オンラインカウンセリングは、気軽に相談できる方法として、多くの方に利用されています。
場所を選ばず利用できる利便性が魅力ですが、いくつか注意が必要です。
この記事では、オンラインカウンセリングの7つの注意点を解説します。
メリット・デメリットや、活用するためのポイントもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
オンラインカウンセリングの7つの注意点
オンラインカウンセリングを受ける際の7つの注意点を解説します。
- 通信環境を整える必要がある
- カウンセラーの所有資格を確認する
- 利用できる支払い方法が限られている
- 時間に遅れないように準備しておく
- 表情や身振り手振りから気持ちを汲み取れない
- 症状によっては対面をおすすめする場合もある
- 録音・録画を希望する場合は事前に許可が必要
カウンセリングを検討中の方は、事前に確認しておきましょう。
1.通信環境を整える必要がある
オンラインカウンセリングは、スマホやパソコンを使用して相談を行うため、インターネット環境が欠かせません。
とくにビデオカウンセリングは使い慣れていない方も多く、事前に接続がうまくいくか確認しておくと安心です。
つながらない場合に備えて、対処法や代わりのカウンセリング方法をあらかじめ決めておくと、スムーズに対応できます。
2.カウンセラーの所有資格を確認する
心理カウンセラーは資格がなくても名乗れる職業です。カウンセラーの質を見極め、信頼性のあるカウンセリングを受けるためには、所有資格を確認する必要があります。
国家資格である「公認心理師」や、信頼性の高い心理職の民間資格である「臨床心理士」を持つカウンセラーを選ぶと、豊富な知識と丁寧な対応に期待できます。
また、本音や悩みを打ち明けられる、相性のよいカウンセラーを選ぶことも大切です。別の方に担当してもらいたい場合でも、オンラインなら簡単にカウンセラーを指名できることを覚えておきましょう。
3.利用できる支払い方法が限られている
オンラインカウンセリングではクレジットカードや銀行振り込みなど、支払い方法が限られているケースが多いです。
クレジットカード以外は利用できない場合もあり、他の支払い方法を希望する場合は対面、もしくは他のクリニックを選ぶ必要があります。
また、カウンセリングのタイミングではなく、予約時に料金を支払うケースが一般的です。事前に支払い方法やキャンセルポリシーを確認しておきましょう。
4.時間に遅れないように準備しておく
オンラインカウンセリングは自宅で受ける方が多いですが、予約の時間を忘れてしまう人もいます。
キャンセル扱いになってしまう場合もあるので、時間に遅れないよう注意が必要です。
予約を済ませたらスケジュールに記入し、リマインダー機能などを活用して時間を管理しましょう。
5.表情や身振り手振りから気持ちを汲み取れない
電話やチャットといった相手の顔を見れないカウンセリングでは、うまく気持ちが伝わらない場合があります。
気軽に相談しやすいのはメリットですが、表情が見えないため、気持ちを汲み取るのが難しい場合があることを理解しておきましょう。
今の気持ちやお悩み、相談したいことを言葉にすれば伝わるので、「うまく話さないと」と心配する必要はありません。必要なことを素直に伝えるだけでも、カウンセラーはしっかり受け止めてくれます。
6.症状によっては対面をおすすめする場合もある
オンラインカウンセリングは、緊急性を要する相談や治療が必要な症状の方にはおすすめできません。
対面であればその場で対応できますが、オンラインではカウンセラーの介入が難しいです。
相談内容によっては、対面でのカウンセリングをすすめる場合があることを理解しておきましょう。
また、対面で通うべきか迷っている方は、一度オンラインで相談してみるのも方法です。
7.録音・録画を希望する場合は事前に許可が必要
許可を取らずに録音・録画をすると、規約違反になる場合があります。
カウンセリングの録音や録画については、クリニックによって対応が異なります。原則禁止とする場合もあるため、事前に規約を確認しておきましょう。
また、カウンセラーのアドバイスなどを記録できるよう、メモを準備しておくことをおすすめします。
オンラインカウンセリングを受ける方法と4つの種類
オンラインカウンセリングを受ける方法と4つの種類は、以下のとおりです。
- ビデオカウンセリング
- 電話カウンセリング
- メールカウンセリング
- チャットカウンセリング
種類ごとの特徴を確認し、自分に合ったカウンセリングの方法を選びましょう。
ビデオカウンセリング
ビデオカウンセリングとは、ビデオ通話を用いて相手の顔を見ながらおこなうカウンセリングのことです。
カウンセラーの顔が見れるので、対面のカウンセリングと近い感覚で相談できます。
ビデオカウンセリングでは、おもに以下のツールを使用して会話をします。
- Zoom
- GoogleMeet
- Skype
メールで送られてくるリンクからアクセスするだけなので、簡単に利用できます。
電話カウンセリング
電話カウンセリングでは、顔を見られることなく相談できるので、顔出しに抵抗のある方におすすめです。
対面やビデオ通話に抵抗がある方も、電話を通じて気軽に相談できます。
通話料がかからないといった利点から、Zoomなどの音声通話を利用するクリニックも多いです。
メールカウンセリング
