カウンセリングで何を話すべきなのか?話す内容がない時の対処法

ご自身が様々な悩みを抱えており、カウンセリングの利用を検討しているものの、実際のカウンセリングの場面で何を話せばいいのか?不安に感じている方も決して少なくありません。

実際、「カウンセリングでは何を話せばいいのか?」というご質問を頂くも多かったりします。

また、継続的にカウンセリングを受けていて途中で「話すことがない」と感じているときにどうすればいいかわからないとご質問をいただくことも多いです。

そこで今回はカウンセリングで何を話すべきなのか?ということと、継続的にカウンセリングをうけていて話す内容が無くなった場合の対処法について臨床心理士が解説していきます。

カウンセリングで話すこと①「一番困っていること・悩んでいること」

カウンセリングを受けようと思った理由としてほとんどの場合が、自分自身が困っていることや悩んでいること辛いことがあるから受ける決心をしたと思うのです。

その1番困っていることや辛い事についてお話ししてください。例えば「会社の人間関係で悩んでいる」とか「眠れないことがある」とか「気分が落ち込みやすくて辛い」とかそのようなことで構いません。

カウンセリングで話すこと②「具体的な症状や状態」

2つ目として具体的な症状や状態についてもお話しできると良いと思います。

例えば、気分の落ち込みがひどいと感じてそれが辛いと感じてカウンセリングを受けられた方Aさんという方ががいらっしゃったとしてどういう状態や症状なのかと言うことが詳しくお話しできるといいと思います。

例えば、2ヶ月位前から不眠の状態が続いているとか、気分の落ち込みが強く外出するのもしんどい状況にあるなど、具体的な状態についてありのままカウンセラーに伝えてもらえるといいでしょう。

カウンセリングで話すこと③「今までどう対処してきたか」

辛い状況になっている状態や症状が出てすぐにカウンセリングを受けようっていう風になられる方っていうのは結構少数派だと思います。多くの方は、しばらく様子を見て自分なりに対処してきたこともたくさんあると思うんです。

なので今までひとりで対処してきた事はどういうどういうことなのかと言うことをお話ししてもらえるといいと思います。

例えば、不眠が主訴の場合であればどう対処していたか、そういう時は読書をしたりとかずっと考え事をして過ごしていたりしていた、などと対処していたことをお話して下さい。

落ち込みが強い時はずっと家から外出しないでひきこもっていた、などどう対処してきたか自分なりの対処法についてお話ししてもらうといいと思います。

カウンセリングで話すこと④「カウンセリングを受けることの目標・目的」

治療的なカウンセリングを受ける場合はカウンセリングを受けることの目標や目的があると思います。

それについてお話しできるといいと思います。

例えば「気分の落ち込みが強すぎるのでそれを改善したい」とか「人間関係で悩むことがあるので悩みを少なくしたい」とかこのようなことです。

今4つお話しさせていただいたんですけれども、これはカウンセラー側が初回のカウンセリング(インテーク面接)で必ず聞くことなんです。他にもインテークでお聞かせいただきたいことはたくさんあるんですけれど、少なくともこの4つはカウンセラー側が聞かせて頂くことなので、この4つを考えておくと有意義なカウンセリングになると思います。

カウンセリングでうまく話せない時の対処法

初回のカウンセリングでうまく話せないと感じている方に当日はどのようにカウンセリングを受ければいいのかと言う事についてポイントやコツについてお話ししていこうと思います。

結論から言いますと

  • カウンセリングを受ける前に自分自身の困っていること辛いことなどの悩み事を紙に書き出す
  • そして話したくないことを話さなくていいと考える

詳しく説明していきましょう

①カウンセリングを受ける前に自分自身の困っていること・悩みごとを紙に書き出す

まず大前提として初回のカウンセリングと言うのは不安や緊張はもうつきものだと思ってください。

初めてに行く場所や初めて会う人と話すってなったときに多かれ少なかれ緊張しますよね。

人によっては全く緊張しないって言う方もいるかもしれないんですけれど、ほとんどの人が緊張するし、新しい行ったこともないような場所に行くので不安がつきものです。大前提として不安がつきもの緊張はつきものだというふうに思ってください。

そしてカウンセリングはうまく話せなくてもいいです。うまく話したいなぁって言う風に思わなくてもいいです。まとまってなくてもいいので、まず「何でもいいから話す」って言うことがカウンセリングとしては意味があるのでまずこの大前提この2つは理解してもらえると良いと思います。

