「仕事に行きたくない…」はうつ病?受診の目安について臨床心理士が詳しく解説

このコラムでは「仕事に行きたくない」気持ちが続いていて不安や心配になられている方に向けてそれが「うつ病」なのか?うつ病「予備軍」なのか?について臨床心理士が詳しく解説していきたいと思います。

「仕事に行きたくない…」気持ちについて

年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなど長期休みが終わった後の仕事ほどしんどいものはありませんよね。

まず大前提として話がしたいのですが誰しも

「仕事に行きたくない」とか

「仕事したくない」という気持ちは多かれ少なかれ生じるものです。

よくあるあるなのが、土日休みの方で日曜日の夜に「あぁ明日から仕事だ…明日仕事行きたくないなぁ」と感じたり

ゴールデンウィーク明けとか年末年始明けの仕事始めなどのタイミングで9割くらいの方がなるのではないかと思います。

「あぁ明日仕事だるいなぁ」と感じることも多いのではないでしょうか。

なので「仕事に行きたくないなぁ」という気持ちは誰でもあるものだとまずは思ってもらいたいのです。

ただ、この「仕事に行きたくないなぁ」と思う気持ちは、仕事に行けば「忘れる」まではいかないにせよ、薄れていくんですよね。

例えば、僕の場合であればだいたい水曜日が休みの日にしていることが多いんですけれど、

水曜日の夜はだいたい「あぁ、明日から仕事かぁ…」と思っています。

で次の日の木曜日なって「さぁ、仕事するかぁ…」となって1時間、2時間経って行くといつの間にか

「仕事したくないなぁ」という気持ちはどっかにいっているわけですよね。

まぁもちろん昼休みになって「眠いなぁ、早く帰りたい!」と思うことももちろんあります。

でも、これくらいの程度であれば問題ないわけです。

問題のない「仕事に行きたくない」気持ちはこんな感じでいつの間にか消失している、というよりは無くなってはないんだけれども、あっても気にならなくなるものなんですね。

ずっと続く「仕事に行きたくない」はうつなのか?

問題なのは、その「仕事に行きたくない」とか「仕事したくない」という気持ちがずっと続く場合なんですね。

さっきもいったように仕事していても「仕事したくない」「帰りたい」とずっと思ってしまう。

この場合は少し危険なサインかもしれません。

じゃあどれくらい続くと危険なのかって話なんですけれど最低でも2週間以上続く場合は、危険かもしれません。

人によっては波があって断続的に起きる場合もあるかもしれません。

例えば、ここ3日は「仕事したくない」と感じなかったけれど、ここ2日はずっと感じるとか。

そういう場合でも1ヵ月ずっと続くようであれば、危険なサインかもしれません。

危険なサインというのはどういうことかというともしかしたらそれは

メンタル面での問題をはらんでいる可能性があるかもしれないということです。

そのまま放置していたらうつ病や適応障害など、メンタル不調を引き起こす場合もありますので注意が必要です。

考えられる心の病気とは?

ではもしメンタル面での問題であればどういう問題があるのか?

「仕事行きたくない」「仕事したくない」気持ちがずっと続くようであれば

こころの病気の可能性もあります。

「もしかしてうつ病?」と思うかもしれません。

この場合、どのような心の病気が可能性としてあるのでしょうか。

結論から言うと、うつ病か適応障害の可能性があると思います。

で、もし仕事以外でも何に対してもやる気が起きない場合や気分の落ち込みもある場合は

うつ病の可能性がありますし

仕事以外のことは特に問題なく過ごせる、

仕事以外であれば気持ちの落ち込みなども生じない場合は適応障害と考えられます。

もっと言うと適応障害の場合は、仕事の中で何かしら強いストレスを感じている可能性が高いので、

「仕事に行きたくない」「仕事したくない」気持ちを放置しておくとどんどんストレスも溜まり、

「仕事に行きたくない」「仕事したくない」気持ちだけでなく、

気持ちの落ち込みなどメンタル不調を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。

仕事に行きたくない理由を探せ

仕事に行きたくない理由というのは人それぞれなので一概には言えませんが、

先程お話した適応障害の場合は仕事で強いストレスを感じているので環境を調整する必要があると思います。

   

例えば、Aさん25歳女性の例ですが、

この方は4月から異動で慣れない仕事をずっとやっていたけれど、

半年経ってもなかなか慣れず、そもそも自分に向いていないと感じていました。

そんな時にだんだんと「仕事行きたくない」気持ちが強くなり、次第に遅刻や欠勤を繰り返し、心療内科を受診したら適応障害と診断されました。

こういうケースですが、この場合ですと、仕事内容そのものが本人にとって強いストレスになるわけですよね。

なので上司と相談しながら業務量の調整や業務内容の調整も会社側と相談しながらしていく必要があるわけです。

  

うつ病の場合は、ストレスももちろん影響しているのですが複合的にストレスを感じてある日を境に発症をするというケースが多いため

仕事だけでなく例えば、プライベートとか、その人自身の性格とか様々な要因があって生じるものと言われています。

不安な時は迷わず相談を

今現在、心療内科やカウンセリングなど受けてなくて、誰にも相談できないけれど

ずっと「仕事に行きたくない」「仕事したくない」気持ちが続いているようであれば

是非一度カウンセリングでも良いので相談してみてください。

うつ病や適応障害は放置していれば治るものではなく、適切な治療をしないと時に重度のうつ病になることもあります。

カウンセリングや心療内科に抵抗がある場合は、まずは誰か話せる人に迷わず気軽に相談してみてくださいね。

まずは「相談」することがとても大事。人に話す。

例えがうまく伝わるかわからないけれど、話すと言うのはインターネットみたいなもの。

思っていても自分の中で押し込んでいれば、何も情報が入って来ない。

でも話せば、他人からの情報が入ってくる。インターネットもそうですよね。

自分で調べたいワード、例えば「うつ病とは」と検索すれば

何万件と検索でヒットするわけで知りたい情報が得られるわけです。それと同じです。

是非話すことで世界が開けることもあるので相談してみてくださいね。

東京(渋谷・新宿)のカウンセリングならHeart Life こころの悩み相談所へ

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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