この記事では、うつ病と診断されて現在、休職しているけれども、休んでいることに対して「罪悪感」を感じることは少なくありません。
そんなときどうやってその罪悪感を手放していけばいいのかについて解説していきたいと思います。
休職中の罪悪感の手放し方とは?
結論から言うと大きく4つあると思います。
・休まなかったらどうなるかを考える
・他のことをして気を紛らわす
・期間を設ける
・やるべきことだと思う
ひとつずつ詳しくお話していこうと思います。
手放し方①休まなかったらどうなるかを考える
うつ病と診断されているということは正直言うとかなりキツい状態なんですよね。
診断されるということは、精神的に限界がきているよということです。
それでもうつ病やうつ病になりやすい人って真面目過ぎるので、ついつい頑張り過ぎてしまう。
でも少し立ち止まって考えてほしいんですけれど仮にうつ病と診断されたとしてそれでも休まずに働き続けたとしたらどうなるだろうと。状態が良くなることはないですよね。
だってうつ病と診断されているということは、その人の性格的要因もありますけれど環境の要因も大きいわけです。
環境調整をしていくこともせずに、今までの生活と同じように過ごしているのであればうつ病は良くなりませんし、むしろ状態は悪くなる一方となるわけです。
うつ病やうつ病になりやすい人が休めない理由ってひとつには休むことによって「誰かに迷惑をかけたくない」という気持ちが強いんですね。
だから少し無理したとしても周りに迷惑をかけないのであればそっちの方が良いと考える傾向にあります。
だけれど無理して過ごすことによってどうなるかというと状態が悪くなって場合によっては仕事に支障が出たり、仕事ができなくなったりするわけですよね。そうなる方が休まずに仕事を続けるよりも非常に周りの人に迷惑をかけることになるわけです。
確かに今すぐ休むことになれば少なからず迷惑をかけてしまうことになるでしょう。
でも休養をとらないことで今以上に人に迷惑をかけてしまうことになるわけです。
ですから、今ここで休むことによって生じる迷惑と休まずに働き続けて自分が故障して生じる迷惑とこのふたつを天秤にかけてみてください。
おそらく後者の方が非常に迷惑をかけてしまうでしょう。そっちの方が良くないですよね。そう思うことができれば少しは罪悪感を減らすことができるのではないかと個人的には思います。
手放し方②他のことをやって気を紛らわす
ふたつめとしては他のことをやって気を紛らわすということです。
どういうことかと言いますと調子が良いとき限定になっちゃうと思いますが
少し調子がいいなと思った時に読書してみたり、散歩してみたり他のことをやってみるということですね。
うつ病は最初は何もせず朝昼夜食事をして寝て、を繰り返すことになるわけですよね。
要するに何もしないわけなんですけれど何もしていないことというのはうつ病の人からすれば非常に罪悪感を感じるんですよね。
どうしても「生産的なことをしないといけない」と思いがちなので何もしていない自分は極端な話「罪人」くらいな気持ちになってしまいがちです。
だからといって、何かに打ち込んだり、仕事したりもそうですけれどそんな活動したら調子も悪くなる。とにかく辛い状況なんですよね。
だからできることを少しずつでいいのでやっていくことをお勧めします。
散歩も10分とか15分程度でいいので歩いてみるとか
読書も20分でいいからしてみるとか漫画とかでもいいので、何かをやって気を紛らわしていくことも非常に重要なのかなと個人的には思います。
手放し方③期間を設ける
うつ病と診断されて休養をすると一体いつまで休んでいればいいのか?と考える人も多いでしょう。
心療内科に受診すると主治医からは最初は3か月とか半年とか診断書だされるけれど、その後だいたい休み期間も延長することも多いので
一体いつまで休めばいいのかと考えてしまうのも当然かなと思います。
休む時期つまり「期間」を設けないとダラダラしてしまいそうだしうつ病の人やうつ病になりやすい人って真面目だから早く社会復帰したい気持ちが強いのでそういう風に考えがちかなと思いますからひとつは期間を設けるのも良いと思います。
とりあえずこの1年は治療に専念するとか、そんな感じで自分の中で期間を決めて休みをとるというのはとても意味があると思います。
手放し方④やるべきことだと思う
うつ病の治療については休養と薬物療法と心理療法の三本柱ですね。
うつ病の治療に必要なことは休養なんですね。つまりうつ病を治療しよう、良くしようと思うのであれば休まないといけないんですね。つまりやるべきことなんです。
休んでいることはとても罪悪感を感じやすいとは思いますが休むことはしないといけないことなんですよね。
そう思えるようになれば少しは罪悪感を減らすこともできるのではないでしょうか。
なぜ罪悪感を感じるのか?
