンセラーが多いからです。

③カウンセリングを受ける目的

カウンセリングを受ける目的については、実際、明確になくても大丈夫です。

カウンセリングを受けている中で、目的を見出すこともありますし、

カウンセリングの目的のひとつとしても、カウンセラーとの対話を通して

目的を相談者が自ら見出すものと考えられているからです。

ただもし、心に余裕があれば、自分の中で目的を考えておくと良いかもしれません。

例えば、気持ちが落ち込むことが多くて悩んでいるAさんがいらっしゃったとして

カウンセリングを受けての目的として

「落ち込むことを少なくしたい」とか「自分らしく生きられるようになりたい」とか

この程度でいいので、自分がカウンセリングを受けてどうなりたいのかということは

ある程度考えておくと、カウンセリングの時間がより有意義になります。

④カウンセリングで相談できることはなにか?

カウンセリングを受けたいと考えたときに、そのカウンセラーがどのような相談に対応しているかはしっかりとチェックする必要があります。

基本的に、どのカウンセリングルームでもだいたいの相談内容には対応していることが多いです。

しかし可能であれば、これから受けようとしているカウンセラーのプロフィールを確認しそのカウンセラーの専門分野をみてみると良いでしょう。

多くのカウンセリングルームはHPがあり、プロフィールが載っていますのでそちらで確認できます。

例えば、自分は「アダルトチルドレンかもしれない」「愛着障害かもしれない」と悩んでいる場合であれば、

できる限りアダルトチルドレンや愛着障害を扱っているカウンセラーを選ぶと良いでしょう。

カウンセリングを受けるかどうか迷ったら?

海外ですとカウンセリングを受けることは、一般的なこととして捉えられていますが、

日本ですとまだまだ敷居が高いと感じている方も多いかもしれません。

そのため、カウンセリングを受けたいと思っても足踏みしてしまう人も多いことが考えられます。

特に対面でのカウンセリングは敷居が高いと感じても無理はないと思います。

結論からいうと、自分自身が「カウンセリングを受けたい」と思うことが大事で

誰かから言われてしぶしぶカウンセリングを受けても意味がありません。

カウンセリングは、受ける人自身のモチベーションが非常に重要だと言われています。

その上で、カウンセリングを受けるかどうか、迷ったら以下の2つのポイントで考えてみると良いでしょう。

「日常生活に支障が出ている」

「生きづらさを感じている」

この2つを軸に考えていきます。

日常生活に支障が出ている

「自分の悩んでいることの影響で仕事を休みがちになる」など生活している上で

支障が出ている場合は、早急にカウンセリングもしくは心療内科の受診をする必要があります。

生きづらさを感じている

日常生活に支障がでていないけれど、慢性的に生きづらさを感じている方は、

カウンセリングを受けることをお勧めします。

その生きづらさをずっと抱え続けることはしんどいと思うし、生きづらさがある日突然、解消することもありません。

もちろんカウンセリングを1回受けたからと言って劇的に変わるわけではありません。

カウンセリングを受けることで、その生きづらさを減らしていくにはどうすればいいか?をカウンセラーと一緒に考えていく必要があるのです。

それでも敷居が高いと感じるなら?

それでも対面カウンセリングは敷居が高いと感じている場合は、

オンラインカウンセリングの方が敷居が低いと感じる人もいらっしゃるので

まずはオンラインカウンセリングを体験もかねて受けてもいいかもしれません。

カウンセリングを受けている中で、カウンセラーが対面カウンセリングをお勧めしたり心療内科受診をお勧めする場合もありますのでまずは気軽に受けてみることが重要だと思います。

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