うつ病の原因はストレスだけではなく○○欲求のせい?原因論について臨床心理士が解説

このコラムでは、うつ病の心理的原因について臨床心理士の立場から解説しています。是非最後までご覧ください。  

うつ病の原因とは?

うつ病とは、10人に1人、場合によっては8人に1人が一生涯のうちに罹ると言われるこころの病気です。主に「気分の落ち込み」」「やる気の低下」「不眠・食欲不振」が症状が特徴的です。 

うつ病の原因というのは、様々な要因が重なって生じると言われています。

例えば、うつ病と似た症状である適応障害は明確なストレス源が原因と言われますが、うつ病の場合は明確なストレス源が特定できないことが多いのです。つまり、様々なストレスが重なって生じるとも言えるでしょう。複合的にストレスが重なったりすることが多いのです。

うつ病の原因は、大きく「環境要因」と「性格的要因」のこのふたつから説明されることがあります。

環境というのは、会社や学校などその人自身が所属しているコミュニティのことです。例えば、入社した会社が終電帰りがデフォルトのいわゆる「ブラック企業」であったらそれはうつ病の環境要因のひとつになり得たりするわけですね。

環境要因というのは、一言で言えば、「ストレス」のこと。ストレスに感じる事は、人によって様々である出来事がある人にとってはストトレスになる場合もあればストレスに感じないこともある。例えば、人から指示されることにストレスを感じる人もいれば、逆で人から指示される方が楽だなと感じる人もいます。

そして、性格的要因というのは、その人の受け止め方とか感じ方ですね。ある出来事をネガティヴに捉えてしまいがちなのか、それともポジティヴに捉えてしまいがちなのか、というように同じ出来事でも人によって体験する感覚が違うわけです。

大きくはこの環境要因と性格的な要因が影響していると言われますが、先ほどもお伝えしたように、様々な要因が複合的に重なり合って生じるので、実は、うつ病の数だけ原因は複数あり様々なのです。

うつ病の原因は承認欲求?

ここからは僕の独断と偏見の話になりつつあるのですがうつ病の原因は人それぞれと言いますが、

カウンセリングの仕事をしている中でうつ病と診断された方のお話を聞かせて頂いている中で共通することがあるなと気付いた事があります。

うつ病になる方は一般的に非常に勤勉真面目曲がったことが嫌いな性格特性があるのはよく言われる事ですが

その背景には実はある心理的な欲求が影響しているのではないか?と感じるようになったのです。

その欲求とは「承認欲求」のこと。

承認欲求とは、誰かから「評価を得たい」「承認されたい」という気持ちのことで

心理学者マズローの欲求階層説にも出てきていることで有名です。

人には誰かから承認されたいとか認められたいとかそういう気持ちが少なからずあって、それを満たすことで自分自身の満足感を得る動物だと言われます。人間であれば、多かれ少なかれ承認欲求はあり、逆に承認欲求が全くないという人はいないでしょう。

うつ病の人に共通しているのは

この「承認欲求」が強いということ。うつ病の方の性格特徴で挙げさせていただいた勤勉とか真面目とか、まっすぐな性格であるというのは、僕がカウンセリングのお仕事でクライアントさんから話をよくよく聞いていると

「上司から良く思われたい」とか

「周りからよく思われたい」とか「周りの評価」ありきで行動していることが多いのです。 

つまり自分の心の底からの欲求から真面目に取り組んでいる訳ではなくて承認欲求で突き動かされているということ。

一言でざっくり言えば、誰かから認められたいから、頑張っているということなのです。

問題なのは、うつ病になりやすい方やうつ病の方は、その承認欲求から行動しているということに気付いていないということにあります。気付いていないと言うことは、すごくやっかいだなと思うのですが、それは、気付いていないことでより苦しみを生み出すことになるからですね。   

まずは「気づく」ことから

まず今の苦しみから少しでも解放されたいのであれば自分が「承認欲求」から行動していることについて気付いて認めることです。

これは一見簡単なことのように見えて、これがとても難しいです。まず気付けない人が多いんですよね。

だいたいが「承認欲求?それが原動力なのかな…」とピンとこない方もいる。

でもカウンセリングセッションを重ねた後に「自分は承認欲求が強かった」と気付かれる人も少なくありません。むしろ多いなという印象があります。まずは自分がどんな状態かということを観察することです。

そしてその状態を、どんな状態であれ、受け入れがたい状態であっても認めることなのです。

自分自身の状態を「今、こういう状態なんだな」と自分で認めてあげることで気持ちがすごく楽になることもあります。

皆さんもすこしだけ立ち止まって自分の状態を振り返ってみることから始めてみませんか。

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Heart Life~こころの悩み相談所~では、仕事の悩みや人間関係の悩みなどをはじめ、うつ病や適応障害の治療のための心理療法も積極的に対応しております。うつ病の治療としてカウンセリングを利用したい方は是非お気軽にご相談ください。現在通院中の方は主治医から紹介状を書いていただくとスムースです。また、1対1の初回カウンセリングはもれなく割引でご提供。これからカウンセリングをご検討中の方は是非この機会にお気軽にご利用ください。

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この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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