「パートナーとうまくいかない…」 それ愛着障害かも?

こんにちは。

今日の東京は、雪予報。

今年1月6日にも東京に積雪が観測されましたが、その日も木曜日で今日も木曜日。

なんかデジャヴュを感じる今日ですが、とにかく寒い寒い!

昼はまだ雨でしたが、これから夕方から夜にかけて雪が積もるそうですね。

今日はできれば早く帰宅したいものです。。。

そんな今日この頃ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  

さて本日のテーマは

パートナーとうまくいかない、ことについて徒然に語ってみたいと思います。

   

【パートナーとの関係性】

いつの時代もパートナーとの関係については

人を悩ませる古からの問題なわけです。

カウンセリングに来室される方でもパートナーとの関係についての

お悩みをお話される方は少なくありません。

  

ところで

パートナーとの関係構築というものは

人間の心理的な課題の一つである、ということをご存じでしょうか。

というのも、

心理学者エリクソンの「発達段階モデル」というものがあります。

エリクソンは、

その年代ごとに取り組むべき心理的な課題があると考えました。

そしてその課題をクリアすることで次の発達課題に進める、

そうして人間はその課題を乗り越えたときに、

成長し成熟していく人間になるのではないか、

と提唱しました。

   

具体的にはエリクソンは人間には大きく8つの発達段階があると考えました。

そのうちパートナーとの関係については、

「親密性の課題」と呼ばれるものです。

エリクソンは20代後半から30代半ばまでの間に

親密性の獲得が必要だと言ったのです。

この時期に、

親密性、つまりパートナーシップをいかに適切に結べるか、

そういうことを提唱していたのですね。

   

ですから、パートナーシップの課題は、

心理学でいう「親密性の獲得」と呼ばれるものであり、

人間の心の成長や成熟に重要であるということなのです。

   

【愛着障害とは】

パートナーとのかかわりの話をするのであれば、きっても切れない話があります。

それは愛着という概念です。

愛着というものは、

心理学の用語で言うと「アタッチメント」と言いますが、

人との関係で出来上がる基本的な信頼感のことを言います。

これは赤ちゃんの時に育つ、と言われます。

人は生まれてからまず最初に関係を作る相手、それは親、特に母親です。

まず母親との二者関係を学ぶのです。

よく赤ちゃんは、人見知りをする時期がありますよね。

れは、愛着が形成された証です。

知らない人が怖い、だけれど、知っている人、つまり親だと安心する。

次第に、子どもは「親」は「安心できる人」「安心できる場所」という認識を持つようになります。

親のことを安心できる人とか安心できる場所と思うことを専門用語で安全基地と呼んだりします。

こんな風に、親と愛着と言う名の信頼関係を作っていくものなのです。

エリクソンのこの子どもの時期の発達課題を

「信頼感VS不信」と呼んでいて、

人といかに信頼という感情を発達させるかということを提唱しています。

ですから重要なのは、

この時期にどれだけ親と愛着を結べるか、が今後の人間関係やパートナーとの

関係構築に多大な影響を及ぼします。

というのも、

親との間で育まれた愛着の傾向は、大人になっても変わらないからです。

愛着の概念を理解することで

次にお伝えする「愛着障害」の概念を理解しやすくなると思います。

   

最近、「愛着障害」ということばを最近よく耳にしますね。

愛着障害とは、親(養育者)との愛着が何らかの理由で形成されず、

気持ちや対人関係に問題が生じる状態のことを言います。

   

親との間で愛着が形成されない、これは一体どういうことでしょうか。

考えられる代表的な理由は、

親がネグレクトなど虐待をしていたパターン、

虐待まではいかないけれど、親が心理的に距離を置いていたり、

物理的に不在なことが多かったり、して、子どもの安全基地が脅かされたパターンなど、

ほかにも様々なパターンがあるでしょう。

  

【愛着障害がパートナーとの間でどう影響しているのか?】

愛着は赤ちゃんの時から既に作られる、

そしてそれは人間の発達段階でも重要なことであるとお伝えしました。

それでは具体的に愛着障害がパートナーとの間でどう影響しているのでしょうか。

   

親との間で作られた愛着や信頼感は、

そのままそっくり大人になっても引き継がれます。

ですから

親との適切な愛着が育まれたのであれば、

パートナーとの間でも親との間で育んだ愛着が作られます。

逆に言えば、

親との間で適切な愛着が、育まれていないのであれば、

パートナーとの間でもそれが出てきてしまうのです。

   

【愛着障害はどう表出される?】

愛着障害は特にパートナーとの関係で出てきやすいです。

特にパートナーとの間では

相手から愛されている感覚がなくて心配になり、ついつい尽くしすぎてしまうとか、

「自分なんて愛される存在ではない」と極端に自己卑下してしまい、

相手と極端に距離をとってしまうとか。

そしてそのような感情のせいで気持ちが大きく不安定になることもあり

時にその関係性にもヒビが入ってしまうこともありますし、

パートナーを極端に振り回したり、逆に振り回されたりすることもあります。

そして、振り回されたり振り回したりする状態が常態化し、

時に「共依存関係」と言われるような状況に陥ることもあります。

   

【自分が愛着障害と気づいたら?】

愛着障害の方は、しばしば自分で気づくことが難しかったりして

多くは恋愛関係のもつれや問題で気づかれることが多いと思います。

自分が愛着障害だと気づいたら、自分でできるワークとして

まず一度自分と親とのかかわり、兄弟とのかかわりを振り返ってみましょう。

新たな気づきがあるかもしれません。

  

また愛着障害を根本的になんとかしたい、とお考えであれば

心理療法、カウンセリングを受けてみて、是非自分自身と向き合ってみてください。

愛着障害は、ほとんどの場合、過去の傷つき体験や辛い体験が影響しています。

振り返ってみて、心を癒していくことも大切になるでしょう。

  

   

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この記事の監修者

丸田 英世

Heart Life代表・室長

<資格>

公認心理師[国家資格](No.7710) 臨床心理士(No.31071)

<所属学会>

日本臨床心理士会

<略歴>

横浜国立大学大学院臨床心理学専修卒業。卒業後、東京都市教育センターで発達に関する相談業務に従事。その後、神奈川県内の心療内科クリニックで心理士業務、東京都内心療内科・心理カウンセリングルームの心理士勤務を経て、2020年6月、渋谷・心理カウンセリングルーム「Heart Life~こころの悩み相談所~」を開業。2024年3月に「Heart Life~こころの悩み相談所~新宿店」を開業。

<公式SNS>

YouTubeアカウント:「心理カウンセラー【臨床心理士】がうつ病について語るCh」
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