カウンセリングの受け方と受けるときに意識したいポイント

「カウンセリングを受けたいけど受け方がわからない」
「受け方のコツがあれば教えて欲しい」などと考えていませんか。詳細がわからず悩んでいる方は多いでしょう。

カウンセリングは、話し合いを通してクライアントの主体的な問題解決をサポートする取り組みです。ありのままの自分を表現することが大切になります。

ここでは、カウンセリングを受けられる場所、かかる費用の目安などを紹介するとともに、カウンセリングの流れや受け方のポイントなどを解説しています。カウンセリングを受けたいと考えている方は参考にしてください。

カウンセリングの基礎知識

最近では、カウンセリングという言葉がさまざまな場面で用いられるようになっています。用いる人や用いられる場面で意味が異なることがあるため注意が必要です。最初にカウンセリングの概要を解説します。

関連記事:カウンセリングが怖い・嫌いと感じる理由とその対処法

セラピーとの違い

厚生労働省はカウンセリングを以下のように定義しています。

カウンセリングは、主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすることを指します。

出典:厚生労働省「カウンセリング / 心理療法(かうんせりんぐ / しんりりょうほう)」

クライアントの主体的な問題解決、自己受容、自己変容などを、心理の専門家が対話を通してサポートする取り組みといえるでしょう。

これに対してセラピーは、療法や治療などを意味します。特に、お薬や手術などによらない心理療法・物理療法をセラピーといいます。

関連記事:カウンセリングが必要な人はどのような人か?臨床心理士が詳しく解説!

種類

カウンセリング(ここでは心理療法と区別せずに用いています)にはさまざまな種類(技法)があります。代表的なものとして認知行動療法、家族療法、クライエント中心療法などがあげられます。参考に、一般社団法人日本臨床心理士会による家族療法の定義を紹介します。は次の通りです。

ご本人とともに、そのような家族の方たちの相談にものりながら、家族ぐるみで、適切な対処法を工夫することによって、症状や問題行動の解決を図ろうという方法

引用:一般社団法人日本臨床心理士会「臨床心理士の面接療法」

また、カウンセリングは受け方により対面方式・オンライン方式・電話方式・チャット方式などにわけることもできます。それぞれの概要は以下の通りです。

種類概要
対面方式カウンセラーとクライアントが顔を合わせて行う方式。
オンライン方式インターネットを介して遠隔で行う方式。
電話方式電話で対話をする方式。
チャット方式チャットで対話をする方式。

各方式にはメリットとデメリットがあります。

行う場所

カウンセリングは、一部の医療機関(精神科・心療内科など)で受けられます。すべての医療機関(精神科・心療内科)で受けられるわけではない点に注意が必要です。一部の大学(心理学部など)が設置している相談室でも受けられます。この場合の主なカウンセラーは、大学院に通っている学生、大学に勤務するカウンセラー、大学の教員のいずれかです。

地域のカウンセリングルームなども利用できます。具体的な名称はさまざまで、専門分野もカウンセリングルームで異なります。詳細を確かめてから利用することが重要です。保健所をはじめとする自治体の相談機関でもカウンセリングを受けられることがあります。内容は自治体で異なるため、こちらも利用前の確認が欠かせません。以上のほかでは、勤務している会社や通学している学校の相談窓口で受けられることもあります。

費用相場

カウンセリングにかかる費用はケースで大きく異なります。地域のカウンセリングルームなどの相場は1回あたり6,000~12,000円程度(60分程度)です。

医療機関で受けるカウンセリングは保険を適用できる場合もありますが、基本的には全額自己負担(自由診療)になると考えておくほうがよいでしょう。全額自己負担になった場合の相場は地域のカウンセリングルームと大きく変わりません。

保険が適用された場合の費用は自己負担割合(1~3割負担)で異なります。

大学が設置している相談機関の費用は割安に抑えられていることが一般的です。1回あたり3,000~4,000円程度で受けられることもあります。

自治体が開設している相談窓口は基本的に無料で利用できます。

関連記事:カウンセリングを受けるときのポイント・効果・料金について詳しく解説

心理カウンセリングの流れ

カウンセリングを受けるにあたり気になるのが全体の流れです。ここからは、カウンセリングの基本的な流れを紹介します。

カウンセラーやカウンセリングルームを検索する

カウンセリングを受けるカウンセラー、カウンセリングルームなどを探します。さまざまな方法で探せますが、インターネット検索が手軽で便利かもしれません。

例えば、検索エンジンで「地域名+カウンセリングルーム」を検索すると、エリア内にある複数の候補が表示されるでしょう。これらの中から絞り込みを行えば、カウンセリングルームを見つけられます。

ただし、どこでもよいわけではありません。絞り込み方は、この後の「カウンセリングサービスを選ぶときの5つのポイント」を参考にしてください。

カウンセリングを予約する

利用したいカウンセリングルームが見つかったら予約します。現在のところ、多くのカウンセリングルームなどが予約制を採用しているためです。

予約方法はさまざまですが、電話またはオンラインフォームから行えるケースが多いでしょう。希望日時と空き状況を照らし合わせて、初回カウンセリングの日時を決定します。

オンラインフォームの場合、予約にあたり氏名・電話番号・メールアドレスなどの情報を求められることが一般的です。

初回カウンセリングを受ける

予約した日時にカウンセリングルームを訪れます。初回カウンセリング(インテーク面接)では、現在の環境や成育歴、家族関係などを話し合うことが一般的です。これらをもとに、カウンセラーができることやカウンセリングの進め方などの提案を受けます。初回カウンセリングの結果、別の相談機関や医療機関を紹介されたりすることもあります。

