このコラムでは、うつ病と診断されて休職することとなったとき、休職期間中にしてはいけないことについて大きく3つ解説していきます。
なぜ休職するのか?
うつ病と診断されて、働きながら通院している方もたくさんいらっしゃるんですけれどもその一方で、うつ病と診断されて休職される方もいらっしゃいます。
そもそもなぜ休職する人と休職しない人がいるのでしょうか。一言でいえば、うつ病と診断されていれば、休職した方が良いです。
うつ病の治療は服薬とカウンセリングと休養の三本柱が必要になるんですが、休養がないといくら服薬で症状を抑えたからといって意味がないんですよね。
そもそもなぜ休職しないといけないかというと極論、疲れているからなんですね。うつ病と診断されているということは心も体も疲れているんですよ。
だから休養がマストなんですね。
だから休まずに働いていると結局、身体を酷使していれば症状は抑えられるけれども根本的な問題は解決しません。
なので本来ならばうつ病と診断されているのであれば、たとえ軽度であったとしても休んだ方が良いんですね。
だけれど、うつ病になりやすい方は非常にまじめな方が多いので仕事が休めないということで休まない人が圧倒的に多いんですね。
あとは物理的にも休めないということもあるとは思いますが、うつ病と診断されて休職していない方の8割くらいは休みたくないと本人の意向が強いと思います。
カウンセリングを受けられている方では、うつ病と診断されているんだけれど、頑張って働いていて、もう限界になって休職される方も少なくありません。
休まないといけないんですね。
ではうつ病で休職しているときにやってはいけないことってあるのか?疑問に思うかもしれません。
うつ病の方で休職期間中にしてはいけないことをしていて、復職してから結果的に調子が悪くなるというケースもあります。
今日はうつ病で休職期間中にしてはいけないことについて3つお話していこうと思います。
休職期間中にやってはいけないことその①
まずひとつめとしては仕事をすぐに辞めようとすることです。
これはどういうことかと言いますと、仕事を辞めるかどうするか決めるのは復職後にしてください。どうしてかというと今のうつ病と診断されているこころの状態って普段のあなたの心の状態ではないんですね。
つまり良くない状態なのです。その状態で仕事を辞めるという大きな決断はしない方が良いです。休職できるなら休職制度を利用して休職しましょう。
もちろん休職できない場合は致し方がないと思いますが、そうじゃなければまずは保留にしておくことが大事でしょう。
うつ病と診断されてすぐに仕事を辞めて、腸が良くなってきて後で後悔することもあったりしますからまずは休んでみて様子を見ることが大事です。そのうえで、やっぱり仕事を辞めようと思えば、その時に退職すればいいと思います。
仕事に限らず、うつ病の時は人生における大きな決断はしない方がいいです。
例えば、今日の昼飯どこにするとかそういう小さい決断はいいんですけれど仕事とか結婚とか離婚とか大きな買い物をするとか、そういうことに関してはまずは保留にしてもらうと後々良いと思います。
休職期間中にやってはいけないことその②
2つめとしては休職期間を利用して資格をとったりすることですね。
たまにいらっしゃるんですけれど、うつ病で休職中の間に暇だから資格の勉強をしようとか、仕事に関する勉強をしようとかそういう風に考える人がいるんですけれどこれは絶対止めた方が良いです。
そもそも休職している理由は何かと考えてみるといいんですけれど休むためにあります。
極端な話、何もしないでください。1日ゴロゴロしてぼーっとしていてください。これが休職期間の過ごし方なんですね。
でも休職期間って短くても3か月とか半年とかになるので、調子が良くなると「何かしなきゃ」と思って資格をとる人がいたりします。
うつ病の人は真面目過ぎるくらい真面目なのでどうしても生産的なことをしていないといけないと思ってしまいがちなんですよね。
でも休職期間っていうのは生産的なことをする期間ではありませんので、むしろ非生産的なことをする期間なんですね。
そうすることによって心の状態が回復していくわけです。
なのに、資格をとるとか、仕事に関する勉強をするとかそんなことをしていたら、回復するものも回復しませんのでそこはぐっとこらえて非生産的なことをしましょう。
例えば、趣味でライブを見に行くのが好きならば、ライブを観に行ったり散歩しに行ったり、自分の好きなように過ごすことが結果的にうつ病から回復するためには近道だったりします。
休職して休んでいることって、なんか意味がないんじゃないかと思いがちですけれどもそうじゃないんです。
うつ病の治療に必要なことが休養なので、本当に休養をないがしろにすると復職しても再度うつ病が再発するリスクを高めたりするので休養も仕事のうちだと思っていただけるといいんじゃないかなと思います。
休職期間中にやってはいけないことその③
3つめは、誰にも相談しないことですね。
家族や友人など、うつ病と診断されていることを隠していることですね。良くないなと思います。
なぜかといいますと、周りに自分がうつ病だと知ってもらわないと周りは全く配慮しないわけですよ。
例えば、仕事でもうつ病で通院中であることを上司に伝えておけばある程度は配慮してくれると思うんですね。
でも通院の事実を知らないのであれば、配慮なんてしませんよね。だって知らないわけですからね。というように周りに知らせることによって自分自身が過ごしやすくなると思いますので是非伝えてもらいたいというのとできるだけ人と関わる機会を作るのがいいかもしれません。
もちろん自分の体調と相談して無理しないでほしいんですけれど調子が良くなってきたなと思ったら、少しずつ人と会ってみる。
なぜそういうことがいいかというと、うつ病で休職しているとずっと家で引きこもりがちになると思うんですね。
うつ病になりやすい人の思考の傾向でネガティヴに考えてしまうというものがあるんですよね。
ひとりでいれば、どんどん悪い沼にハマっていってしまう。そこを色々な人と話をすることで、相談することで「こういう考え方もあるんだな」と思ってもらえるととても良いと思います。
自分だけの考えに固執せず、色々な考えがあるんだと思えれば気持ちも楽になったりします。
うつ病になりやすい人の性格傾向でも、どうしても自分の思考に固執してしまいがちなところがあるんですよね。だからこそ敢えていろいろな人と会ってみて相談してみると良いです。調子が良くなり、復職して先のことも考えられるようになったならば相談しても良いですしね。
周りの人にどうしても相談できないのであれば、カウンセリングを受けて頂いてカウンセラーに相談して頂いてもいいと思います。そのようにご利用頂いている方もたくさんいらっしゃいますので、是非参考にしてみてくださいね。
うつ病の治療にはカウンセリングが必要です。Heart Life~こころの悩み相談所~ではうつ病に特化したカウンセリングをご提供しております。東京(渋谷・新宿)のカウンセリングならHeart Life こころの悩み相談所へ
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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