うつ病と適応障害の違いとは?

早いもので9月ももうすぐ終わり。

最近は朝晩涼しくなってきていよいよ秋の予感。

今年の夏は長かったですね。これから秋~冬にかけて季節が深まっていくのかなと思う今日この頃ですが

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  

さて本日は

うつ病と適応障害の違いとは何か?について

お話して行こうと思います。

   

【うつ病と適応障害は似ている】

うつ病も適応障害というワードも

最近、心理学など勉強されてない一般の方でも

知っている人が増えてきています。

メディアや著名人の影響が大きいかなと思いますが

少しずつ心について浸透してきているのは嬉しい限りです。

しかしながら、

皆さんは

うつ病と適応障害の違いについて

ご存じでしょうか。

改めてそう言われるとことばに詰まることも多いでしょう。

うつ病と適応障害は似ています。

何が似ているかということ、

症状がかなり似ています。

それぞれ症状について詳しくみていきましょう。

   

うつ病は

気持ちの落ち込み

やる気の低下

不眠や食欲不振、性欲の減退など欲求の低下

場合によっては眩暈や頭痛など身体症状など

が起きるこころの病気です。

対して

適応障害も

気分の落ち込みややる気の低下、三大欲求の低下や

眩暈など身体症状が症状としてあらわれます。

だから症状だけフォーカスするとうつ病なのか、適応障害なのかわからないです。

ただですね、うつ病と適応障害というのはある決定的な違いがあります。

  

【うつ病と適応障害の違いとは】

ではその決定的な違いとは何か。

ざっくり言えば、

  • 明確なストレスがあるかないか、

そして

  • そのストレスがある環境の中で生じているか

このふたつが大きな違いです。

適応障害は、明確なストレスがあるのです。

そしてそのストレスがある中で症状があらわれてしまいがちなのですね。

わかりやすい例を挙げて説明しましょう。

   

Aさん男性25歳の事例です。

入社3年目。

職場の上司が体育会系でけっこうパワハラ気質で少しでもミスをすると

怒鳴る、罵倒するなど毎日のようにあったとします。

次第にAさんは仕事に行くのが億劫になってきてしまいました。

気分の落ち込みの続き、

仕事に対してやる気が出ない状況が1ヶ月以上続いていました。

でも会社以外のこと、

例えば趣味のアニメや読書は苦がなくできる。また、上司がたまに休みだと調子よく仕事ができたりしました。

でもどうしても仕事になるとなぜかやる気が出ず、

次第に支障が出始め

「これではまずい」と思い心療内科を受診したら、主治医から適応障害と診断される。

こういうケースはあるあるですね。

   

ここで言うAさんのストレスというのは職場の上司なのです。

これは明確なストレスの源ですよね。

このように適応障害は明確なストレスがあるのです。

更に

これは人によりけりですが、

しばしばそのストレスがない環境だと症状が出ないこともあったりします。

先程のAさんの例で言えば

休みの日や仕事で上司が休みの日気持ちが落ちこまないとか、状態が良かったりする。

つまりストレスから離れれば症状が出ないということですね。

   

それに対して

うつ病の発症のきっかけはストレスがきっかけになることがたくさんあるのですが

明確なストレスがはっきりしないことも多く、あったとしても

そのストレスがなくなったとしてもうつの症状が続くのです。

   

【うつ病と適応障害の治療】

それではうつ病と適応障害の治療はどのようなものがあるのでしょうか。

まず

適応障害については、

先程もお伝えしたように

明確なストレスが原因なので、そのストレスから一回離れてみることです。

適応障害の治療では、

しばしば「休暇」をとることをおすすめされることが多いです。

ストレスから離れることで回復する方が多いので

とくに服薬などはしない人も多いです。

心療内科医からは、

休むこととカウンセリングを勧められることが多いでしょう。

カウンセリングを勧められる理由は

現状、心に余裕がない状況のため、

話をして一回、思考を整理するためであることと

適応障害の場合はうつ病ほどではないですが

発症の原因に少なからず

自分自身の性格特性の影響していると考えられるため

今一度カウンセリングの中で自分自身を見つめなおす必要があったりするからです。

ただ、症状が重くなり、

うつ病も併発してしまう場合には服薬も必要となります。

   

対してうつ病の場合は

抗うつ薬など薬物療法が必要になります。

服薬に抵抗がある方は多いと思いますが、

うつになった場合は、黙ってしばらくは服薬をし続けることを覚悟しなければなりません。

また適応障害の場合より、うつ病の方が

発症には性格要因が影響していると言われます。

そのため、薬物療法と併用で心理療法にも取り組んでいくと良いので

主治医からもうつ病の方にはカウンセリングをおすすめされることが多いです。

   

いかがでしたか。

今日はうつ病と適応障害の違いについて

お話していきました。

   

それでは

また来週。

ごきげんよう。

   

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この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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