カウンセリングではいったい何をするのか?疑問に思われる方も多いかもしれません。確かに、初めてカウンセリングを受けるとき、「どんなことをするのか?」不安になることも無理はありません。そこで今回はカウンセリングではいったい何をするのか?について架空事例を基に具体的に解説していきたいと思います。
☟YouTubeにもカウンセリング解説動画があります。こちらも併せてご覧ください。☟
カウンセリングってなに?
カウンセリングと聞くと皆さん、どんなイメージありますか?「話をするところ」とか「ちょっとよくわからない」とか場合によっては「カウンセラーからアドバイスをもらえるもの」だとか色々とイメージはあるかと思います。
人によっては「カウンセリングって何か怪しい?」とか「カウンセリングって料金高すぎる」とか「ただ話をするだけ?」とか思う人もいたりします。
色々とカウンセリングについての誤解ってのは様々あるなぁと思います。
結論から言うとカウンセリングって何をするかというとカウンセラーと話をしながら相談者がよりよく生きやすくする方法を一緒に考えていくことなのです。カウンセリングを受けようと考えている人は多くの悩みを抱えています。
例えば、「会社の人間関係の悩み」とか「恋愛の悩み」とか「夫婦関係の悩み」とか「人生の悩み」とか「学校の悩み」とか様々ですけれど。そういう悩みをカウンセラーに話をする場です。
え、じゃあカウンセリングってただ話をするだけなの?と思うかもしれません。
カウンセリングで大事なことは「気づき」
カウンセリングで大事なことは「気付き」です。この「気付き」に尽きると思います。悩みの多くは自分自身が気付いていないことが大きく影響していてその影響で苦しみを増幅していることってあるんですよね。どういうことか?架空の事例を元にお話していきましょう。
いつもイライラする会社員Aさん
例えば、40歳男性会社員Aさんはいつもイライラがとまらず怒りのコントロールをしたいと思ってカウンセリングに来られました。
どういうときにイライラするかと言うと妻と話をしている時とか仕事の部下と話している時とかだったわけなんですけれどカウンセリングの中で話をしていくうちにAさんは「自分の思い通りにならない時にイライラが頂点になる」ということに気付きました。
つまり人に過剰に期待していたんですよね。
それにカウンセリングの中で気づき、人にあまり期待しないようにすることを心掛けるようになり結果的に、だんだんと人にイライラすることがなくなりました。
このようにカウンセリングで話しながら相談者が自分に「気付いていく」こと、これがカウンセリングですることなんですよね。
もちろん、カウンセラーがアドバイスすることもあったりもしますし、カウンセラーの学派といって考え方によってはアドバイスをするようなカウンセラーもいますが、カウンセリングの基本は「傾聴」といい、相談者の話しを聞くことなんです。
だからどんなカウンセリングでも傾聴はされるわけですね。
カウンセリングの基本姿勢や考え方は基本は「傾聴」をすることです。
傾聴することで相談者の「気付き」が生まれ、相談者自身の力で回復に至るという考えなんですね。
なんで傾聴されることで気づきが生まれ回復に向かうかと言うと自然治癒力があると考えるからなんですよ。例えば、指や手に切り傷とか怪我しても時間が経てばだんだん回復していきますよね。
心の問題も同じように自然治癒力があると考えるわけなんですね。
でも心に余裕がないとその自然治癒力が引き出せない。
だからカウンセラーに傾聴してもらうことによってその自然治癒力を引き出していくわけです。これは来談者中心療法といって、カールロジャーズという心理学者の理論ですがこれは今のカウンセリングの基本姿勢のベースとなっているものです。
人生に行き詰ったBさんの事例
もうひとつ別の架空事例をご紹介しましょう。40歳男性会社員の方で新卒から就職した都内の大手企業に18年近く勤めています。ただ最近、仕事に集中が出来ずだんたんと仕事に対するモチベーションが下がってきました。
さすがにきついと思い、カウンセリングを訪れました。仕事は休職して復職しました。
カウンセリングセッションを重ねて話をしていくうちに実はBさんはずっとくすぶっていた気持ちがあったことに気付きました。
Bさんの中ではずっと実家の田舎暮らしでゆっくり過ごしたいという気持ちだったんですよね。
それに気づき、1年がかりで会社を辞めて今は田舎に移住し、楽しく過ごせています。
例えば、こういう事例ですけれどもカウンセリングの中で最初に話し合われたことは仕事のことだったんだけれどだんだんとBさんの中で「今の生き方ではない生き方がしたい」という気付きが生まれたんですよね。
ここでもやはり「気付き」の力によって最終的に本人がより良く生きやすい選択ができたということなんです。
この気づきがなければ、いまでもBさんは辛いと感じている仕事をずっとし続けていたのかもしれない。それはBさんにとってはより良い生き方ではなかったのではないかと思います。
ちなみにAさんもBさんも1年や2年程度カウンセリングセッションを受けて気づきを得ていきました。
カウンセリングは人によるし、悩みの程度にもよりますが人によっては半年とか短いスパンで終わることもありますが、だいだい1年前後受けることが多いかなと思います。
カウンセリングは長期スパンで自分自身と向き合い自己理解を深めるものなんですね。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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