メールカウンセリングは、じっくり相談したい方におすすめです。悩みや話したいこと、相談したいことを、時間をかけて文章にまとめられます。
「対面や電話では焦ってしまう」という方も、メールなら自分のペースでゆっくり伝えられます。
返信までに時間がかかる点がデメリットですが、時間をかけられる、何度でも読み返せるといったメリットも多いです。
チャットカウンセリング
チャットカウンセリングは、LINEなどを使用してリアルタイムでおこなうカウンセリングの方法です。
普段使い慣れているアプリを使用するため、気軽に相談しやすいメリットがあります。
また、家族がいて電話をしづらい場合でも、チャットならいつでも相談できます。
オンラインカウンセリングのメリット・デメリット
オンラインカウンセリングのメリット・デメリットをまとめて紹介します。
詳細をくわしく見ていきましょう。
メリットは気軽に相談できる環境
オンラインカウンセリングのメリットは、おもに以下のとおりです。
- 気軽に相談できる環境
- 自宅でリラックスした状態で相談できる
- 時間や場所に縛られない
- 対面が苦手な人も相談しやすい
- 費用が安い場合がある
時間や場所に縛られず、自分のタイミングで相談できるのが特徴であり大きなメリットです。自宅から相談できるので、対面よりもハードルが低いと感じる方は多いでしょう。
またオンラインカウンセリングは、カウンセリングルームを設ける必要がないため、料金が安くなるケースがあります。交通費といった費用もかからず、精神的にも経済的にも負担を軽減できるのがメリットです。
デメリットはネット環境の不具合の可能性
オンラインカウンセリングのデメリットは、おもに以下のとおりです。
- ネット環境の不具合が生じる可能性がある
- 事前に登録や決済を済ませる必要がある
- 症状によっては対面をおすすめする場合も
- 人によっては話しづらいと感じる
スマホやパソコンを使用してカウンセリングをおこなうため、ネット環境の準備が欠かせません。環境によっては話が聞こえづらくなったり、電話が途中で切れてしまったりする場合もあります。
また、対面のように表情や仕草から気持ちを読み取れないため、自分の気持ちを言葉にして伝える必要があります。話したいことや悩んでいることをメモしておき、カウンセリングをスムーズに進められるように準備しておきましょう。
オンラインカウンセリングをうまく活用するための注意点とポイント
オンラインカウンセリングをうまく活用するための注意点とポイントは、以下の4つとおりです。
- 事前に相談内容をまとめておく
- 継続しやすい料金を把握しておく
- うまく話そうとせずに自然体で相談する
- 複数のカウンセラーを試してみる
一つずつ詳細を見ていきましょう。
事前に相談内容をまとめておく
オンラインカウンセリングがはじまると、緊張や焦りから、「何を話せばよいのかわからない」と感じることがあります。
事前に相談したい内容をまとめておくと、スムーズに進められるでしょう。
まずは箇条書きで書き出し、優先順位を付けておくと限られた時間を有効に使えます。
悩んでいることや不安に感じていることをそのまま伝えれば、カウンセラーが受け止めてくれます。完璧に話す必要はないので、素直な気持ちを伝えましょう。
継続しやすい料金を把握しておく
カウンセリングは繰り返しおこなうことで効果を発揮するため、継続的に利用する必要があります。
無理のない範囲で利用できるように、事前に予算を決めておきましょう。
なお、オンラインカウンセリングの料金相場は、1回6,000円〜10,000円程度です。
カウンセリングの頻度は1〜2週間に1回程度、症状が落ち着いてきたら3〜6ヶ月に1回のペースで継続的に利用する方が多いです。
うまく話そうとせずに自然体で相談する
うまく話そうとすると緊張してしまい、カウンセリングを受けたい気持ちがあっても、抵抗感を抱いてしまうことがあります。
カウンセリングに苦手意識を持つ方は多く、「うまく話せなかったらどうしよう」と相談をためらう方も少なくありません。
カウンセラーは、相談者の言葉を受け止め、話の内容を整理することに長けた人たちです。言葉にするだけでも気持ちが楽になるので、うまく話そうとせず、自然体のままで相談してみましょう。
複数のカウンセラーを試してみる
同じ資格を所有するカウンセラーでも、話しやすいと感じる人、話しにくいと感じる人はどうしてもいます。
お悩みや性格が一人ひとり異なるように、カウンセラーにもそれぞれ特徴や得意な相談内容が存在します。
担当のカウンセラーは変更してもらえるので、相性が悪いと思ったら別の方に代わってもらいましょう。複数のカウンセラーに相談することで、本音で相談できる、相性の良いカウンセラーが見つかります。
オンライン予約の際にカウンセラーを指定できるので、担当の変更も簡単におこなうことが可能です。
まとめ
気軽に相談できるオンラインカウンセリングですが、注意点があることも考慮して、うまく活用することが大切です。
注意点やデメリットがある一方で、「時間や場所に縛られない」「気軽に相談できる」といった多くのメリットも存在します。
うまく話せなくてもカウンセラーが気持ちの整理をしてくれるので、気軽に相談してみてください。
オンラインカウンセリングを活用するポイントも参考に、上手に利用しましょう。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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