カウンセリングは意味がない?「無駄」と感じたときの理由と対処法を臨床心理士が解説します

今回はカウンセリングは「意味がない」と感じたときの理由や対処法についてご紹介します。

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カウンセリングは意味がないのか?

結論から言いますと、カウンセリングを受ける「受け方」によっては意味がありまん。逆に言えば、「受け方」次第でカウンセリングは意味があるものとなります。

どういうことかを説明する前にまず、「カウンセリング」ってどんなものなのか?詳しく説明する必要があると思います。

カウンセリングとは?

カウンセリング(心理療法)とは、カウンセラーとの対話を通して、自分自身の悩みをどうしていけば解決していくか一緒に考えることです。カウンセリングは一言でいえば、「気づき」が重要なんですね。

その「気づき」を得ることによって次第に自分自身の悩みの解決の糸口が見えてきて、結果的に悩みの解消に結びつくんだと言われたりします。

ところで、なぜ「気づき」が必要なのでしょうか。

それはカウンセリングの考え方にヒントがあります。カウンセリングの考え方としては、そもそも自分の悩みの解決方法は自分自身の心の中にあるものだと考えます。

つまり自分自身、悩んでいるけれども解決方法も実は知っているということですね。

でも悩みが深く、複雑化していると心に余裕がありません。余裕がないと見えるところにあるものも見えない状態になるわけです。わかりやすい例でいえば、焦っているときに探し物をしても見つかりにくかったりしますよね。

それに近い状態になるわけです。でも落ち着いて客観的に自分自身を見つめることで冷静さを取り戻し、やがては自分自身持っている解決方法を見つけて悩みの解決や解消につながるわけなんですね。

そのお手伝いをカウンセリングではカウンセラーがお手伝いするわけなのです。

よくあるカウンセリングの誤解のひとつに、カウンセリングって「カウンセラーからアドバイスを貰えるんでしょ?」と仰られる方がいらっしゃいます。

確かに、カウンセリングを受けたことがない方だと「カウンセリング=アドバイスを貰えるところ」と考えても不思議ではありません。しかしながら、先程もお伝えしたように、カウンセリングというのは、「気づき」が重要なのですね。

なので基本的にはカウンセラーから支持的なアドバイスはしないのです。

カウンセラーの根本的な基本的姿勢として「受容」「共感的理解」というものがあります。これはどういうことかと言いますと、カウンセラーは相談者の悩みを否定せずにありのまま受け止め共感的に関わることが大事だということです。

これはカールロジャーズ(Carl Ransom Rogers)の来談者中心療法という考え方ですが、これはカウンセリングの基本姿勢としてどのカウンセラーでも身に着けている姿勢であります。

このような「受容」と「共感的理解」というカウンセラーからの関わりによって相談者は客観性を自ら見出し、最終的に悩みの解決の糸口を見つけていくわけなんですね。

「受容」と「共感的理解」というのは、いわば支持的ではないんですよね、非支持的であり、言い換えれば相談者ファーストなのです。

それと比較して、カウンセラーがアドバイスばかりするというのは、「支持的」なわけであり、「相談者ファースト」ではなく「カウンセラーファースト」になってしまうのです。ですので、カウンセラーは原則としてアドバイスすることはありません。

もちろんもう何10セッション、何100セッションとしている場合であれば時にアドバイスすることもありますが、それはカウンセラーと相談者との強固な信頼関係があることと、カウンセラーが相談者の見立てを時間をかけてしっかりしているからです。

原則としては、アドバイスはしません。「受容」と「共感的理解」の姿勢は、一言でいえば、「傾聴」という姿勢で示すわけです。つまり、相談者の話をしっかり聞かせて頂くということですね。

傾聴しないカウンセラーはいません。もし、傾聴せず、アドバイスばかりに終始するカウンセラーは正直に申し上げると良いカウンセラーではありません。

良いカウンセラーというのは、むしろしっかり傾聴をし、必要な時に質問をする、共感的理解を示す、相談者とカウンセラーの話す割合として7対3や8対2程度が理想だったりするわけなんですね。

