こんにちは。
東京地方は今日は季節外れの夏のような暑さ。
もうすぐGWも近くなる今日この頃ですが
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて本日は適応障害の原因についてお話します。
【適応障害とは?】
適応障害ということばはうつ病に次いでよく聞かれるようになった
こころの病気です。
適応障害とはどのような病気なのかということなんですけれども、
よくうつ病に似た病気でうつ病よりも軽い、みたいな感じで言われがちなんですけれど
そういうわけではありません。
適応障害と言うのは、明確なストレスが原因で
生活面や精神面に支障がでてきてしまうこころの病気です。
漠然としすぎていますね。
どういうことかというと、
そもそも適応障害は
ある明確なストレスによって生じます。
仕事だと「苦手な業務」とか
上司からの「ハラスメント」とか「いじめ」とか
苦手な上司とか同僚がいるとか
家族の問題だと
たとえば嫁姑問題とか、夫婦間の問題とか、
学生であれば、受験や就職の失敗とか
そういうものがストレスになるわけですよね。
そのストレスを上手に対処できればいいんだけれど、
そのストレスを上手に対処できない、つまりストレス解消できないと
どうなるかというと、
これを「ストレスコーピングの失敗」って言うんですけれど、
ストレス解消できないままでいると
その環境にうまくなじめなくなってしまい、精神的に落ち込んだり、
それがずっと続くと、仕事や学校に遅刻したり、休んでしまったりして
だんだんと支障が支障が出てしまうと。
この状態がずっと続くようであれば適応障害と診断されます。
一昔前までは適応障害は「甘えだ」とか
「その人自身の未熟さ」が原因だと考えられていましたが、
今はストレスの対処の下手さが原因だという考えが主流になっています。
【適応障害の症状】
次に適応障害の症状についてなんですけれど
結論から言うと適応障害特有の症状はありません。
おそらくうつ病が近い症状になるかもしれません。
主に精神症状と身体症状と行動の3側面からとらえていきますが、
精神面の症状は、
集中力の低下、不安心配、抑うつ、孤独感、
いらだち、考えがまとまらない、息苦しさがあります。
身体症状については
頭痛とか肩こり、めまい、便秘とか下痢とか腹痛とか、耳鳴り、
だるさ、不眠、食欲不振などですね。
行動面については
無断欠勤しちゃうとか、暴力を振るうとか、物をこわすとか、
万引きするとか、人が変わったようになるとかですね。
で適応障害の症状で
一番よくある症状は不安感と抑うつです。
うつ病の代表的な症状も不安感と抑うつはあるので、とても似ているかもしれません。
【適応障害の原因とは?】
適応障害になる原因は、先程もお伝えしたように
明確なストレスが原因です。
例えば、23歳女性会社員のAさんの例でお話ししましょう。
今年から新卒で入社しました。しかし配属先の上司とうまがあわず、
次第に精神的に落ち込むことが増え、遅刻することも増え、
心療内科に受診をしたら適応障害と診断されました。
このようなケースでAさんの明確なストレスというのは、
もちろん新卒で慣れない仕事がストレスを引き起こしているのではないかというのもあるかもしれませんが
この話だと、馬の合わない上司がストレスになるわけですよね。
このように適応障害の原因というのは、
明確なストレスが影響していると言われます。
そのため、人によっては仕事していると調子が悪くなるけれど、
仕事以外のことだと問題なくできるという人も中にはいます。
【ストレス以外の原因】
適応障害の原因はストレスだと言いましたが、
それならみんなが皆、ストレスがかかったら
適応障害になるのかと言われたらそうではありません。
その違いは何か?という話なんですけれど
ひとつはストレス解消方法を自分なりに見つけるのが苦手だったりすることもありますが、
それだけではなく
性格的要因も影響しているのではないかと思います。
例えば、
新卒で入社した23歳女性のお話を先程させていただきましたが、
上司と馬が合わないことを社内のだれにも相談しませんでしたし、
仕事でわからないことがあってもできるだけ自分で調べようとしていた、ということがあります。
本人に聞くと「できるだけ人に迷惑をかけないようにしたかった」と話すわけです。
Aさんは迷惑をかけないようにと必死だったわけですね。
その結果、悩みを抱えすぎてしまったということです。
このようにAさんの性格的要因も少なからず影響して、
適応障害を発症するのではないかと思います。
適応障害って、その環境に適応できずに発症すると言われるのですが
稀にその環境に適応しよう適応しようと過剰適応って言ったりするんですけれど
適応しようとするがために生じることもあります。
【適応障害は誰にでもなる】
適応障害は若い人がなりやすいのか?と思うかもしれませんが
そうではありません。
実はどの年代の人でもなり得る病気なのです。
例えば、仕事の失敗、リストラ、離婚、配偶者との別れなど、
ネガティヴなライフイベントの時は要注意です。
そういうときは自分の心の状態をしっかりと観察してくださいね。
いかがでしたか。
それでは次回のブログでお会いしましょう。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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