結論から言うと、うつ病やうつ病になりやすい傾向のある人は、休むと罪悪感を感じやすい傾向にあります。
ですからどうしても休職したり、休んだりすることが苦手だったりするんですね。
ところで
うつ病の人やうつ病になりやすい人はなぜ休むと罪悪感を感じやすいのでしょうか。
うつ病の人じゃなくても仕事休んじゃった、とかあればなんとなく罪悪感を感じる面もあるかもしれません。
これは個人的な持論ですけれど小学生とか中学生とか小さいときから
「休んだらいけない」という感覚を植え付けられて成長したからかなと思ったりします。
日本人は勤勉だ、とか言われる所以かもしれませんが、もともと日本人って真面目なんですよね。
年末年始も1週間しか休まないですしね。個人的には少ないと思います。
学生の時に都内の居酒屋でアルバイトしていたことがあって
そのバイト先は中国人が7~8割だったんですけれど中国人って旧正月があって1ヶ月くらいバイト休んだりするんですよね。
だから海外だとしっかりと休むのはけっこうフツーのことなのかなと思ったりします。
日本人は働き過ぎなんだろうなと思います。
もちろん日本人は働き過ぎなところもメリットデメリットあってメリットは誰かが働いてくれるお陰で
例えばコンビニとかも24時間空いていたりするわけですから
どんなこともメリットもあればデメリットもあるわけですけれど。
話は逸れましたが、
休むと罪悪感を感じやすいのは小さいときの環境に影響を受けているというのが、ひとつの要因であると言えます。
さらに、うつ病の人やうつ病になりやすい人は
「何かしていないとそこに存在してはいけない」と思いがちなんですよね。
一言でいえば、実はうつ病やうつ病になりやすい人は自己肯定感が低いんです。
何か自分が生産的なことをしなくちゃいけない、生産的なことをすることによって
やっとそこにいていい(存在していい)と思う、そういうタイプが多いと思います。
「何々したら、いていい」というように存在価値を求めがちなんですよね。つまり条件付きなんです。
自分で自分を認められない人が多いんですね。
だから「何もしていない」となると極端な話「そこにいてはいけない」「存在してはいけない」と思いがちなんですよね。
「ありのままの自分」、つまりそのままの自分でいられないんですよね。
だからついつい頑張ってしまう。無理しちゃう。無理して何かを成し遂げたときに褒められるとようやく自分で自分を認められるんですよね。
じゃあなんで認められないのかと言う話になると成育歴といって小さいときの経験や体験、親との関係性とか色々関係するわけです。
だからうつ病の治療にはカウンセリングが必要だと言いましたがここに理由があってうつ病の人って性格の要因も影響してうつ病を発症しているんですけれど自己肯定感が低いんです。自分を認められない。
うつ病になりやすい人やうつ病の人は根底には生きにくさがあるんですよね。でもそれに本人も気づいていないことも多かったりするし気づいてはいて生きにくさを感じているんだけれどでもどう生きやすくすればいいのかわからない、そういう人が多かったりします。
だからカウンセリングで自己洞察を深めて自分自身と向き合う、自分のことをしればどう生きれば生きやすいか考えていくことが大事になってきます。
なのでまとめるとうつ病の人が罪悪感を感じやすいのは
1つは小さい頃の影響と
2つめはうつ病やうつ病になりやすい人というのは自己肯定感が低くて自分自身を認められない、だから頑張らないといけない、条件付きの感覚を持っているということです。
だから休んでいるという状態で何もしないと罪悪感を感じやすいってことなんです。
カウンセリングで自己理解を深める
うつ病の人は生きにくさを強く感じているとお話しました。
そして自己肯定感が低い理由についても深堀すると小さいときの体験や親との関係が影響していると伝えました。
カウンセリングでしっかり自己と向き合ってどうすれば生きやすくなるのか、考えていくことが重要になると思います。
Heart Life~こころの悩み相談所~は、うつ病の治療のサポートをするカウンセリングをご提供しています。カウンセリングは自己理解やスキルの向上、社会的な関係の改善などに貢献し、より良い生活の実現をサポートします。
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この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
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