こんにちは。
Heart Lifeの室長の丸田です。
東京の桜も満開。
今日はあいにくの天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて本日は
うつ病の再発を予防する方法というてテーマでお話します。
【うつ病の再発率】
うつ病は再発率が高いこころの病気で有名です。
実に約6割が再発を経験します。
場合によっては6~7割とも言われたりします。
一度再発したら、再発リスクが更に増えるとも言われます。
例えば1回再発して寛解した後に再発、
つまり再々発リスクですね。
6割以上と言われますし、再発を繰り返せば繰り返すほど
再発リスクは8割になることもあります。
うつ病の治療は
休養と薬物療法、
そして状態が安定してきたら心理療法の三本柱で取り組んでいきますが
一番重要なことは何と言っても
再発予防と言っても過言ではありません。
うつ病の治療=再発予防ですね。
実際、うつ病を再発してしまう人と治療したら再発しない人と
違いがあるのも事実です。
ではうつ病を再発してしまう人の特徴とは
一体どのような傾向があるのでしょうか。
【再発してしまう人の特徴】
ひとつめとして、ストレス対処が下手な人です。
日常生生きていれば
ストレスを0にすることはできません。
つまり上手に付き合っていかないといけませんが
うつ病になりやすい人やうつ病を再発しやすい人は
ストレス対処が下手な人です。
これはどういうことかと言うと、
ストレスが溜まった時に上手に解消できない人ということですね。
うつ病の発症の要因は様々ありますが、そのひとつにストレスがあります。
ストレスが引き金になって発症するということですね。
うつ病の治療のために休養しても、
ストレスがたくさんある環境に再び戻れば
ぶり返すのは当然のことです。
となるとどうすればいいか?ひとつは環境を変えることですね。
仕事だったら転職するとかとりあえず退職するとか。
環境を変えないのであれば、
自分のストレス対処能力を高めていくことが重要です。
例えば、上司に仕事でつめられました、ってことがあったときに
まぁ自分に非があれば「直さなきゃ」と思いますが
例えばこの上司が理不尽なことでよく怒る人で
今回も意味わからないことでつめられたとしたならばどうですか。
イライラしますよね。ムカつきますよね。
これがまさにストレスなわけですね。
このストレスをどうしますか?
解消するには例えば、
同僚に愚痴を言うとか、お酒が好きならお酒で気を紛らわすとか
おいしいものを食べて気を紛らわすとか
他にもいろいろとあるとは思いますが、
このようにストレス解消するための行動をしますよね。
逆にうつ病になりにくい人は
このストレス解消行動が上手にできている人なんですよね。
うつ病になりやすい人や再発を繰り返す人は、
ストレス解消する行動をしない人が多かったりします。
先程の理不尽な上司の話であれば
理不尽だとしても「自分が出来が悪いからいけないんだ」と
自分を責めてしまいがちになり、更にストレスを溜めてしまうという悪い循環が起きます。
あとは、うつ病になりやすい人や再発を繰り返す人は
そもそもストレスに気づいていないということもあります。
先程の上司の例でいれば、客観的にみれば理不尽なのに
「自分が悪い」と自責の念に駆られれば、ストレスを感じているなんて
感じていない可能性があるわけですからね。
このようにストレスにどう対処できるか、が
うつ病の再発するかしないかのカギを握ります。
【相談することが苦手】
うつ病になりやすい人や再発を繰り返す人は
人に相談することが苦手です。
なぜかというと、「こんなことで相談してもいいのかな」とか
「人に相談する」こと自体が迷惑になるんじゃないかと思ったりする人が多いんですね。
あとは自分の自己愛、つまりプライドが高いということですね
自分のプライドの高さゆえに相談できないということもあります。
相談しないことによってどういうことが生じるかというと
仕事であれば上司に相談していれば
「体調が悪い」と言っている場合であれば
多少考慮してくれたりするわけですよね。
もちろん表立ってはしないかもしれないけれど、人間であれば少しは考えるわけですよ。
だけれど、相談していないことによって何が起きるかというと
他人は「フツーに仕事ができる」と思っているわけですから
何も考慮してくれないし、配慮してくれないんですよね。ばんばん仕事がくるかもしれません。
うつ病と診断されていれば、とんでもなくしんどいことです。
だけれどこれって、うつ病と診断されてなくても
仕事量が多かったら、大変なんです、って相談した方が
多少は考慮してくれるわけで、なんとなったりする。
大学生の時のある教授が言っていたのは
しゃべって相談するということはインターネットだ、と言っていました。
何も言わずに心に秘めていれば
何もわからない、仮に困っていたとしても解決方法がみつからないままだけれど
人に話したりすることによって
人の意見が聞けたり、その人が他の人に相談して有益な情報を仕入れてくるかもしれない。
まるでこれはインターネットでしょ、と。
インターネットも自分が知りたい言葉をアウトプットするだけで
情報が知れるわけだから、というわけです。
だから何か解決したい、なんとかしたいと思っているのであれば
アウトプット、つまり人に相談することはとても重要なんですね。
【再発予防にはどうすればいい?】
以上、うつ病を再発しやすい人の特徴についてお話ししましたが
では再発予防にはどうすればいいのか。
つまり逆をすればいいわけです。
【ストレスに気づき発散する】
まずはストレスを極力少なくすること
ストレスは0にはできませんが減らすことはできます。
極力ストレスを溜めないように生活すること。
それにはまず自分がどういうことにストレスを溜めやすいか知っておくことが必要です。
うつ病の治療にカウンセリングがあるのもこれが理由で
カウンセリングで何をするかというと
自己理解なんですよね。
つまりどういうときにストレスを感じるのか知ること。
これがとても大事です。
ストレスを溜めやすい人は
自分がストレスが溜まっていると気付くのが苦手でもあります。
まず日常生活の中でストレスを感じやすいことはどういうことか
毎日振り返ってみることが良いと思います。
こういうときにイラついているとか、こういうときになんかモヤモヤするとか、
自分の感情に気づくことから、ストレスケアが始まります。
うつ病のカウンセリングはどういうことをするのかというと
自分の取扱説明書みたいなものを作っていくことでなんですよね。
そしてストレスに気づいたら、ストレスを発散することが大事です。
先程の例でも挙げましたが
愚痴を誰かに云うとか、お酒やカラオケやら買い物やら
好きなことに没頭するやら
色々とストレスを発散することが大事ですね。
【規則正しい生活】
最後に規則正しい生活も大事です。
当たり前のことだとは思うんですけれど
当たり前のことが非常に重要でできていない人が殆どです。
うつ病の予備軍の人はたいてい
生活リズムがぐちゃぐちゃになっていることが多いです。
まずは生活習慣を見直すこと。
寝る時間、食事の時間、入浴の時間、起床の時間
決めることが大事です。
食事もバランスのよい食事が大事です。
生活習慣を変えるだけでもうつ病が軽快する人もいたりしますし
再発予防にはもってこいなんですよね。
是非心がけてみてください。
いかがでしたか?
それでは次回のブログでお会いしましょう。
この記事の監修者
横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。
<公式SNS>YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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