大人になってから発達障害に気づく理由や間違われやすい病気を解説

大人になってから「自分は発達障害なのではないか」と感じる方は非常に増えていますが、医学的な知識がない人にとって自分が発達障害なのかを見極めることは非常に難しいと言えます。

また、そもそもどうして発達障害だと気づくのか、さらには発達障害と似ている症状のある病気がどんなものなのかについて知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、大人の発達障害に気づく理由や間違われやすい病気について詳しく解説します。

自分自身が発達障害なのではないかと思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも大人の発達障害とは?

大人の発達障害とは、先天的な脳の発達により幼児から大人になるまで継続的に人間関係や社会生活などに悪影響を及ぼしてしまう障害のことを指します。

大人の発達障害は”本人が努力を怠っているから”や”親の育て方が悪いから”など後天的な影響は関係なく子供のころから症状が見られることも多いですが、大人になってから発達障害に気付くという方も多いのです。

最近では、「スケジュール管理ができないない」「コミュニケーションが苦手」「物忘れが激しい」などの理由から、自分自身が大人の発達障害でないかと疑う方も多くなっています。

つまり、大人の発達障害は”大人になってから発達障害になる”のではなく、先天的な脳の発達により起こる障害ですが、継続的に大人になってからも発達障害の影響を受けたり、大人になってから発達障害に気付くという方も増えているのです。

大人の発達障害と間違われやすい病気

大人の発達障害と間違われやすい病気は以下の通りです。

  • 精神障害
  • コミュニケーション障害
  • 愛着障害
  • パーソナリティ障害
  • HSP

医学的知識がない人からすると症状に違いが見られないことも多いですが、それぞれのまったく異なる性質を知ることで違いについて理解することができるのです。それでは、それぞれの病気について詳しく解説します。

間違われやすい病気①:精神障害

精神疾患のある状態で日常生活や社会生活に支障が起きてしまう精神障害には統合失調症・気分障害・不安障害・依存症・適応障害など、さまざまな種類がありますが、大人の発達障害と間違われやすい症状がみられることも多いです。

ただし、精神障害は一般的に思春期以降にみられる症状であることに対し、発達障害は生まれ持ったものということに大きな違いがあります。

間違われやすい病気②:コミュニケーション障害

言語を用いる能力が低いことや発音がうまくできないなどの症状が挙げられるコミュニケーション障害は、発達障害の中でも自閉スペクトラム症と間違われやすいです。

どちらもコミュニケーションに問題が発生してしまう症状ですが、コミュニケーション障害よりも自閉スペクトラム症のほうが強いこだわりがみられることが多くなります。

また、精神発達障害の”コミュニケーション障害”と、人見知りのような意味合いで使用されっる”コミュ障”の意味はまったく異なりますので合わせて覚えておきましょう。

間違われやすい病気③:愛着障害

乳幼児期に虐待やネグレクトを受けていた人に発生しやすい愛着障害は、自尊心が低いことやコミュニケーションに問題が生じることがあるため、発達障害と間違われることがあります。

しかし、愛着障害には明確な理由があるため、他人から見たときに勘違いされやすくても、本人が間違うことは少ないでしょう。

間違われやすい病気④:パーソナリティ障害

感情コントロールや考え方などがほかの人と大きく異なることから困難を抱えてしまうパーソナリティ障害においても発達障害と間違われてしまうことがあります。

パーソナリティ障害は遺伝的・環境的要因があるとされているため、先天的な発達障害とは異なり、本人の遺伝的な要素と育ってきた環境などが作用して形成されていく症状なのです。

間違われやすい病気⑤:HSP

共感性が強いことや自己肯定感が低いなどの特徴があるHSPも発達障害と間違われやすいです。

しかし、マスメディアで取り上げられることの増えたHSPですが、実は病気ではなくその人の気質を表す言葉として使用されているため、明確な定義や医学的な診断名もありません。

大人になってから発達障害に気づくのはなぜ?

先ほどもお伝えした通り、先天的な脳の発達による障害であるため、発達障害は大人から発症することはありませんが、実は大人になってから発達障害に気づくというケースは非常に多くなっています。

その理由としては、子どものころであれば発達障害は個性として扱われることも多く、「変わった子ども」や「独特な子ども」として考えられることも多く、また子ども自身がほかの子どもと変わっていることに気づかないことや、気づいたとしても発達障害を疑うことがないことから、子どものうちに発達障害に気づかないケースが多いからです。

しかし、そのような発達障害が大人になると自分で気づくことができたり、周囲から明らかに変わっていると判断されてしまうため、発達障害に気づくケースが増えます。

例えば、大人になると他者との円滑なコミュニケーションは欠かせませんが、そのコミュニケーションが上手にできなかったり、職場でほかの人がしないようなミスを繰り返し起こしてしまい怒られてしまうなど、人間関係や仕事の中で発達障害に気づくケースが多いです。

もちろん、発達障害は欠点になることだけではなく、メリットとして作用する場合も多いため、発達障害に気づいたとしても長所として活かすこともできます。

大人になってから発達障害の診断を受けることは可能?

結論から申し上げますと、大人になってから発達障害の診断を受けることは可能です。発達障害を診断することができるのは「精神科」や「心療内科」などの医療機関であるため、発達障害の心配がある場合、まずは医療機関に相談しましょう。

ただし、精神科や心療内科であっても大人の発達障害の診断を行っていないケースもあるため、事前に病院のホームページをチェックしたり電話で確認することが大切です。

病院選びに不安があるという方は、各地自体が公表している医療機関リストや自治体の相談窓口に相談することで適切な病院選びをすることができます。

また、大人の発達障害は基本的には保険適用内で診断・治療してもらうことができますが、保険診療を行っている場合でも治療の必要性が認められない場合は保険適用外となってしまうこともあるので注意しましょう。

まとめ

本記事では、大人の発達障害に気づく理由や間違われやすい病気について詳しく解説しました。大人の発達障害は先天的なものですので、大人から発症するということはありませんが、大人になってから発達障害に気づくケースが多いという特徴を覚えておけば、本記事でご紹介した似ている病気とも判別することができるでしょう。

とはいえ、やはり医学的知識がないと判別が難しいこともありますので、大人の発達障害かもと悩んでいるのであれば、医療機関に相談して診断してもらうことがオススメです。

また、医療機関に相談する場合は、そもそも大人の発達障害の診療をしているかどうか、さらには保険適用内で治療することができるのかをあらかじめ確認しておくといいでしょう。

ぜひ本記事を参考にして大人の発達障害についての理解を深めてみてください。

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