発達障害にカウンセリングは意味がない?期待できる効果は?

「発達障害にカウンセリングは意味がない?」
「発達障害の種類を知りたい」
「意味のないカウンセリングをするカウンセラーの特徴とは?」

発達障害は先天性の障害です。そのため、カウンセリングは意味がないという言説も散見されています。
本記事では、その真偽や、発達障害の種類や治療法について詳しく解説していきます。
カウンセリングをうけたい方、心の悩みを抱えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

発達障害とは

発達障害とは、脳の器質的な損傷・変形によって起こる先天性の精神障害です。

精神障害といっても、実際は素人には健常者との見分けがつかないことから「見えない障害」ともいわれており、それによって当事者は理解が得られにくい問題にも悩まされています。

アメリカ精神医学会が発行している最新の診断マニュアル「DSM-5」では、発達障害という名称ではなく「神経発達症」とされています。

本記事では、知名度の高い「発達障害」を用いて解説していきます。

発達障害の種類

ここからは、発達障害の種類を紹介していきます。
厳密な分類は、医師や学者によっても揺れていますが、基本的に最低でも以下の3つは発達障害と分類されています。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

ここでは、以上の3つに加え、知的障害についても解説していきます。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、以下2つの特性が見られる発達障害です。

  • 社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における特続的な欠陥
  • 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式

具体的な特性としては、以下のようなものが見られます。

  • 相手の言葉を字義通りに受け止める(遅刻して「今何時だと思っているんだ」と叱責された際に現時刻を答えるなど)
  • 興味物への強いこだわり、執着、常同行動(同じドラマのワンシーンを1日中繰り返し観るなど)
  • 感覚過敏・感覚鈍麻(周りの雑音が大きく聞こえカフェでの会話が困難、匂いが人一倍わからないなど)

ただし、発現する特性は人それぞれである点も注意しておきましょう。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)は、以下2つの特性が見られる発達障害です。

  • 不注意
  • 多動性・衝動性

具体的な特性としては、以下のようなものが見られます。

  • 過度な忘れ物(靴を履き忘れて出勤する、1ヶ月毎日忘れ物をするなど)
  • 長時間椅子にじっと座っていられない

ただし、発現する特性は人それぞれである点も注意しておきましょう。

関連記事:ADHDの特徴や特性とは?カウンセリングの役割も解説

学習障害(SLD)

学習障害(LD)、正式名称「限局性学習障害(SLD)」は、以下と定義される発達障害です。

  • 全般的な能力に遅れはないが、ある特定の学習能力に著しい困難を示す

「ある特定の学習能力」とは、読む・聞く・話す・書く・計算するなど。
具体的な特性としては、以下のようなものが見られます。

  • 数学的思考力は高いにもかかわらず、2桁同士の足し算が暗算で行えない
  • 普段のコミュニケーションには問題ないものの、資料の音読がうまくできない

ただし、発現する特性は人それぞれである点も注意しておきましょう。

知的障害

知的障害、正式名称「知的能力障害」は、発達障害に分類されることもある精神障害で、定義は以下の通り。

  • 全般的な知的発達の明らかな遅れと適応行動の障害が、18歳以前から見られる

「明らかな遅れ」は、知能検査で知能指数(IQ)が一定水準を下回ること(具体的にはおよそ70未満)を指しますが、あわせて適応機能も考慮されて診断へ至ります。
臨床の場では、重症度はIQ値よりも適応機能によって決定されます。

発達障害にカウンセリングは意味がない?

発達障害は完治しないものの、カウンセリングは生活の支障を軽減する有効な手段です。
また、注意欠陥多動性障害(ADHD)の不注意などには薬物治療も併用されることがあります。
カウンセリングと薬物治療を組み合わせることで、より効果的なサポートが可能です。

関連記事:発達障害はカウンセリングで治る?診断の注意点も解説

カウンセリングで期待できる効果

発達障害のカウンセリングでは、個別のニーズに合わせた支援が提供され、生活上の困難や心理的な問題への対応力が向上します。

具体的には、カウンセラーは成果指向の手法や認知行動療法を用い、自己肯定感やコミュニケーション能力の向上、ストレスの軽減などを目指します。

カウンセリングは発達障害の人々にとって、生活の質を向上させる重要なツールとなりえます。

意味のないカウンセリングをするカウンセラーの特徴

最後に、意味のないカウンセリングをするカウンセラーの特徴を解説していきます。
以下の4つのいずれかに当てはまるカウンセラーは注意が必要です。

  • 公認心理師や臨床心理士の資格をもっていない
  • 話を聞くだけで何もしてくれない
  • 心理検査を行えない
  • スーパーヴァイザーがいない

とくに、上記のうち、上の項目に当てはまっていればいるほど慎重になったほうが良いでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。

公認心理師や臨床心理士の資格をもっていない

まず紹介するのは、公認心理師や臨床心理士の資格をもっていないという特徴です。

実は「カウンセラー」自体は無資格で誰でも名乗れてしまいます。
しかし「心理シ」は、無資格では名乗れません。

公認心理師も臨床心理士も、大学・大学院で専門的に学んでいることが約束されており、資格の有無によって技術力や知識量に差があるでしょう。

カウンセラーでありながら、心理シ資格を持っていない人への相談は慎重になった方が良いでしょう。

関連記事:カウンセリングに行くとアドバイスがもらえる?臨床心理士が解説

話を聞くだけで何もしてくれない

話を聞くだけで何もしてくれないカウンセラーも、当然効果的ではありません。
有意義なカウンセリングでは、カウンセラーは適切なテクニックやアプローチを用いて、問題の解決やスキルの向上をサポートします。
カウンセラーはただ話を聞くだけでなく、具体的なアドバイスや適切な課題を提案し、クライアントの成長を手伝う役割であるべきでしょう。

心理検査を行えない

心理検査を行えないカウンセラーも、発達障害の人々を十分にサポートできないでしょう。

心理検査は個々人の性格特性や知能傾向などを理解し、適切なアプローチを選択するための重要な手段です。

カウンセラーはその検査結果をもとに診断や治療計画を立てることで、クライアントの困難への理解を深め、より適切な援助へとつなげていきます。

心理検査ができないカウンセラーは、クライアントのニーズに沿った的確な支援が難しくなるでしょう。

スーパーヴァイザーがいない

スーパーヴァイザーは、カウンセラーの指導・監督を行う人のことです。

客観的かつ専門的な相談ができる先輩カウンセラー、ベテランカウンセラーというイメージがわかりやすいでしょう。
倫理的な基準や最新の研究に基づいたアドバイスを提供する役割も。

スーパーヴァイザーのいないカウンセラーは、カウンセラーのスキルや判断力の欠如、倫理的問題の増加、クライアントへの不適切な対応などを引き起こす可能性が考えられます。

発達障害にカウンセリングが意味がないというのは誤解

今回は、発達障害へのカウンセリングについて解説してきました。

発達障害の人々にとっても、適切なカウンセリングは効果的であり、困難を克服するための手段たりえます。

個別のニーズや特性を把握し、適切なアプローチを選択することが重要です。

カウンセリングは自己理解やスキルの向上、社会的な関係の改善などに貢献し、より良い生活の実現をサポートします。

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