気分が落ち込んだ時の対処法について詳しく解説

誰しも気分が落ち込んでしまうことがあると思います。

一般に「気分の落ち込み」数日続く状態のことを「抑うつ」と言い、それが2週間以上毎日続くようであればそれはうつ病の可能性があると言われます。

今回は気分が落ち込んだ時の対処法について具体的に解説していきます。

気分が落ち込むことが辛い…

カウンセリングのお仕事をさせていただいておりますと、よくある相談内容のひとつに

「気持ちが落ち込んでしまうから落ち込まないようにしたい」や「日によって気分の浮き沈みがあって落ち込む時がしんどいからなんとかしたい」などそのような相談はけっこうある相談です。

確かに気持ちが落ち込むよりは気分が良い方がいいですからね。

ちなみにうつ病と診断されてなくて気持ちが落ち込んでしまうのはうつ状態とか抑うつと言われる状態のことです。

うつ状態と抑うつはほぼ同じものと考えて頂いて良いです。

うつ病というのはうつ病の症状ですね、気分の落ち込み、やる気がないとかそのような状態が2週間以上続いていて、心療内科に行って診断される診断名のことで抑うつについては気持ちの落ち込みが数日続いている状態のことです。

このようにカウンセリングに来室される相談内容のトップ3に入る「気分の落ち込み」についてですが今日は気分が落ち込んだ時にどうすればいいか?詳しく解説していきます。

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気分が落ち込んだ時にどうすればいいか?

まず気分が落ち込んだ時にどうすればいいかと言いますと結論から言うと、そのまま落ち込んでください。

気持ちが落ち込むことは確かにしんどいとは思うんですけれど、気分が落ち込むことが必ずしも悪い事ではないんですね。

特にうつ病になりやすい人とかうつ病と診断されている人に多いんですけれど「気分の落ち込みを0にしたい」と仰る人もいます。けれどそれは無理なわけです。人間が生きている限りは気分が落ち込んだり、逆に気分が高まったりすることはフツーのことなんですね。

だからまず前提として、気持ちが落ち込むことは悪い事ではないよ、という認識をまず持つことが大事かなと思います。

誰もが毎日毎日明るく元気いっぱいで過ごしている訳ではないのです。

そのようにみえることもあるとは思うんだけれど、ひょっとしたら元気いっぱいに見せかけているだけかもしれません。

生きていればストレスからは逃れられないので極端な話、皆落ち込んでるんですよね。だ

からまず気持ちが落ち込んだ時は「落ち込んでもいい」とまず自分に言い聞かせてあげてください。

「落ち込んじゃった、早く気持ちを回復させなきゃ」なんて思わないでください。

そもそもなぜ落ち込んでいるのか、気持ちの落ち込みには必ず理由があります。

極端な話、すごく信頼していた友達に例えばお金を貸していてお金を返してくれなかった、絶縁した、なんてことがあれば落ち込みますからね。

落ち込んだ原因を冷静に分析

とはいえ、落ち込みが強過ぎるのはしんどいと思います。

落ち込むことを失くすことはできないけれど、落ち込みの度合いを小さくすることはできるわけですね。

そのためにはどうすればいいのか。結論から言えば、落ち込んだ原因を分析することなんですね。

先程もお話したように落ち込んだ理由って必ずあるわけですね。それを振り返ってみましょう。

理想は、落ち込んでいるときに自己分析できればいいんですけれど落ち込みが強ければそんな余裕もなくなりますから気持ちが回復してから振り返って分析しましょう。

振り返ってみると案外理由がたくさんでてくるものです。

例えば、彼氏、彼女とケンカしちゃったとか妻・夫と喧嘩して口きいてもらえなくなったとか仕事で自分がやりたくない仕事を振られたとか色々とあるものです。振り返ってみましょう。

紙に書ぎだしてアウトプットすると良いと思います。

アウトプットすることで自分の気持ちを客観的に見れるようになるので非常に効果的です。

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自分の思考を疑ってみる

落ち込みを減らす方法としてもう一つ有効なのは、一度自分の思考を疑ってみるということです。

これはどういうことかと言いますと、気持ちが落ち込んでる時って自分の考えに固執していることが多いんですよ。

例えば、会社で同僚に挨拶したけど無視されたことがあったとしてその時に気分が落ち込んだときにどういう気持ちの動きがあるか見てみましょう。

ここで落ち込んだのは何故だろうかと考えてみた時に「挨拶されて無視されたから自分は同僚から嫌われている」という考えになったのかもしれません。

もしそうなら確かに気持ちが落ち込んでしまうのは無理もないでしょう。

嫌われることが好きな人はいないでしょうからね。

しかし、ここで自分のこの思考を一度疑ってみることが大事です。

例えば、「あいさつされて無視されたから同僚から嫌われた」と思ったとして「いや、まてよ」と言って下さい。

そして別の仮説を立ててみてください。

例えば、「いや、待てよ、自分の声がいつも小さいから声が聞こえなかっただけかもしれない」とか

「いや、待てよ、同僚は機嫌が悪かったのかもしれない」とか。

このように「自分が嫌われている」以外の仮説を作ってみることが重要です。

うつ病になりやすい人って極端な思考が強い傾向にあります。

だから一度「こう」と思ってしまったらその考えから抜け出せない。抜け出せずどんどんとネガティヴな思考になってしまうのです。

だからネガティヴ思考になったら、一度深呼吸して立ち止まって「いや、待てよ」と言ってみてください。

だいたい自分が考えている8割くらいは「思い込み」です。

思い込みで自分を苦しめているのであればこんなにバカバカしいことはありませんね。

もちろんその考えが正しい時もありますが、ネガティヴな思考の時のネガティヴの思考はたいがいが的外れなことがほとんどです。このように自分の思考を一度疑ってみてください。

