なぜ長時間労働はうつ病に直結するのか?詳しく解説

今回はなぜ長時間労働がうつ病に直結するのか?について詳しく解説したいと思います。

 

長時間労働はうつ病に直結する

当たり前の話ですが、長時間労働はうつ病に直結します。うつ病や心の病気について詳しく知らない人でも理解できることだとは思います。

でも当たり前だけど重要なことであるので今日は当たり前のことを詳しくお話していきます。

特に日本は先進国の中で長時間労働が突出して多いと言われています。

1日の平均労働時間は長い割には先進国の中で1人当たりのGDPが最低ランクだと言われます。

これはどういうことかというと労働効率が悪いということですね。

一般的に1日8時間労働がフツーだと言われます。

それが1日10時間とか12時間になれば、1日24時間は変わりませんから余暇が減るか、もしくは睡眠時間が減る訳ですね。そうすると仕事の効率も更に落ち込みます。

そのような悪循環を引き起こし、うつ病を発症する可能性も高まるわけですね。

個人的には1日8時間働くのも長いと感じたりします。人それぞれ働く適性時間って違う気がします。

人によっては8時間が適性の人もいれば5時間程度が適性の人もいるし、10時間以上働ける人もいるしそれぞれだと思うんですね。

カウンセリングに訪れる人も1日5時間なら働けるけれど6時間に増やしたら途端に仕事に支障をきたしたりとか、バイトから正社員になって途端にメンタルが悪化したりとかそのようなこともありますし、人それぞれ働き方ってあると思います。

もっと言えば、そもそも狩猟採集民族だった我々祖先ですけれど、1日3時間程度しか働いてなかったそうです。

その時間で1日分の食料を手に入れてそれ以外の時間は仕事なんてしていないんです。

長時間労働でうつ病を発症するパターン

うつ病になりやすい人は真面目で頑張り屋さんな傾向があります。

なので無理な仕事を頼まれたとしても残業したりとか仕事を持ちかえったりとかして乗り切ろうと考える傾向にあります。

うまく乗り切れればいいんですけれど、そうじゃないことが続くとうつ病になりやすい人は自分を責める傾向にあります。

「自分ができないのは自分の努力が足りないからだ」とか。「能力が足りない」とか。そんな風に自分責めが始まるんです。

そもそも1日8時間で収まりきらない仕事というのは、もちろん自分のスキル不足というのもあるとは思うんだけれど、業務量が多すぎるという可能性もある訳ですよね。

8時間で終わらない仕事で残業が当たり前のようにあるという状態というのはかなり業務量が多いと考えた方が良いと思います。

昇進がきっかけでうつ病になることもある

うつ病やこころの病気にきっかけになりやすいことのひとつは職場の異動や昇進があります。

新しい部署に移って仕事の内容が自分に合ってない場合、強いストレスを受けることになります。

職場の人間関係も変化するので上司や同僚のサポートが得られないならなおさら強いストレスになりますよね。

それがきっかけでうつ病や適応障害を発症する人もいたりします。昇進も発症の要因になることが多いです。

昇進って一般的に言えば嬉しい事なんですけれど嬉しい事は一時的なのであって責任が重くのしかかります。

心理学の研究でも人生の中で一番ストレスを感じる出来事は何か調査した研究があるんですけれど、昇進や結婚のような一般的に見て「良い」と言われるような出来事も上位にランクインしているのです。

例えば、これまで現場の仕事から管理職的仕事に仕事の内容が変わったりプレッシャーが強くなったりすると強いストレスを感じやすく注意が必要な訳です。

誰しも向き不向きってのはあるわけですからね。できるだけ自分に向いた仕事をしたほうがいいとは思いますが、組織で働いていれば難しい面もあるかもしれません。

でもできる限り、自分に合う環境を作っていくことも重要かなと思います。

長時間労働で辛いと感じるのであれば

もし今、長時間労働でしんどいなぁと感じているのであればまずは上司に相談することが重要でしょう。

でも上司が理解がない人で相談するのもできないのであればもしくは上司の上司に相談することもいいでしょう。

ただいきなり上の人に相談するのはちょっと…と思われるようであれば最初は同僚に相談してもいいかもしれません。

大事なことはその組織の中で相談するということ。長時間労働は肉体的にも疲弊しますし精神的にもすり減ってしまいます。

いくらその仕事が好きだとしても、趣味のように仕事をしているとしても1日24時間働けますか?ってことなんですよね。

昔、流行語か何かで流行っていたようですけれど、無理ですよね。ここからは僕の持論になってしまうんですけれど、もっと余暇を楽しむことが大事だと思うんですね。

仕事は仕事としてちゃんとして、プライベートも充実させることもまた精神衛生上、とても良いと思います。

プライベートも充実せずして、良い仕事は出来ないと思っています。

意外とプライベートの中で遊んでいる中で、良い仕事のアイディアが浮かんでくることもあったりしますからね。

うつ病になりやすい人は、とてもまじめなので仕事に一生懸命になりがちなんですよね。

切り替えが苦手な人が多いと思います。まずは自分の好きなこと、趣味ですね。

その趣味などプライベートの時間を充実させることから始めるのもうつ病の発症を予防するには良い方法かもしれません。

今回はなぜ長時間労働でうつ病になるのか?について解説しました。

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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