カウンセリングを受ける頻度の決め方と受ける際に気を付けたいこと

「カウンセリングをどれくらいの頻度で受ければよいかわからない」
「効果的な頻度があれば教えてほしい」などと考えていませんか。目安がわかりにくいため、困っている方は多いでしょう。

結論から述べると、適切な頻度を示すことはできません。人により状況などは異なるためです。

ここでは、カウンセリングを受ける頻度の一般的な決め方やカウンセリングを受けるときに気を付けたいポイントなどを解説しています。受ける頻度が気になる方は参考にしてください。

カウンセリングを受ける頻度はどのくらい?

カウンセリングを受ける適切な頻度はケースで異なります。基本的には、カウンセラーと相談しつつ決定します。頻度が高いほどよいとはいいきれません。困りごとの内容はもちろん、経済的な負担や社会生活との兼ね合いなどを踏まえて決定することが一般的です。最初は頻度を高くして、徐々に減らしていくケースが多いでしょう。

カウンセリングの期間もケースで大きく異なります。数カ月で終結することもあれば年単位でかかることもあります。一般的には、治療モデル(問題になっている行動などの除去を目指すモデル)は終結まで時間がかかりにくい、教育モデル(自立や成長を目指すモデル)は終結まで時間がかかりやすいといわれています。期間が気になる場合も、カウンセラーに相談するとよいでしょう。

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カウンセリングを受けるメリット

カウンセリングを受けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。期待できる主なメリットは以下の通りです。

悩みの原因に気づける

クライアントは、自分を取り巻く状況や自分が抱えている感情などをカウンセリングで話します。カウンセラーは、耳を傾けてこれらを聴きます。カウンセラーのサポートを受けながら現在の状況や感情を話すことで、クライアントは自分を客観視できるようになります。

つまり、現在の状況・感情に至った考え方や行動の癖などに気づくことができるのです。あるいは、自分では気づいていなかった長所を発見できることもあるでしょう。例えば、自分はだらしがないと思っていたが、客観的にみると十分頑張っていたことに気づいて、自信を取り戻すなどが考えられます。

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話を聞いてもらうことですっきりする

カウンセリングは、対話を通してクライアントの主体的な問題解決をサポートする取り組みです。カウンセラーは、クライアントの話に耳を傾けて理解しようと努めます。

したがって、カウンセリングを受けると「辛い状況を理解してもらえた」「ありのままの自分をさらけだせてすっきりした」と感じられます。

これらの経験は、カウンセラーに対する信頼につながるでしょう。信頼するカウンセラーから支援を受けることで、問題解決へのモチベーションは高まります。話をしてすっきりできる点、問題解決へのモチベーションが高まる点もカウンセリングを受けるメリットです。

悩みの再発防止につながる

クライアントの問題には、考え方の偏りや行動の癖が関わっていることが少なくありません。これらにアプローチする際に、カウンセラーからサポートを受けられます。

具体的には、問題とどう向き合えばよいか、ストレスにどう対処すればよいか、よりよく生きるにはどうすればよいかなどをカウンセラーと一緒に学びます。問題に深く関わっている考え方や行動を認識して修正できるため、悩みの再発を防ぎやすくなります。

抱えている問題解決へのきっかけをつかめる

カウンセラーは専門的な知識・技術を活用して、クライアントの主体的な問題解決を支援します。自分では解決できないと思える問題でも、カウンセラーと歩みを進めることで解決できるケースは少なくありません。問題解決のきっかけをつかめる可能性がある点も、カウンセリングを受けるメリットといえるでしょう。

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カウンセリングの頻度で気を付けたいこと

ここからは、カウンセリングの頻度で悩む方が気をつけたいポイントを解説します。

カウンセラーはサポーターであると認識する

厚生労働省は、カウンセリングを次のように定義しています。

心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすること

引用:e-ヘルスネット「カウンセリング / 心理療法(かうんせりんぐ / しんりりょうほう)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-088.html

