ネガティブ思考をやめたいときの対処法10選|原因やなりやすい人の特徴も解説

ネガティブ思考をやめたいと思っても、簡単には抜け出せず、思い詰めてしまう方は少なくありません。

対処法を知ることで気持ちの切り替えがうまくなり、前向きな考え方が自然と身に付きます。

この記事では、ネガティブ思考をやめたいときの対処法を10個解説します。

ネガティブ思考になる原因や、なりやすい人の特徴もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

ネガティブ思考をやめたいときの対処法10個

ネガティブ思考をやめたいときの対処法を10個解説します。

  1. ネガティブな感情を自己分析してみる
  2. からだを動かしてリフレッシュする
  3. 日光浴をする
  4. 思い込みをやめてみる
  5. 無理にポジティブ思考になろうとしない
  6. 自分へのご褒美を用意する
  7. プラスの感情を素直に受け止める
  8. 暇な時間をつくらない
  9. 気持ちを切り替えてから眠る
  10. 何事にも感謝する気持ちを大切にする

気持ちの切り替えやリセットしたいときに、参考にしてください。

1.ネガティブな感情を自己分析してみる

まずお勧めしたいのは、自分の思考を紙に書き出す方法です。いつ、どのような場面で、誰と会うときにネガティブ思考が生まれるのか、具体的に記録してみましょう。

例えば、「会社で挨拶したのに返してもらえなかった」という出来事があったとき。「きっと私のことが嫌いなんだ」と思い込むのではなく、「声が小さかったかな」「相手が忙しそうだった」など、別の可能性も書き出してみます。

このように思考を客観的に見つめ直すことで、極端な考え方に気づきやすくなり、よりバランスの取れた視点が身につきます。完全にネガティブをなくすことは難しくても、少しずつ減らしていくことは可能です。

※この自己分析の方法について、より詳しい実践例は解説動画もご参照ください。

2.からだを動かしてリフレッシュする

ネガティブ思考がやめられないときは、頭の中で考えごとをしているときです。

ちょっとした運動や散歩など、体を動かすことで、余計な考えごとをする時間をなくします。

家の片付けや掃除でも気持ちの切り替えには十分なので、「運動しないと」とハードルを上げる必要はありません。

得意な家事や好きな運動でリフレッシュしましょう。

3.日光浴をする

太陽の光を浴びると、精神状態を安定させる働きのある「セロトニン」という物質が生成されます。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、ネガティブ思考をやめたいときにも最適です。外の空気を吸うことで気分転換にもなります。

また、朝に太陽の光を浴びると、夜にメラトニンという物質に作り替えられ、睡眠の質を高めてくれます。

4.思い込みをやめてみる

ネガティブ思考に陥りやすい人は、物事を否定的に捉えがちな考え方のクセを持っています。

「自分はネガティブ思考だから」といった思い込みをやめてみると、前向きな感情にも気づきやすくなります。

思考のクセを急に変えるのは難しいので、否定的な考えが浮かんだときは、肯定的な言葉も添えてみましょう。

5.無理にポジティブ思考になろうとしない

「ネガティブ思考はよくない」と無理に考え方を変えようとすると、強いストレスがかかるため注意が必要です。

ネガティブな考え方は、さまざまなリスクを想定して大きな失敗を避けるために必要な感情です。

考え方の一つと捉え、自分を追い込まないようにしましょう。

6.自分へのご褒美を用意する

ネガティブ思考になりやすい人は、自己肯定感が低い傾向があります。

自分を認めて、気持ちを前向きに切り替えるために、自分へのご褒美を用意してあげましょう。

小さな目標を掲げ、うまくいったときのご褒美も先に決めておきます。成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めていくこともネガティブ思考のやめ方の一つです。

7.プラスの感情を素直に受け止める

ネガティブ思考がクセになっている人は、自分の気持ちを素直に受け取れない場合があります。

プラスの感情さえも否定してしまい、そんな自分が嫌になってしまうときもあるでしょう。

「楽しい」「大丈夫」と前向きな感情を感じたときは、素直に受け取ることが大切です。ポジティブな考えを否定せず、すべての意見を楽観的に捉えることで、心が楽になります。

8.暇な時間をつくらない

考えごとをする時間があると、ネガティブ思考が止まらない原因になります。

新しい趣味を見つけたり、好きなことに没頭できる時間を作ったりすると、考えすぎを防ぐことが可能です。気になっていることや興味のあることに、挑戦してみるのもよいでしょう。