「いや、自分の考えは間違っていない!だから絶対別の考えなんてない!」と感じている方はなぜそこまで自分の考えに自信が持てるのでしょうか、って話です。

落ち込むことを忘れる行動をしよう

嫌な事やネガティヴなことは生きていれば避けては通れません。

気持ちが落ち込んだ時には落ち込むことを忘れるような行動をとることも大事です。つまりストレス解消ってことですね。

ネガティヴなことばかり考えていればストレスがたまる一方です。

だからお酒が好きであればお酒を飲んで気を紛らわしたりカラオケで大声を出して気を紛らわしたりとにかく他のことで気を紛らわすことも大事です。

何もしていない、暇な時間があると人間は考える動物ですからあれこれと考えてしまいがちなんですよね。

逆に何かに没頭していれば意外と忘れられたりすることもあります。

うつ病になりやすい人はストレス解消を上手にできてない人が多いです。

特にコロナ禍もあって外出とか控えたりすることもあったので余計にできなくなったかなと個人的には思います。

ちなみに筆者もコロナ禍前はよく一人カラオケとかね、毎週のように行ってましたけれどコロナ禍をきっかけに1年半くらいは行かなかったですからね。だから最近のメンタルヘルス、うつ病の増加などの原因のひとつはコロナ禍だなぁとつくづく思います。

落ち込んだ時の感情

落ち込んだ時の感情はどのようなものでしょうか。

気分が落ち込んだ、というのはけっこう抽象的な言葉ですよね。

具体的にどんな気分になったかをその気分に対して名前を付けてみましょう。

気持ちの落ち込みの代表的な感情は不安とか恐怖ですね。怒りもあったりしますが、だいたい不安が大きいかもしれません。

不安

この不安についてもあってもいいんですよね。

よくカウンセリングに来室される相談者の方でも「不安をゼロにしたい」と仰る方もいます。けれどゼロになんてできません。

カウンセリングでは不安はゼロにできないことに気付く作業だったりするのかなと思います。

なぜ不安があっても良いかと言うと不安は人間を守ってきたからですよね。

大昔、人間は狩りをして生活をしていたわけですけれどライオンやトラとか肉食動物と共に生活していました。

一瞬の油断が命取り。危険な動物が近くにいて、気付かなかったり、不安にならなかったりしたら生きのびれなかったのです。

ですから人間に不安があるのは必要なものでもあるんですよね。

極端な話、断崖絶壁を登って「怖くなーい」とか「不安にならなかったら」逆に怖いですよね。そっちの方がおかしいわけです。

自分の感情を受け止めよう

大事なことは自分の感情を大切にすることです。

自分が「不安」「恐怖」「怒り」その他の感情を感じていることに正直にあることですね。

人によってはそのようなネガティヴな感情になってはいけないと思い込んでいる人もいたりします。

カウンセリングに来室される方でもネガティヴな感情は必要ないからゼロにしたいと極端に仰られる方も少なくありません。

ネガティヴな感情もあっていいんです。ネガティヴな感情を外に出したりとかそれを原動力にして人に迷惑をかけたりするわけではない限りネガティヴな感情を持っていること自体は悪い事ではありませんからね。

自分が「今こういう気持ちになっているんだ」とか自分の心の中を内省できるようになることが大事ですね。

心の中を内省できるようになれば気持ちも穏やかになることもあったりします。

なぜなら、内省するということは自分の心の中を客観的に見るわけですから客観的にみることができるだけで気持ちが落ち着くこともあります。

カウンセリングに来室されるクライアント様もずっと落ち込んでいたけれど、アウトプットして整理してみると「あっ、なんだ、案外大したことないじゃん」と思える人もいたりしてするとあまり悩まなくなったりする人もいたりします。

紙に書き出すとかスマホのメモ機能でも良いですけれど書き出すことがとても効果があるんですよね。

でも多くの方はそんな効果があると思えないからしないんですけれど非常にもったいないと思います。是非やってみると良いでしょう。

悩まれている方は、多くの場合頭の中で考え続けていることが多いんです。

頭の中で考え続けることによってどういう弊害があるかと言うと極端に考えやすいんですよね。

本来なら大したことないような事を大げさに捉えてしまいがちになる。

でも言語化することによって冷静に見られるんですよ。先程のアウトプットですね。

紙に書き出すこともとてもいいですが自分のことばで自分の今の気持ちを言語化できるようになるとそれもそれで客観的に捉えやすいかなと思います。

自分の感情にフタしない

極端な話、落ち込む時は落ち込んで良いんです。

そこに「落ち込んじゃいけない」とか「落ち込まないようにしよう」とか自分の感情にフタをするとよりしんどくなるし落ち込みも強くなるわけです。

だから自分の感情にフタをせずに落ち込む時は落ち込みましょう。

例えば、彼女にフラれたらその彼女がそんなに好きじゃないなら別でしょうけれど落ち込みますよね。

そういう時もとことん落ち込んだほうがいいんです。そういうことをしていると、結果的にあまり落ち込みにくくなったりすることもあります。自分の気持ちに正直に、なることも大事なんですよね。

今回は気持ちが落ち込んだ時の対処法について解説しました。気持ちの落ち込みが激しい場合は、カウンセリングでの治療が必要になるかもしれません。当ルームでは、気持ちの落ち込みが激しい方に向けたカウンセリングをご提供しております。東京(渋谷・新宿)のカウンセリングならHeart Life こころの悩み相談所へ

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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