問題解決の主体は、カウンセラーではなくクライアントです。カウンセラーは、話を傾聴したり受容したりしながらクライアントの主体的な問題解決をサポートします。カウンセラーは、何かしらの問題で一時的に歩みを進めることが難しくなったクライアントを支える杖のようなものです。クライアントに代わって問題を解決してくれる存在ではないことを理解しておく必要があります。

「段階的な自立」を心がける

カウンセリングでは、クライアントが主体的に問題を解決します。状態にあわせて、自立または自律を心がけることも大切です。例えば、回復にあわせてカウンセリングの頻度を減らしていくなどが考えられます。ただし、自立・自律のタイミングは慎重に見極めなければなりません。カウンセラーなどと相談しつつ計画的に進めていきましょう。

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カウンセリングを受ける頻度の例

カウンセリングを受ける頻度の例として、週1回ペース、2週に1回ペース、月1回ペースなどが考えられます。状況によっては週1回以上のペースで受けるほうがよいこともあるでしょう。

ただし、頻度と効果が必ずしも比例するわけではありません。頻度が高すぎると、クライアントが主体的に問題解決に取り組む時間を確保できないことも考えられます。

解決したい問題に焦点を当てて、カウンセラーとともに適切な頻度を決定することが大切です。

カウンセリングを受けるとよい方の特徴

カウンセリングは、どのようなケースで必要と考えられるのでしょうか。カウンセリングが必要と判断されるケースとして以下の4つがあげられます。[1]

【カウンセリングが必要なケース】

  • クライアントが自分で考えて自分で話をできる
  • 問題の背景に心理・社会的な問題が存在している
  • 経済的にカウンセリングを受けられる
  • クライアント自身がカウンセリングの必要性を理解している

カウンセリングは対話を活用する取り組みです。したがって、クライアント自身が自分で考えて自分で話をできる必要があります。

クライアントの問題には、考え方や行動の癖が関わっていることが少なくありません。薬物療法などで問題が一時的に解決しても、これらが関わっていると再発のリスクが高くなります。背景に心理・社会的な問題が存在している場合も、カウンセリングが有効と考えられます。例えば、ちょっとしたことが気になって仕方がない、抱えている問題に対処できないと感じる、困難に向き合う自信をもてないなどに当てはまる場合は、カウンセリングが必要かもしれません。

経済的にカウンセリングを受けられること、カウンセリングの必要性を理解していることも重要です。これらが欠けていると、継続が難しくなるうえ効果を実感しにくくなってしまします。

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効果が期待できるカウンセリングの受け方

カウンセリングを受ける相談機関は慎重に選ばなければなりません。カウンセラーの力量はさまざまです。基本的には、臨床心理士・公認心理士が在籍している相談機関を選択するとよいでしょう。

カウンセリングを初めて受ける方は、上手く話さなければならない、自分をよく見せなければならないと考えがちです。カウンセラーの前でこれらを意識する必要はありません。ありのままの自分を素直に表現するとよいでしょう。カウンセラーは、クライアントの話を傾聴して受け入れてくれるはずです。

適切な頻度・期間を意識することも大切です。効果を実感できる頻度・期間はケースで異なります。カウンセラーと相談しつつ、自分に合っている頻度・期間を焦らずに見つけましょう。

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頻度がわからないときはカウンセラーに相談

この記事では、カウンセリングの頻度について解説しました。適切な頻度は、カウンセリングの目的や相談したい内容などで異なります。頻度が高ければ効果がでやすいわけではありません。

カウンセラーと相談しつつ、自分に合っている頻度を見つけることが大切です。

終結までの期間もケースで異なります。焦りすぎると効果を実感する前にモチベーションが低下してしまうかもしれません。不安を感じる方は、目安の期間を確認してからカウンセリングを受けましょう。

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[1]厚生労働省 こころの耳「専門家が事例と共に回答~職場のメンタルヘルス対策Q&A~ Q5:カウンセリング効果の実際は?」