継続カウンセリングを受ける

必要に応じて初回カウンセリング後も、現在の悩みなどについて話し合ったり心理検査を行ったりします。クライアントに適したカウンセリング方法や改善策などを検討するためです(アセスメント面接)。

初回カウンセリング・アセスメント面接後は、これらの結果を踏まえてカウンセラーとともに問題の改善に向けて取り組みを進めます(継続カウンセリング)。終結までの期間はケースでさまざまです。

終結のタイミングは、カウンセラーと相談して決めることが多いでしょう。カウンセリング終結後も、困ったことがあればいつでもカウンセリングを再開できます。

カウンセリングサービスを選ぶときの5つのポイント

カウンセリングサービスを選ぶときに意識したいポイントを解説します。

自分の悩みを親身に聞いてくれるカウンセラーがいる

カウンセラーは、基本的に専門的な教育を受けています。したがって、性別や年齢を問わずさまざまな課題を相談できます。ただし、相性が全くないわけではありません。このカウンセラーであれば何でも話せそうと思うこともあれば、なんとなく話しにくいと感じることもあるでしょう。初回カウンセリング時に、カウンセラーとの相性を確かめてみるとよいかもしれません。ただし、カウンセリングを重ねて信頼関係を築くことにより印象が変わることもあります。直感だけに頼りすぎないことも大切です。

自分に合っているカウンセリング方法がある

人によりコミュニケーションを取りやすい方法は異なります。顔を合わせたほうが話しやすい方もいれば顔を合わせないほうが話しやすい方もいます。

自分に合っているコミュニケーション方法を選ぶことも大切です。対面方式は顔を合わせて話をしたい方、オンライン方式は時間を取りにくい方、電話方式・チャット方式は顔を合わせると話しにくい方に向いています。

関連記事:カウンセリングが合わないと感じる原因とは?おすすめの対処法についても解説

カウンセラーが心理資格を有している

心理カウンセリングは、基本的に科学的根拠に基づく取り組みです。勘や経験だけを頼りに行えるものではありません。カウンセラーが専門的な知識・技能を身に着けていることも重要です。一定の知識・技能を身に着けている証明になるのが資格です。信頼性の高い資格として臨床心理士と公認心理士があげられます。カウンセリングルームを選ぶときは、これらの有資格者が在籍しているところを選びましょう。

サポート体制が充実している

サポート体制が充実しているカウンセリングルームは継続しやすいといえます。何かしらのトラブルが起きたときに相談しやすいからです。例えば、サポート窓口が開設されていれば、日時変更などをスムーズに行いやすくなります。サポート体制も確認しておきたいポイントです。

負担にならない料金・場所である

カウンセリングは、基本的に1回で終結しません。最低でも数カ月程度かかることが一般的です。したがって、負担にならない料金、通いやすい場所であることも重要といえるでしょう。これらを満たしていないと、途中で通えなくなる恐れがあります。経済的・精神的・体力的にきついときでも、通いやすいことを確かめておきましょう。

関連記事:心理カウンセリングの料金が高い理由とは?

カウンセリングの効果的な受け方

カウンセリングを受けるときに意識したいポイントを解説します。

カウンセリングの目的を明確にする

相談をスムーズに行うため、カウンセリングの目的を明らかにします。例えば、○○についての不安を解消したい、○○について自信をもてるようになりたいなどが考えられるでしょう。ただし、目的が絶対に必要というわけではありません。話し合いの中で、目的を見つけることもできます。

自分を客観視する

カウンセリングを受けるときは、自分を客観的な視点から眺めるとよいかもしれません。視点を変えることで、気づいていなかった考え方の偏りや行動の癖などに気づけることがあるからです。自己変容のきっかけになる可能性があります。

上手く話さなくて大丈夫という意識を持つ

カウンセリングでは、上手く説明しなければならない、自分をよく見せなければならないなどと考えてしまいがちです。気持ちは理解できますが、上手く話したりよく見せたりする必要はありません。ありのままの自分を落ち着いて表現することが大切です。カウンセラーはそのサポートを行ってくれます。

無理のないペースで受ける

カウンセリングの効果を実感できるタイミングは人により異なります。焦らずに自分のペースで受けることも大切です。焦ってしまう場合や自分のペースがわからない場合は、このことをカウンセラーに相談するとよいでしょう。

関連記事:カウンセリングを受ける頻度の決め方と受ける際に気を付けたいこと

カウンセリングを受けてみませんか?

ここでは、カウンセリングの受け方について解説しました。カウンセリングは、話し合いを通じてクライアントが主体的に問題を解決できるようにサポートする取り組みです。カウンセリングルームや一部の医療機関・大学などで受けられます。

いずれを選ぶにせよ、臨床心理士・公認心理士が在籍しているところを選ぶことが大切です。実際のカウンセリングでは、ありのままの自分を表現すること、無理のないペースで通うことなどを意識するとよいでしょう。何かしらの課題を抱えている方は、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

東京(渋谷)のカウンセリングならHeart Life こころの悩み相談所へ

コメントする