カウンセリングが必要な人はどのような人か?臨床心理士が詳しく解説!

うつ病や適応障害などこころの病気について認知度が広まりつつある一方で

「カウンセリングは敷居が高い」と感じている方もいまだに多いのではないでしょうか。

人によっては「カウンセリングを受けてみたいけれど、自分の悩み程度で相談していいのか迷う」と感じる人も多いです。

実際、カウンセリングに来室される方でもよく「自分の悩み程度でカウンセリングに来て良いのかわからないかった」と仰る方々は

少なくありません。

結論から言えば、自分がカウンセリングを受けたいとお考えであれば受けていいのですが

具体的に、カウンセリングが必要な人とは一体どんな人なのか?について大きく4つ詳しく解説していきたいと思います。

その①本人が辛い・苦しいと感じている

これは一番重要なことですが、カウンセリングを受けたいと思っている本人が辛い・苦しいと感じている場合はカウンセリングが必要です。

例えば、カウンセリングを受けようか検討している方が、うつ状態であれば、時に自殺のリスクがあります。

うつ病は治療が必要ですが、一方で治療しなくても治る場合もあるんですね。

うつ病の治療は、服薬治療、カウンセリング治療、そして休養の三本柱で取り組んでいく必要があるんですが、休養をしっかり長期間とるだけで改善する場合もあります。

じゃあ「うつ病は治療しなくていいのか?」とか「放置しておけば治るのか?」と思うかもしれませんが、そういうわけでは一切ありません。

放置しているとどういうリスクがあるかというと、一番は自殺の危険性があることです。

うつ病を自然治癒しようとすると待ち受けるのが自殺したいと考えてしまうほどしんどい状況に陥ります。これはかなり危険なんですね。

他にもうつ病の治療をしないといけない理由としては、うつ病は再発しやすいこころの病気でもあるのです。

一般に再発率は60%を超えると言われます。うつ病を放置して治すと再発しやすいと考えられます。

うつ病の原因は様々な要因が複合的に合わさって生じるのですが、ひとつに自分の考え方が要因だったりします。

例えば、会社の人間関係が原因でうつ病になったとして、

話を聞いていくと上司から仕事について指摘されることがしんどいと感じることが要因のひとつだったとしたならば、

自分自身の考え方を変えない限り、たとえうつ病が自然治癒したとしても、また同じ状況に陥れば容易に再発してしまうのです。

だからこそ、うつ病は治療が必要です。

まとめると、本人が辛い・苦しいと感じている場合は自殺のリスクがはらんでいるため、カウンセリングが必要なのです。

その②本人が苦しみを緩和したい・改善したいと思っている

2つめですが、カウンセリングを受けようかどうしようか検討している方自身、苦しみを緩和したいとか改善したいと考えているのであればカウンセリングが必要となります。

この後、お話しますが、本人が明らかにカウンセリングが必要な方だったとしても

本人にカウンセリングを受ける気がなければ

全く意味をなさないのです。

ですから、本人が「なんとかしたい」と考えているのであれば

カウンセリングが必要ですし、何よりも効果を感じやすいと考えられます。

その③日常生活に支障が出ている

例えば、うつ状態などになっていて、仕事に遅刻してしまうとか、仕事を当日欠勤してしまうことが多々あるとか

また家のことが全然できないとか、この状況になれば日常生活に支障が出ていると考えられます。

うつ状態になっているとしたら、不眠や食欲不振も生じることがあります。

眠れないことが続いたり、食欲が出ないことが続けば精神的にも支障が出ることはもちろんですが

身体的にも支障が出ることは容易に想像できると思います。

このような状況になっているのであれば、カウンセリング、もしくは心療内科の受診がマストとなりますので、

早急に受診やカウンセリングを検討してください。

その④精神疾患で治療が必要な場合

精神疾患で治療が必要な場合はカウンセリングが必要でしょう。

精神疾患というのは、こころの病気のことですが、カウンセリングはこころの病気の治療に使われることがあります。

一般的にうつ病や適応障害、強迫症、不安障害、摂食障害など所謂「神経症」と言われるこころの病気は

