こんにちは。
Heart Life室長の丸田です。
さて気づけばもう2月も終わり。。。もうすぐ3月ですね。
早いものです。
あと数週間すれば春の訪れ。。。そんな春を待ちわびる今日この頃ですが
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて今日はうつ病と
不安症(不安障害)についてお話していきます。
【うつ病は不安障害との違いは?】
うつ病は不安を伴うこともあります。
そのため、一見するとうつ病か不安障害か見分けがつかないこともあったりします。
うつ病と不安障害の違いは、
うつ病の場合は「気分の落ち込み」が強いこと
不安障害の場合は、「不安感」が気持ちの落ち込みより強いことが
診断基準になります。
ただ正直、どちらも併発していることがほとんどのため
多くの場合は、うつ病と不安障害という両方の診断がつくこともよくあることだそうです。
【不安障害とは?】
そもそも不安障害とはどんなものか?ということを説明しなければなりません。
日常生活に支障が現れるほどの不安感が続き場合は
不安障害と診断されます。
日常生活に支障が出るというのは具体的に言うと
不安が強くて外出できないとか
不安が強くなるために電車に乗れないとか
仕事で人前でプレゼンするときにめっちゃめちゃ緊張してしまい、遅刻とか
欠勤してしまうとか
そういう状態だと不安障害と診断されます。
不安障害は大きく4つあって
全般性不安障害
パニック発作
恐怖症
社交不安症
といわれます。
全般性不安障害というのは、
日常の出来事に対して明確な理由もなく過度に不安になり心配してしまうことです。
例えば、外に出たら、事故に遭うかもしれないとか、
誰からから殺されるかもしれない、とか
明確な理由なくそういう不安が頭に浮かんで不安で苦しくなる状態ですね。
パニック発作と言うのは、
実際には危険や脅威がないにも関わらず、突然の強い恐怖に襲われ激しい身体反応を起こすことで
例えば電車に乗った時に緊張してしまい、
「このままドキドキが止まらなんじゃないか」
「倒れて死んでしまうんじゃないか」とかそういう感覚になることですね。
恐怖症というのは、恐れる必要のない特定のものや状況に対して
強い恐怖感や嫌悪感をもつことで
特にパワハラとかされていないのに、上司が怖いと感じてしまうとか、
犬が怖いと感じてしまうとか、あとは高所恐怖症とか先端恐怖症とかもこれにあたります。
社交不安症というのは、社会的な場において否定的に判断されたり、
詮索されたりすることに強い恐怖を感じてしまうことで
例えば、仕事のプレゼンで失敗したらどうしようとか、
プレゼン中にめっちゃ詰められ、しどろもどろになって大失敗したらどうしようとか、そういう不安のことですね。
特にうつ病と同時に発症しやすいのは
社交不安障害とパニック障害といわれています。
社交不安障害と言うのは、
人前に出ることに強い不安感を感じやすい症状で
先程の例で言えば、人前でプレゼンする日に限って
欠勤したり遅刻したりする人は社交不安障害と考えられるし、
パニック障害というのは激しい不安発作に襲われる症状で、
先ほどの例で言えば、電車に乗れないとか、外出できないとかそういう方はパニック障害と思われます。
【不安の正体】
ここからは何故不安になるのか?ということについてお話していきたいのですが、
心理と言うよりはどちらかというの脳の話になります。
不安はどこから生じるかと言うと脳から出てきているんですよね。
脳は恐怖や不安を制御するのが苦手だと言われます。
不安や恐怖は脳の「扁桃体」が察知して察知すると「ヤバイよ、危険だよ」と警戒するのです。
ちょっとした脅威があれば扁桃体はすぐに警戒し出すのです。
例えば、街を歩いていて
前に黒ずくめの大男が歩いていたら
「おっ、なんか怖そうな人がいる!警戒しろ!」と扁桃体が指令を出すわけです。
実際に脅威がなくても扁桃体はもしもの場合に備えたがるのですね。
それが扁桃体の仕事です。
脅威を検出して恐怖で反応するのです。
でこれが過剰に反応することで不安を強く感じる原因になるのです。
つまり不安の正体は扁桃体の過剰な反応だということですね。
扁桃体は視床下部と言う所に直接情報を伝達するんですよね。
そしてストレス反応を引き起こすわけです。
この扁桃体の働きが過剰になると
心身にストレスを強く感じてしまい、むしろ弊害があるのです。
【不安は学習で作られる】
ちなみに不安は学習によって得られるのです。
分かりやすい例で言えば、
ある上司が凄く怒りっぽくてちょッとしたミスで
「お前、間違っているぞ!ちゃんとやれ」みたいな大声で
怒鳴るような感じの態度だったとして
毎回毎回怒鳴られていると
いい気分しないし、だんだんと
「あっ、この上司は大声で怒鳴る人、怖い」と脳が学習するんですよね。
するとなんも怒られていないのに上司の顔を見ただけで恐怖や不安を感じたり
場合によっては震えたりするわけですよね。
他にもパニック発作も同じで
ある時に電車乗っていたら動悸が強くなり、
不安感に襲われてしまった事があると
次に電車に乗った時に「また動悸が強くなるかもしれない」とか
「不安感に襲われるかも」と思って不安や恐怖になってしまうのです。
【不安への対処】
不安を消すことはできません。
不安があることによるメリットが大きいんですよね。
人類は不安があったからこそ生き延びてきたと、
1万年前の人類はライオンや危険な動物と隣り合わせでしたから、
一歩間違えれば死んでいたわけです。警戒心が強くなきゃ生き延びていなかったわけです。
なので不安への対処は
「あぁ自分は不安なんだなぁ」と自分を客観的にみてあげることです。
不安をなくすことはできないから、不安が出てきた時に
俯瞰してみてあげる事。
紙とかに書き出してみるのもいいかもしれません。
「あぁ今自分は○○なことで不安になっているんだなぁ」と思えると
少しだけですが楽になることもあると思います。
いかがでしたでしょうか。
それではまた次回、お会いしましょう。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
公式Twitter
公式Instagram