カウンセリングが意味がないと感じる理由

カウンセリングをしばらく受けていても意味がないと感じるのはなぜでしょうか。

様々要因や理由がありますが、大きく2つのパターンが考えられるでしょう。

カウンセラーからアドバイスを貰えるものだと思っている

先程もお伝えしたようにカウンセラーの姿勢は「傾聴」です。

ですので、基本的にはアドバイスをするわけではありません。しかしながら相談者がカウンセラーからアドバイスを貰えるものだと考えてカウンセリングを受けるのであれば、いつまでたってもカウンセラーからアドバイスを貰えることはなく、カウンセリングを受けていても意味がないと感じる可能性があります。

そのため、カウンセリングというものを今一度しっかり理解する必要があるでしょう。

ちなみに初めてカウンセリングを受ける方に最初にカウンセリングという性質についてオリエンテーションするのとしないのでは明らかに後者の方は「カウンセリングを受けても意味がない」と感じやすい傾向があるかなと思います。

逆に前者の方ですと相談者なりにカウンセリングを受ける意味を見出せる方が多かったりすると思います。

カウンセラーに言いたいことが言えないという自分自身の問題がある

これはどういうことかと言いますと、「カウンセリングが意味がない」と感じたならば、カウンセラーに直接疑問を投げかけてもいいんですね。

だけれど、おそらくこちらの記事をお読みの方は、今現在カウンセリングを受けていて意味を感じなくて、それでもカウンセラーに伝えられない方なのではないでしょうか。

実は「カウンセリングを受けていても意味がない」と感じるのは、カウンセリングが進んでいる場合もあったりします。

カウンセリングを受けていても意味がないと感じていて、それでもカウンセラーにそれを伝えられないということは、他の人間関係でも「言いたいことが言えない」そんな傾向があると思われます。

そして、それが対人関係をはじめ自分自身の悩みを大きくしている原因だったりするのです。

それに気づけるかどうかが重要になっていきます。つまり、「カウンセリングを受けていても意味がないのではないか」と感じているということは、既にカウンセリングを受けている意味が少しずつ出てき始めているということですね。

しかし、このまま「カウンセリングは意味がない、止めよう」としてカウンセラーに何も伝えずに中断してしまうのであれば意味がありません。しっかりとカウンセラーに疑問を伝えて、その問題と向き合うこと、それができればカウンセリングの意味が深まりますし、自分自身の問題にも向き合えるわけなのです。

カウンセリングを受けても意味がない…と感じたら?

カウンセリングを受けても意味がないと感じたら、まずはカウンセラーにカウンセリングの中で相談をしましょう。これが非常に重要です。

相談者によっては、違うカウンセラーに変えようとする方もいるかもしれません。

もちろん、カウンセリングは相性がありますから、何度か受けてみて「違うな」と感じたらカウンセラーを変えるというのもひとつの方法かもしれません。

しかしながら、何度か受けている途中で「カウンセリングを受けても意味がない」と感じて、他のカウンセラーにしたところで他のカウンセラーも今のカウンセラーと関わり方はさほど変わりません。

なので、他のカウンセラーに変える前に一度、今のカウンセラーに話すことが重要です。

「いや、そんなこと言いにくい」と思われるかもしれません。相談者によっては、カウンセリングの中ではなくて、メールや電話で伝えてしまう方もいらっしゃいます。それではあまり意味がないんですね。

これはある意味で自分の問題と正面から向き合うことでもあるわけであり、カウンセリングの場で話さないということは、自分自身の問題と回避することにもつながるわけです。

カウンセラーは先程もお伝えしたようにどんな話でも「傾聴」します。あなたを否定することはありません。

なぜ「カウンセリングを受けて意味がないと感じるのか?」を一緒になって真剣に考えてくれるでしょう。

これはまさに自分の問題と向き合う上で非常に重要なのです。言いにくいことを伝えること、それだけで様々な気づきが得られると思います。

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