このコラムではなんとなく最近「うつっぽい」と感じている時にした方が良いこと、まずは「これをやったほうがいい」ということをまとめてみました。
うつっぽいときの「うつっぽい」とは?
カウンセリングで相談者から「なんかうつっぽくて・・・」とか「うつ病かもしれない・・・」とご相談される方はけっこう多いんです。
このように来室される方は、非常に良いです。何が良いかというと、このような症状を感じるということは、うつ病かうつ病の一歩手前くらいの状態の人が多いからなんですよね。
重度のうつ病の方は、カウンセリングとか心療内科とか来ることが難しかったりするのです。完全に家から出れない感じになってしまうんですね。
そのような状態になってからうつ病の治療をするのはかなり治療期間を必要としますから、だからこそ「うつっぽいな」と感じて自ら受診される方は早期発見、早期治療の観点からすればとても良いわけです。
うつっぽいとはどういう状態か?
では、そもそもうつっぽいという状態とはどういう状態なのでしょうか。それを解説するその前にうつ病の症状について解説しないといけません。うつ病の症状とは、
・気持ちの落ち込み
・やる気の低下
・食欲や睡眠欲などの低下
が三大症状ですね。
なので「うつっぽい」というのは、
なんとなく気持ちが落ち込んだりやる気が出ない感じだけど、生活にはまだ支障が出ていない状態と定義することとします。
うつ病の初期症状については、詳しく解説してわかりやすい心理オフィスK様のコラムがありますのでご興味のある方は是非こちらをご覧ください。
うつっぽいときの対処法
ではうつっぽいときの対処法についてはどうすればいいのか?
結論から言うと
- まず休む
- セーブする
- 人に相談する
- 規則正しい生活をする
この4つが重要と思います。
まず休む
うつっぽいときに、無理してはいけません。休んでください。これに尽きますね。
うつっぽくなってしまった理由は共通しているのは心身ともに疲れているからなんですよね。
疲れているのに活動したとしたならば、どうなるか?壊れます。機械でもそうですよね。機械の調子が悪いのに使い続ければ壊れます。人間ももれなく当てはまります。だから休まないといけません。
休みとなると「休職しないといけないのか?」と思うかもしれませんが会社員であれば、例えば有給がとれたりするものですから
有給をとって休みをとる、とか仕事以外の時間は横になるようにするとか、まずはそのような形でもいいと思います。
とにかく疲れをとることをしましょう。
自分なりのリラクゼーションをみつけてやってみることもいいと思います。サウナとかアロマとか人によっては癒しになると思うのでそういうものを利用してもいいと思います。
しかしながら、休むということは、とても勇気が要る事かもしれません。
うつ病になりやすい人やうつ病の人は、とても真面目な傾向があり休むことによって周りからどう見られるかとか罪悪感とかを感じてしまいがちです。
うつ病になりやすい人じゃなくても、休むってなんとなく罪悪感を感じる面もありますからね。
特にうつ病の場合は、目に見えないものですから周りの人に理解してもらえるかどうか?不安になることもあるでしょうしある意味、休みにくいというのは当然の感覚なのかもしれません。
セーブする
とはいえ、「休むなんてできない!」と思う人も多いでしょう。
それもそのはずで、うつ病になりやすい人やうつ病の人は非常にまじめな人が多いんですよね。
だから「休むなんてもってのほか!」と思っている人が多いんです。休めば、罪悪感も感じやすいんですよね。
一般的に「休んでばかり」いたら、「だらしない」とか「ダメな人」とかそういうレッテルを張ってみる人が多いですから仕方がない面でもあるとは思うんですけれど、働き続けることが、「正義」で休むことが「悪」なのでしょうか。そんなことないと思います。
そもそも論ですけれど、「働きたい」と思って働いている人ってどれくらいいるのでしょうか。そもそもほとんどの人は働きたくないんですよ。働かなくても生活できるならそっちの方がいいですよね。
もちろん、人によっては「仕事が生きがい」とか「仕事に生きる意味」を見つけている人もいます。でもそういう人は珍しい人で、たいがいが「仕事したくないなぁ」と思いながら生きているんですよね。もちろん、人によっては「仕事が生きがい」とか「仕事に生きる意味」を見つけている人もいます。でもそういう人は珍しい人で、たいがいが「仕事したくないなぁ」と思いながら生きているんですよね。
加えてうつ病になりやすい人やうつ病の人って休むと迷惑をかけると思いがちなんですよね。でも、具合が悪いのに働き続けるとどうなるか?想像してみてください。具合がさらに悪くなる可能性もあるわけです。
そうすると本当に仕事ができなくなる可能性もあるわけです。そっちの方が迷惑をかけるわけですよね。そう考えれば、自分を大切にした方が結果的にも人に迷惑をかけないんですよ。
でもうつ病になりやすい人やうつ病の人はそう考えないのです。
休むことは人から「だらしない」みたいな目で見られるから罪悪感を感じるし、休むと人に迷惑をかけるから自分が無理してでもやればいい、と考えてしまいがちなんですね。
なので、どうしても休めない、休みたくないのであれば仕事やプライベートをセーブしましょう。
仕事もできるだけ減らす、プライベートも休みの日はゆっくり過ごすとかですね。大事なことは「何もしない時間を増やす」、これがキーワードです。
人に相談する
自分の状態を人に相談しましょう。特に会社員であれば、上司に相談することが大事です。なぜかというと、周りの人はあなたのその状態を知らないからです。だから問題なく仕事ができる、と思ってたくさん仕事をふってきます。でもあなたはうつっぽいわけです。仕事を休むかセーブしないといけないです。でも上司はそれを知りません。このままでは悪いループに入りますね。なので、できる限り職場の上司には相談しないといけません。会社やその会社の風土にもよりますが伝えることで配慮してもらえることも多いと思います。
