うつ病の再発の原因と再発のサインについて詳しく解説

うつ病が「完治した」と思ってもうつ病は再発率が非常に高いこころの病気と言われて有名です。

そこで今回はうつ病の再発の原因についてと再発のサインについて詳しく解説していきます。

うつ病の再発率

一般的にうつ病の再発率は60%と言われています。

ただし、一度再発すると次に再発する確率、つまり再々発率ですね、それは70%と再発を繰り返せば繰り返すほど再発率が高くなると言われています。

再発と言うのは、うつ病が完治した、と思っていたのに、再度うつ病になることを指しますが、再発するタイミングは治療後、数か月後に再発する場合もありますが、人によっては数年後、10年経ってから再発する人もいます。

なので、「調子が良くなった」と思っても実は安心できないのです。

うつ病と診断された人は、自分がどうしてうつ病になったのか、しっかりと整理して理解する必要があります。つまり自己理解が大事なんですね。

うつ病の治療法は、服薬、カウンセリング、休養の3本柱ですが、人によっては服薬と休養のみで治療をされる方がいますが、できるだけカウンセリングも受けて頂いた方が良いのです。

カウンセリングでは自己理解を深めるために取り組むものですから、必要不可欠なんですね。

再発の原因

ではうつ病の再発の原因とはなんでしょうか。ちなみに再発と再燃と言う言葉がありますが、「再発」とは、うつ病の治療が終わって完治した後に再びうつ病の症状が現れることで一方「再燃」とはうつ病の治療中に症状がぶり返すことを指します。

うつ病の治療中に調子が良くなってうつ病の治療が中断してしまい、その後再び調子を崩される場合には「再燃」したと言ったりします。

再発の原因は、①焦りや不安がある②他の精神疾患の可能性③環境の問題の3つがあると言われます。

①焦りや不安がある

うつ病と診断されて少し治療に取り組むことで調子が良くなることがあります。

そうするとどうなるかと言いますと、うつ病になりやすい人の特徴としては、「早く復帰しなくてはいけない」とか「皆に迷惑をかけている」とかそのような罪悪感が生まれる傾向にあるんですね。

うつ病になりやすい人は、休むことに非常に抵抗がある人が多くて「休職が必要」とお伝えしたとしても「皆に迷惑がかかる」とか「自分の評価が下がってしまう」ことを気にしすぎてしまい、なかなか休めないんですね。

心療内科を受診して主治医に休職を打診されて休めればいいのですが、休めないと症状が悪化する可能性があるわけですね。

所感ですが、うつ病と診断されて休職を提案されて当初は休職せずにいた方が状態が悪化して休職される方はけっこういます。

その時には、ひどい方は起き上がれないほどの状態になる人もいたりします。

休職が必要なのは、それだけうつ病が重いからですが、本人は残念ながら自覚できていないことが殆どなんですね。

そして、休職したはいいものの、少し調子が良くなれば「復帰しなきゃ」と焦りの気持ちが生まれることもあります。

この焦りが生じるというのは、実はうつ病が治っていないサインでもあります。なぜかと言いますと、うつ病になりやすい人は、環境の問題もありますが、自分自身の性格や考え方の問題が非常に影響しているのですね。

だから、自分の考え方や捉え方、性格についてしっかりと自己理解を深めていく必要があり、そのうえで自分の取扱説明書をしっかり自分の頭の中に入れておくことが大事なんです。