その上で初回のカウンセリングを有意義に使いたいと言うふうに考えられている方にはまずカウンセリングを受ける前に悩み事を紙に書き出したほうがいいと思います。

今、何に悩んでいるか困っているかと言うことを紙に書き出す方って実は意外と少ないんですよね。

実際カウンセリングのお仕事をさせていただいていますが、今までそういう悩み事とかを紙に書き出したりとか客観的に見るためにアウトプットする事はしたことありますか?とクライアントさんに尋ねてもだいたい8割9割位の方はそういうことしてないと答えます。

紙に書き出すって言うだけで客観的に自分の悩みが見れたりします。

そしてその中で気づきが生まれることもあったりします。

するとクライアントさんによっては「あぁ、なんだ、こんなことで悩んでたんだ」と気持ちがすごく楽になる方もいらっしゃったりします。特に軽度な方だと紙に書き出すだけで結構悩みが改善することもあったりするのでこれは、初回カウンセリングに限らず、是非書き出してみるといいと思います。

頭の中でグルグルと考えているよりは書き出すことで考えが整理されることもあります。

悩んでいる理由のひとつは、頭の中だけで考えているからということもあります。

頭の中で考えても整理できないんですね。これからカウンセリングを受けるかどうか迷っていてカウンセリングを受ける前に自分でなんとかできたらいいと言う風に思われている方は特に、紙に書き出してみると効果的かもしれません。

ただ悩みが深く重症な方だと紙に書き出してもあまり効果はないと感じるかもしれません。そういう方はカウンセリングを受けることをお勧めします。

②話したくないことは話さなくてもいいと考える

カウンセリングでは話したいことを話してください。カウンセリングでは「こういう話を聞いてもらいたい」っていうところをまず考えて話してもらうといいと思います。

人によっては「こんなことカウンセラーに話していいのかな?」と不安になられる方もいらっしゃると思いますが、何を話しても大丈夫です。カウンセラーは傾聴が基本です、傾聴と言うのは否定せず話をしっかり聞く、ということなんですが、あなたのことを否定したりしないので、是非何でも話してみてください。

カウンセリングで話すことがないと感じたときの対処法

継続的にカウンセリングを受けていて、途中からカウンセラーに話す内容がないと感じた場合についてその対処法についてお話ししていきたいと思います。

結論から言うと、話す内容がないと言うことをカウンセラーに伝えてみるといいと思います。話す内容がないと感じているっていうのは様々な理由があると思うんですけれども

1つに自分自身が「無意識のうちに話したくない」って言うふうに感じている可能性があるんですね。

カウンセリングとは自分自身と向き合う作業でもあります時に自分の見たくないものと向き合わざるを得ないこともあります。

それって結構しんどいんです。カウンセリングを受けている途中で「しんどいなぁ」「辛いなぁ」って言うふうに感じることもあったりするんです。相談者によってはそこでカウンセリングを1回やめられる(中断される)方もいらっしゃいます。

それぐらいしんどいって言うふうに感じられる方もいるんですね。

自分自身の見たくないもの、自分自身の本質的な課題や問題と向き合う作業がカウンセリングですからその本質にぶち当たりそうになると人間は無意識的に拒否するものなんですね。

その結果として話す内容がないなっていうふうに感じることもあったりします。

ですから話す内容がないと言うふうに感じていると言う事はカウンセリングが実は少し機能しているってふうに思ったほうが良かったりするんです。話す内容がないと感じることもカウンセリング的には意味があると捉えたりします。

なので話すことがないと感じた場合はカウンセリングの中でカウンセラーに「話す内容がない」ことを話していただいてカウンセリングの中でテーマとして扱うべきことだと思うんです。

「話すことがない」というのは、なかなかカウンセラーに言い出しにくいところではあると思います。

まるで「あなたのカウンセリングは効果がない」と伝えているようにも感じるわけですから。

でもカウンセラーは傾聴しますので、あなたのことを否定することはありません。

しっかりとテーマとして考えていきます。ですから是非勇気を出して話をしてみてください。

その中で自分自身が「なぜ話す内容がないか」と思っているのかと言うことを深められるといいと思います。

そもそも話す内容がないというに感じられている方の多くは、今お伝えしたように無意識な抵抗が働いていることすらにも気づいてなかったりするので、それに気づく作業と言うことも非常に自己理解を深めるためには重要だと思います。

ただどうしても話す内容がなくて辛いしんどいよとカウンセリングを受けることしんどいなってふうに感じられた方はそれはそれで一旦カウンセリングを止めてもいいと思います。

自分と向き合う作業はしんどいものですしタイミングもあると思いますのでしんどすぎてもう無理と思っているのであれば中断してまたの機会で取り組めば良いかもしれません。

この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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公式Instagram

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