「心が弱い」からうつ病になるの?

こんにちは。

東京は連日の真夏の暑さ。

昨日より関東甲信地方は史上最速で梅雨明けしたそうですね。

今年の夏は長い夏になりそうで、夏が苦手な僕は早くもブルーな気分。。。

そんな今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

   

さて今日は

心が弱いから、うつ病になるのか?というテーマで

徒然にお話していきます。

   

【うつ病とは?】

うつ病というのは、15人に1人、が一生のうちにかかるこころの病気と言われます。

ある調査では8人に1人の割合だとも言われますが。

   

そもそもうつ病について、どういったものか、簡単にお伝えします。

・気分の落ち込み

・やる気が出ない・倦怠感

・三大欲求の低下(食欲・睡眠欲・性欲)

この3つの症状が主体でありますが、

多くのうつ病の方が感じ取れる症状としては

心が落ち込んでしまう、ブルーになっている状態のことで

それが2週間~1ヵ月以上続いている状態で

なかなか気分が晴れない状態が続いているのであれば、「うつ病」と診断される可能性があります。

   

診断の基準として、症状と併せて

落ち込みの「期間」が重要で、その期間がどれくらい続いているか、を見て診断をしています。

   

【心が弱いとは?】

うつ病になる人に対して、しばしば「うつ病にやる奴は、心が弱いからだ」という

心無い発言をする人たちがいます。

結論から言うと、

必ずしもそうとは言い切れないので

間違いなんですけれど、

同時に

うつ病やこころの病気に対する偏見からそのような誤解が生まれていることもまた事実なのです。

じゃあそもそも「心が弱い」とは何なのか?

心が弱い、というのはいろいろな意味が含まれていると思います。

例えば、

「自信がない」とか「人から言われたことを気にする・引きずる」とか、「落ち込みやすい」とか。

さまざまありますが、

ここでは、「心が弱い」というのは、

「打たれ弱い」人ということと定義しましょう。

逆に「心が強い」人というのは、

「打たれ強い」人と定義します。

もちろん、

元々打たれ弱いという人と打たれ強いという人はいます。

よく専門用語でいえば、

脆弱性とか言ったりしますが

わかりやすく言えば、

「肌が荒れやすい人と荒れにくい人」

「お酒の強い人と弱い人」の違いと言えばわかるでしょうか。

それって生まれつきだから仕方がないでしょ。

しかし、

誤解だなと思うのは

心が弱いからと言って、うつ病になるわけではないし、

逆に

心が強いからと言って、

うつ病にならないわけではないということなんですね。

    

【うつ病になる心理的メカニズム】

うつ病になる心理的メカニズムについてですが、

一言でいえば、

自分の負の感情を自分自身に向けているということなんですね。

例えば、

会社員のAさん。

管理職を任されて仕事も増えてきました。

しかし

仕事が増えるにしたがってミスが増えてきてしまい

落ち込むことが増え、

その落ち込みが更に仕事のミスにつながる、という悪循環になりました。

そのせいか、慢性的に落ち込むことが増えてしまい、仕事にも支障が出始めました。

メンタルクリニックに受診してみると、うつ病と診断されました。

   

あくまで一例ですが

Aさんは責任感が強い傾向があり、

仕事でミスをしたことによって

「あぁミスをした自分はダメな奴なんだ…」と思う。

それって自分を責めているわけですよね。

自分を責める、

つまり自分に負の感情をぶつけるということなんですよね。

自分に「怒っている」ということ。

人から怒られたり、ネガティヴな感情をぶつけられて気分が良い人っていないでしょ。

うつ病になる人って、

無意識だから知らず知らずのうちになんだけれど

自分自身を怒ったり、ネガティヴな感情をぶつけているんですよね。

心が強い人も、

例えば、このAさんの仕事の規模が日本全国規模の話だったら?

世界規模だったら?

そう思ったら、重圧はあるでしょうし、

ミスをしたらよりダメージが大きく、

さすがの心が強い人でも落ち込んだりするでしょう。

   

だから何が言いたいかというと

うつ病の原因は

性格要因もあるけれど

自分自身を責めることであることだし、

環境のにっては

心が強い人でもうつ病になり得るということなんです。

つまり

うつ病というのは、

環境要因がある意味、整えば

誰にでも生じやすいということなんですね。

   

【うつ病の正しい知識が必要】

メンタルヘルスの知識は広がりつつありますが、

まだまだ誤解や偏見がある領域だと思います。

「うつ病」というワードも

一般用語になりつつありますが、

未だに誤解や偏見があると思います。

うつ病は

誰にでもなるリスクがあるこころの病気です。

うつ病について語るのであれば

まずうつ病のことを知っていきましょう。

   

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この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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