それができれば、自分の取り扱いの仕方がわかるので、焦ったらどうすればいい、とか不安になったどうすればいいとかわかっているはずなんですね。

でも焦りや不安があり、それを自分でコントロールできていないということは、自分の取扱説明書を理解できてない、つまり自己理解できていないということなのです。

うつ病の治療には自己理解は必須なのです、理由は先程もお伝えしたようにうつ病になった理由は自分にあるからですね。

不安になることは焦ることは何も悪いことではありません。

うつ病の治療は、個人差が非常に大きいものなので「あなたのうつ病は2か月後に必ず治ります」なんて断言できないのでいつになるかわからないからですね。

そうなると「いつまでこんな感じが続くのか」と不安になることがあるのも当然なのです。しかしながら、うつ病は焦らず時間をかけて治療を行えば回復するものです。

うつ病は進行性の病気ではないんですね。認知症などは時間が進むにつれて症状が進行しますが、うつ病の場合は時間が経てば症状が進行するわけではありません。

人によっては時間が経ってうつ病が悪化したと思われる方もいると思いますがそれは、しっかりと治療をしていない、つまりうつ病を放置してしまったがために生じているだけなので、進行というよりも、適切に対処していないから悪化したということです。

わかりやすい例でいえば、事故などで大きなケガをしてしまって治療が必要な状態になっていたとしてそのまま放置してしまったらどうなるかと言ったら悪化しますよね。

でもしっかりと治療を受ければ回復も早いわけです。

②他の精神疾患の可能性

うつ病が再発してしまったり、うつ病の治療をしてもなかなか治らない場合は他の精神疾患が隠れている場合があります。

うつ病と併発しやすい精神疾患があります。

例えば、自閉症スペクトラム症などの発達障害があると社会に適応しにくく、うつ病に陥りやすい場合があります。

またアルコール依存症などの依存症があると治りにくく、一旦治ったとしてもすぐに再燃、再発を繰り返しがちと言われます。

③環境の問題

うつ病の発症には大きく本人の性格的要因と環境の要因の相互作用と言われたりします。

もし発症の理由のひとつは、環境にあったならば、その環境もある程度調整していく必要があるわけですね。

わかりやすい例で、Aさん32歳男性独身という架空ケースを事例に出してお話します。

Aさんは元々、神経質で完璧主義なところがありました。これはうつ病になりやすい病前性格と言ったりします。

そして仕事が激務で朝から終電まで働くのが当たり前の環境に身を置き、体調を崩してうつ病と診断されました。

この場合は、もちろん本人の性格の問題もありますが、環境も影響しているだろうと考えられるわけですね。このような環境に再度身を置くことになれば、再発するリスクも高まりやすいわけです。

このようにうつ病になる前の同じ環境に身をおくことによって再発する可能性もあります。

再発のサイン

うつ病の再発のサインについてですが、どのような状態になれば危険なのでしょうか。大きく「抑うつ症状」「睡眠の問題」「仕事や勉強など情報が頭に入ってこない」「食欲不振・体重減少」の5つの指標で見ていきます。

抑うつ病状

やる気が出なかったり、好きなことができなかったり、1日中、身体が重いとか起き上がれないとか心身のだるさなどが1週間以上続いているのであれば迷わずに再受診を検討してください。放置しておくとどんどん悪化する可能性があります。

睡眠の問題

ストレスの影響をもっとも受けやすいのは睡眠と言われます。

緊張が続いて脳に疲労がたまると寝つきが悪くなったり、夜に何度も目が醒めたりします。このような状態が1~2週間続くようであれば再受診をしましょう。

仕事や勉強など情報が頭に入ってこない

物忘れやケアレスミスが増えていたり、本を読んでも頭に入ってこないなどこのような状態になると注意が必要です。

放置しておくと大きなトラブルになる可能性もあるため、1~2週間以上続くようであれば「ただの疲れかな」と思わず再受診をしましょう。

食欲不振・体重減少

食欲不振がみられるようになったら、これは再発がかなり進んでいると考えた方が良いでしょう。

再発した患者さんの声では「食事がおいしいと感じなくなる」「何を食べても砂をかむような味しかしない」などそのようなことばも聞かれたりします。

次第に体重も減少するようであればかなり危険です。

睡眠の問題によって生活が乱れてくると胃腸トラブルも生じやすくなると言われますので胃もたれや腹痛、便秘、下痢など調の不調にも注意が必要になります。

今回はうつ病の再発の原因と再発のサインについて詳しく解説いたしました。

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