こんにちは、Heart Life室長の丸田です。
さて、東京は今夜雪予報。
凍てつくような寒さが続く今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて本日はうつ病を自力で治せるのかどうかについて
お話していきます。
【うつ病を自力で治せる?】
うつ病を自力で治したいと考えている人って少なくないんですよね。
確かにうつ病を自力で治せるなら
そっちの方がいいですものね。
いちいち、心療内科に通ったり、カウンセリングを受けたり
しなくてもいいならそっちの方が絶対にいいわけですよ。
でも実際、自力で治せるものなんでしょうか。
今日はカウンセラーという専門家視点から
具体的にお話していきます。
【基本的には治せない】
結論から言うと
うつ病になったならば
自力で治すことはできません。
明らかに症状が
うつ病の状態であってそれを自力で治すのは難しいと思います。
専門家が仮にうつ病になっても難しいかもしれません。
なぜうつ病は自力で治せないのでしょうか。
それは、一言でいえば
現在のあなたの生活の中で生じているため
あなたの現在の生活にうつ病になるような原因や要因があるわけですよね。
その中で自力で治そうというのは無理があります。
その状況の中でうつ病の症状が出ているので
その環境自体を変えない限り、うつ病自体が治らないわけですよね。
【うつ病を治すためには?】
うつ病を治すためには
まずは薬物療法、そして精神状態が安定してきたら心理療法
そして当然「休養」、この3本柱が重要になってきます。
よくあるのは、
これは明らかに業務量が多すぎるから
それがきっかけでうつ病の症状が出ているなぁという
クライアントさんってけっこういるんですけれど
そういう人に限って
今の生活を変えずになんとかうつ病を治したいとおっしゃる方がいますが
これははっきり言うと無理です。
さっきもお伝えしたように
あなたの今のうつ病になった、診断されたのは
もちろんうつ病は性格の要因もありますけれど
環境の要因も非常に大きいのです。
だから今の生活を変えないとうつ病はよくなりません。
【状態にもよる】
基本的にはうつ病は治療しないと治りませんが
状態にもよるかなと思います。
例えば、本当に軽度なうつ病の症状が出ている場合ですよね、
それは場合によっては
休養だけで軽快にいたる場合もあります。
でも環境は変えないといけないですよね。休養をとらないといけないです。
休養と言うのは1日2日ではなくまずは1ヶ月はとるべきですね。
1ヶ月というと多くの方は「えっ、そんなに休むのか!」と思われると思います。
でも1ヶ月というのは非常に短期間だと思います。
通常、うつ病で休職する方だと短くても3か月
通常ですと半年から1年程度は休みますからね。
それに比べたら1ヶ月なんてめちゃめちゃ短いわけですよ。
1ヶ月休みをとって症状が軽快したりするのであれば
とりあえず日常生活をセーブしながら過ごしていけるかなと思います。
ただ多くのうつ病の方の場合
軽度な方はまれで薬物療法や、もしくは3か月以上の休みが必要だろ…と
思うような方が8割くらいですかね。
なので
今もしあなたがうつ病かもしれないと考えているのであれば
しっかり治療をしてみることをおすすめします。
ちゃんと治療をすることによって
どんなメリットがあるかというと
すぐに治りやすいんですよね。
ずっと放置していたうつ病と
比較的軽度めな時に、治療をするのでは
半年くらいでうつ病の治療ができるのに
そのまま放置したことによって5年も10年も治るのにかかるというのは
よくあることです。
だから早めに治療を開始した方が良いのは、
自分自身のためでもあるわけですよ。
【なぜ自力で治したいのか?】
ところでなぜうつ病を自力で治したいと思うのでしょうか。
先程もお伝えしたように
治療するにはお金がかかる、だからだよとそういう方もいると思うんですけれど
多分お金の問題じゃないような気がします。
ここからは僕の持論ですけれど
自力で治したいと思っている人は
おそらく自分が「うつ病」だと認めたくないからだと思います。
自力で治せば、病院に行かずに済むわけであり
そうすれば自分はうつ病と思わなくてもいいわけですよね。
自力でうつ病を治したいと思う人は
うつ病になってしまうということを恥ずかしいこととか
心が弱いからなるとか
周りからそのようにみられるのが嫌だとか
たぶん心の病気に対する
誤解や偏見でガチガチなんだと思います。
でもちょっと考えてみてほしいんですけれど
インフルエンザとか新型コロナになって
誰が責めますか?って話なんですよね。
インフルとかコロナになるのは、しょうがないですよね。
多くの人はおそらく「しょうがない」と思えるはずなんです。
だけれどうつ病の場合になると
途端に変わるんですよね。「うつ病になった、しょうがないね」
とはならないんですよね。
おそらく心の病気に対しての
まだまだ誤解や偏見があるからかなとは思うんですけれど
大事なことは何かというと
自分を大切にすることだと思います。
うつ病になりやすい人は
真面目で人に迷惑をかけたくない気持ちが
強い人です。
だから休んだりしたら人に迷惑をかけてしまうと思ってしまいがちですが
むしろ無理して活動される方が
周りにとっちゃ迷惑ですからね。そう思えれば少しは楽になるかもしれませんね。
誤解や偏見を取り除くためには
うつ病に対して少しずつ理解していくしかありません。
そのために日々僕はこのようにブログなどで発信を続けております。
いかがでしたか?
それでは次回のブログでお会いしましょう。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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