会社員であれば、相談すればある程度業務量調整などできますが、個人事業主だといきなり責任が重かったりしていきなり切れないこともあるし仕事を切ることによって、自分の収入に直結するのでなかなか案件を断れなかったりする。だから頑張り過ぎてしまって結果的にうつっぽくなることはよくあることだと思います。
実際、カウンセリングに来室された方でも個人事業主になって、うつっぽくなり、来室された方もいらっしゃいます。でもそういうときでも、というよりもそういうときだからこそ、仕事を減らすことが大事。考え方を少し切り替えれば、個人事業主であれば自分の裁量に任せられているので仕事を断ることだってできるわけですよね。
正直な話、自分がしたいかどうかでも決めることだってできるわけですよね。むしろ個人事業主の方は仕事のセーブはしやすいかなと個人的には思います。
あとは、家族や友人にも相談してもいいと思います。「心配かけたくないから言いたくない」と思う方も多いかもしれませんが、伝えることである程度配慮してもらえることもあったりするでしょう。うつ状態の場合は、無理はできませんから配慮してもらうことが大事だったりします。どうしても家族や周りの人に言えないのであれば、心療内科やカウンセリングで相談することもいいでしょう。自分の状態を把握して今後どう過ごせばいいか相談することが大事です。
規則正しい生活をする
規則正しい生活も非常に重要です。これを聞くと「当たり前のことでしょ?」と思うかもしれません。でも当たり前のことをちゃんとできている人って案外少ないんですよね。うつっぽい状態の方も多くの場合、不規則な生活を送っている人が多かったりします。100%と言ってもいいくらい、うつ病と診断されている人やうつっぽい人は不規則な生活になりがちです。もちろん、夜眠れないとかうつ病の症状がそうさせている面もあるんですけれど症状がなくてももともと不規則な生活をしがちだったりする傾向にもあります。でも規則正しい生活は大事です。
朝何時におきて、昼は何時に食べて、夜は何時に寝る、という一定のリズムを作ることが大事。
特に夜型になると精神的にもよくないと思います。
以前、夜勤のある仕事をしていたことがあったんですけれど僕は週1回しかその当時はやってなかったんですけれど中には夜勤週5日勤務している人がいましたが精神状態が荒れていました。荒れすぎて退職した人もいます。
そのバイトは昼の時間のバイトできるんですけれど元々昼の時間帯にバイトにきていて、理由があって夜勤やりはじめて精神がすさんでいった方もいました。当たり前ですが、人間は朝起きて、日中活動して夜は寝る、これは古来の人類がずっと守ってきたスタイルなんですね。
これを崩そうとすれば、バランスが崩れて具合が悪くなるのはある意味当然なのかなと個人的には思います。うつっぽいなと思って心療内科を受診して医師が「規則正しい生活をしましょう」と言われることってあるあるなんですけれどこれ実は的を射てるんですよね。
「規則正しい生活」以外だと「運動をしましょう」とか「バランスの良い食生活をしましょう」とか当たり前のことと思うじゃないですか。だから「バカにすんなよ」と思う人もいるでしょう。でも本当に大事なことなんですよ。運動をすることによって、うつ病が改善していくという話もありますしバランスの良い食生活をすることによって、うつ病の症状が改善するという説もあります。
なぜ運動するとうつが改善するかというとざっくり言いますと運動することによってドーパミンがでやすくなるんですよね。ドーパミンってのは、元気になる物質ですがうつっぽい状態ってドーパミンは間違いなく減っているわけです。運動することによって改善していくというわけですね。
食生活については、たんぱく質などバランスよく摂取することがよいとされます。特にたんぱく質。糖質ばかりとか脂質ばかりとか偏ると良くありません。
たんぱく質をしっかりとることで精神状態が改善しやすいという説もあります。特にジムに行って身体を鍛えている人ならわかると思うんですけれど鍛えている人ってプロテイン、つまりたんぱく質を多くとりますよね。糖質控えめで、とかいろいろと制限もあったりしますが、このような人が食べている食事って結構バランスが良い食生活なんですよ。つまり、鍛えている人の食生活がうつ病とかこころの病気の改善にはとても良かったりするんですよ。嘘のように思うかもしれませんが、このようにしっかりと取り組める人の方がうつから回復していく人が多い傾向もあります。
相談することが一番
以上、うつっぽいときにしたほうがいいことについてお話させて頂きました。自分で一度やってみてください。
それで回復していければよいですが、場合によっては改善しないこともあります。
そういうときは、一人で抱え込まずに相談することが一番です。まず身近な人に相談しましょう。家族や友人、職場の同僚や上司誰でもいいです。話しやすいと感じる人がいいでしょう。それでも話せない、と思うのであればカウンセリングや心療内科を受診して相談してみてください。心療内科に行くのは敷居が高い、と感じるならまずカウンセリングでもOK。うつっぽいからカウンセリングで相談してみよう、として来室される方はたくさんいらっしゃいます。是非、相談してみてくださいね。
うつっぽい状態というのは、うつ病の初期症状だったり、場合によってはうつ病を発症していることもありえますのでくれぐれも、放置せず、早めに対処することが良いでしょう。
早期発見、早期治療が大事です。
すぐに治療すれば半年とか1年以内に改善するけれど、
うつっぽくなって1年~2年放置して治療すれば数年単位で治療に時間がかかるでしょうし、
もっと放置すれば、更に時間がかかります。
身体の病気と同じでこころの病気も早期発見し、早めに治療して対処することが
とても重要なんです。
東京(渋谷・新宿)のカウンセリングならHeart Life こころの悩み相談所へ
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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