また、「何かしないといけない」と考えると精神的に負担を感じてしまうため、何も考えずに行動してみるのも一つの方法です。

9.気持ちを切り替えてから眠る

ネガティブ思考のまま寝てしまうと、次の日まで感情を引きずってしまいます。

起きたときに気持ちを切り替えられるように、寝る前は楽しい感情を思い出してから眠りましょう。

お気に入りの音楽をかけたり、リラックスできるアロマを取り入れたりすると、睡眠の質の向上につながります。

良質な睡眠は精神的な安定にもつながるため、ネガティブ思考をやめたい人にも最適です。

10.何事にも感謝する気持ちを大切にする

身の回りのちいさな出来事にも感謝する気持ちを持つことで、気持ちが前向きに変化します。

何気ない日常の中にあるちいさな幸福に気付き、ネガティブな感情は徐々に薄れていくでしょう。

ネガティブ思考になる原因

ネガティブ思考になる原因は、おもに以下の4つです。

  • 繊細な性格
  • 周りの環境からの影響
  • 失敗経験の蓄積(学習)
  • 小さなポジティブに気付けない(引き寄せ)
  • 理想と現実のギャップ

一つずつ詳細を見ていきましょう。

繊細な性格

もともとの気質や性格が原因で、ネガティブ思考になりやすい場合があります。

繊細な性格ゆえに、物事の悪い面ばかりに目が向いてしまい、ネガティブな考え方が習慣化してしまう場合もあるのです。

また、心配性の人や感受性の高い人にネガティブ思考の人が多い傾向があります。

周りの環境からの影響

周囲にいる人から否定的な言葉を受ける機会が多かった人は、ネガティブ思考になりやすいです。

否定的な言葉を受け続けると自己肯定感が低くなり、ネガティブな考え方が定着してしまうことがあります。

また、ネガティブ思考の人が近くにいると、自分の思考や感情にも影響を及ぼします。この場合、環境を変えるだけで思考パターンに変化をもたらすことが可能です。

失敗経験の蓄積(学習)

過去の経験から形成される学習は、ネガティブ思考を強化する重要な要因の一つです。例えば、特定の状況で不快な経験をした場合、同じような状況に遭遇すると「また悪いことが起きるかもしれない」という思考が自動的に生まれます。このような経験の積み重ねにより、状況を否定的に捉える思考パターンが形成されていきます。

成功体験が少ないこともネガティブ思考の原因になるため、小さな成果を積み重ねることが重要です。

小さなポジティブに気付けない(引き寄せ)

マイナス面ばかりを意識する「引き寄せ」の状態に陥ると、プラスの出来事にも気づきにくくなる傾向があります。これは、人間の意識が常に否定的な情報に向いてしまうことで、周りの良い出来事や状況を見落としてしまう心理状態です。その結果、日常のポジティブな要素を認識することが難しくなり、より一層ネガティブな思考が強まってしまいます。

日常の中にある小さな良い出来事に意識を向ける習慣をつけることで、より柔軟な視点を持てるようになります。


※「学習」と「引き寄せ」に関して解説動画内でも詳しい説明をしています。

理想と現実のギャップ

高い理想を掲げたときに、実現するのが難しいと感じるとネガティブな感情が強まります。

自身の喪失からネガティブ思考に陥り、抜け出せないと悩む方も少なくありません。

目標を立てる際は、ゴールにたどり着くまでの中間地点を設けることが大切です。目標をいくつかのステップにわけて、小さなゴールを設定することで、ネガティブな感情を抑えられます。

ネガティブ思考になりやすい人の特徴

ネガティブ思考になりやすい人の特徴は、おもに以下の6つです。

  • 完璧主義
  • 心配性
  • 否定的な言葉が多い
  • 人と話すのが苦手
  • 周りの目を気にする
  • 甘えるのが苦手

どのような特徴があるのか見ていきましょう。

完璧主義

完璧を求める人は理想が高く、些細な失敗もマイナスに捉えがちです。

完璧主義はメリットですが、失敗を許せなかったり、自分に厳しすぎたりといった面ではデメリットにもなります。

自分で自分を追い詰めてしまわないように、過度なプレッシャーを与えるのは避けた方がよいでしょう。

また、ネガティブ思考をリスク回避の手段として活用できると、前向きな思考として変換できます。

心配性

心配性な人は不安症状が強く、ネガティブ思考に陥りやすいです。十分な準備をしていても不安に感じてしまい、結果として自分に自信を持てなくなることがあります。

心配の種をなくしたり、一つひとつの物事に解決策を見つけたりすることで、不安を軽減してネガティブ思考を抜け出せます。

何に対して、どのような場面で心配になるのか向き合ってみると、不安の原因や課題が見つかるはずです。

否定的な言葉が多い

「でも」「どうせ」といった否定的な発言が多い人は、ネガティブ思考になりやすい傾向があります。

否定的な考えから物事を見てしまうと、行動するチャンスを失い、自信の喪失と自己肯定感の低下につながります。

自己肯定感が低いとネガティブ思考に陥りやすく、やめたいのに止まらない状態から抜け出せなくなるのです。

人と話すのが苦手

コミュニケーション能力の低い人は、悩みや不安に思っていることを相談するのが苦手で、不満を抱えやすい特徴があります。

人と話すことに自信が持てないことから、ネガティブ思考に陥りやすい人も多いです。

周りの目を気にする

周りからの視線や反応が気になり、自己主張が苦手に感じる人もネガティブ思考になりやすい人の特徴です。

自分の意見に自信が持てず、周りの意見に流されてしまう場合もあります。

いきなり大勢の前で意見するのはハードルが高いので、自分の意見を持ち、準備を整えるところからはじめてみましょう。

甘えるのが苦手

自分の弱みを見せたり、人に頼るのが苦手な人も、ネガティブ思考になりやすい傾向があります。

1人で解決しようとするケースが多く、精神的に追い詰められているしまうことも。

ストレスや疲労が蓄積している状態はネガティブ思考になりやすいため、相談できる相手を見つけることが大切です。

信頼できる友人や家族、専門のカウンセラーなど、心を開ける人を持つことで、抱えている不安を軽減できます。

まとめ

ネガティブ思考はやめたいと思っても簡単には抜け出せず、悩んでしまう方も多いでしょう。

「思い込みをやめてみる」「ネガティブな感情を自己分析してみる」などの対処法を試すことで、気持ちの切り替えがうまくいくかもしれません。

また、染み付いてしまった考え方のクセは治すことが難しいため、1人で解決するのは困難です。

「ネガティブ思考をやめたいのにやめられない」とお悩みの方は、専門のカウンセラーに相談すると、前向きな考え方が自然と身に付くでしょう。

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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