治療としてカウンセリングが必要となります。

なぜ神経症と言われるこころの病気がカウンセリングが必要なのかと言いますと

原因のひとつに自分自身の考え方や自分自身の過去の傷ついた体験や親子関係の問題などが

影響しているからです。

例えば、うつ病や適応障害の方であれば、自分自身の考え方や捉え方を変えるだけで改善することもありますし

強迫症や摂食障害などであれば、自分自身の過去の体験や親子関係の問題が影響していることがあったりします。

一概には言えませんが、多かれ少なかれこころの病気には自分自身の問題がかなり現れているんですね。

だからこそ、自分自身と向き合い、見つめなおし、自分とどう付き合っていくか

考えることが治療になるのです。

カウンセリングが意味をなさない場合とは

一方で、カウンセリングが必要な人なんだけれど、カウンセリングを受けても意味がない人もいます。

実際、カウンセリングの仕事をさせて頂いていてそのように感じる人も多々いらっしゃったりします。

結論から言うと、本人に困り感がない・モチベーションがない人の場合です。

本人に困り感がない・モチベーションがない

カウンセリングとは、カウンセラーとの対話を通して、自己理解や自己洞察を深める作業をしていくことです。

よくあるカウンセリングの誤解に「カウンセラーからのアドバイス」というものがあります。

つまり「カウンセリングってカウンセラーからアドバイスを貰えて改善していくんでしょ」ということですね。

結論から言うと、そんなことはありません。

アドバイス程度で変わっていたらとっくに変わっていると思います。

おそらく家族や友人のアドバイスで変わっています。

でもカウンセリングに来室される方は周りの家族や友人に相談してアドバイスを貰っても

しっくりこないし、悩みの解決につながらなかったからこそ来られるわけですよね。

そのような方がカウンセラーのアドバイスで悩みの解決ができるとは思えません。

カウンセリングは魔法ではありません。

そうではなくて、カウンセラーとの対話で自分自身を客観的にみつめ

「気づき」を得ることによって自分のこころの問題の解決の糸口が見いだせて

結果的に改善につながるというものがカウンセリングです。

つまり、カウンセリングを受ける場合は、能動的な感覚が必要なんですね。

先程の「アドバイスをもらう」というのは、能動的ではなく受動的です。

受動的にカウンセリングを受けていても全く効果がありません。

つまり、本人に困り感があって、なんとか改善したいという気持ちがなければ

能動的に取り組むことはできませんよね。

困り感なんてなければ、受動的にならざるを得ないです。

そういう場合は、カウンセリングの効果はまったくもってありませんから受けないことをお勧めします。

実際、カウンセリングのお仕事をさせていただいて

明らかにカウンセリングが必要だけど、本人に困り感がなく、

モチベーションが乏しい相談者がいらした場合は、敢えて受けないことをお伝えします。

それくらい、本人の動機づけというのが重要になるものなんですね。

おそらく、カウンセリングが必要だけど、現在本人に困り感がない方はまだタイミングではないのだと思われます。

自分のこころと向き合うことは非常にエネルギーがいりますし、時に自分自身の見たくないものを見ざるを得ないので

かなりしんどいと感じるものなんですね。

だからこそ、その気がないタイミングでカウンセリングを受けても、途中でカウンセリングを止めることにつながりかねません。

実際、途中で中断する場面というのはよくあります。

よくあるのが、本人はカウンセリングを受ける気がないけれど、周りの家族や職場の上司から勧められた場合ですね。

その場合だとほとんどの場合は、1回で終わるか2~3回程度で中断します。それじゃあまり意味がないんですね。

2~3回程度で自己と向き合うことは難しいです。

それよりも本人がどこかのタイミングでカウンセリングが必要だと気付いて自らカウンセリングを受けようと考えたときが

自分自身と向き合う絶好のタイミングなのです。

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