本日は、人間関係リセット癖のある人の特徴について大きく3つお話していきたいと思います。
【人間関係リセット癖とは?】
そもそも、人間関係リセット癖とは何か。
これは今まで築き上げてきた人間関係の解消をしてしまうことで、それを繰り返し行っていることを言います。
特に、良好な関係を築き上げているにも関わらず、急に人間関係の解消をしようと思ってしまうことが特徴で例えば、LINEをブロックしたりとかスマホの連絡先を消去するとか、そのような極端な行動にでることがあります。
あなたの周りでもやむを得ない事情がなく、急に連絡が取れなくなる人がいたりしたら、もしかしたらその相手は人間関係リセット癖のある人かもしれません。
【人間関係リセット癖の人の特徴①】
ところで、なぜ人間関係をリセットしようと思うのか。人間関係をリセット癖がない人にとっては理解しがたいところです。
人間関係リセット癖のある人の代表的な特徴、ひとつめは、理想が高いことが挙げられます。
人間関係リセット癖のある人は、ほぼ例外なく、人当たりが良く周りから好感を持てる人が大半だと思います。
それは、自分自身が「こういう人として振る舞いたい」という理想があるからで、実はその人は無理していることが多いのです。
無理して笑顔を振りまいたり、無理して明るく振る舞ったりしている。笑顔で明るい人だったら、だいたいの人は好感が持てますよね?だから人間関係リセット癖のある人は、人当たりが良く周りからは「良く」見られている人が多いのです。
しかし、本人は、「こういう人として振る舞いたい」という理想が強すぎるため、自分が思い描いた「こういう人」じゃなくなった時に、「ダメだ」と思ってしまいがちなのです。人ですから、毎回笑顔で接することなんてできないですよね。
時に、疲れていたり、気持ちが落ち込んでいるときもあります。
人間関係リセット癖のある人は、そんなときでも「笑顔で振る舞わないといけない」「明るく振る舞わなくてはいけない」という理想が高いのです。
でも、疲れているときとか落ち込んでいるときに、できるはずもなく、そうするとリセット癖のある人は、「笑顔で明るく振る舞えなかった。だからもうあの人と接することができない」と考えてしまい、結果的に、人との関係を切ってしまいたくなる、というわけなのです。
【人間関係リセット癖の人の特徴②】
ふたつめとしては、極端な思考が強いことが挙げられます。
先程の例で言えば、こころが疲れて落ち込んでいるときでも、「『笑顔』で『明るく』振る舞う自分」というのが理想にあって、少しでもできないと、「自分はダメだ」「人から嫌われた」と思いこんでしまいがち。そんなことないですよね。
周りからすれば、「あぁ今日は元気ないけれど疲れているんだな」と思う程度で「今日は元気ないなぁ、こいつ嫌いだわ」とは思わないわけです。
ですから、人間関係リセット癖のある人は、極端な思考があり、はっきり言うならば、思い込みが激しいのです。
思い込みが激しいから、特に視野狭窄に陥りがちです。視野狭窄というのは、心理的な影響で視野が極端に狭まってしまっている」ということです。
視野狭窄の例としては、自殺を考える人は、よく視野狭窄に陥りがちと言われています。つまり極端な選択をしがちということですね。
人間関係リセット癖の人も、極端な思考によって、人間関係をリセットする行動という極端な選択をしてしまいがちなのです。
【人間関係リセット癖の人の特徴③】
3つめとしては、完璧主義なところが挙げられます。
先程例でも、「疲れていたり落ち込んでいる自分を人に見せたら、ダメ」という認識が強いから少しでも「笑顔で」「明るく」振る舞えなかったと思ったら「もうその人との関係はダメだ」と思う。
少しでも自分の理想と違う行動をしたら、「ダメ」と思ってしまうのです。これって完璧主義だからなんですよね。
日によって心の調子が良いときも悪いときもある。それが人間であるはずなのに、少しでも悪い日があったら「THE END」って、ロボットじゃないんだから無理ですよね。人間関係リセット癖のある人は、このように自分の思い描いた理想から少しでも外れると嫌なのです。だから、その相手にはもう会いたくないと極端な思考になり、関係を解消したがるわけなのですね。
以上のように3つ特徴をお伝えしましたが、人間関係リセット癖のある人は、ざっくり言うと自己愛が強く、自己肯定感が低いということです。
自分の思い描いている理想があって、その理想から外れたら、周りから「どう思われるか」気にしている、これって結局自分を良く見せようとしているからなんですよね。ナルシストがしょっちゅう鏡をみているのと同じように、しょっちゅう周りからどう思われているか気にしているということ、だから自己愛が強い。そして、自分の理想と違う振る舞いをしてしまったら周りから「悪く思われるんじゃないか」思いがち。だからリセットする。これってありのままの自分を受け入れられていない証拠。つまり自己肯定感が低いのです。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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