不安や心配には「大丈夫」と言い聞かせることが効果的?臨床心理士が解説

このコラムでは不安や心配などネガティヴな思考に囚われてしまったときに、「大丈夫」と言い聞かせることが効果的なのかについて現役の臨床心理士が解説していきます。是非最後までお読みください。

不安や心配はゼロにできない

日常生活を過ごしていれば、多かれ少なかれ「不安になること」や「心配になること」があるでしょう。

例えば、「自分の人生この先心配」とか「将来が不安」とか感じることは一度や二度ではないと思います。

誰しも、不安や心配は芽生えるものです。不安や心配というものは、ゼロにできません。

むしろ不安や心配というのは、僕たちを守るためにあるからです。

太古の昔、人間は危険な獣と隣り合わせで生きていました。だから、草むらで「カサカサ」なんて音がしたら「そこに獰猛な動物がいるかもしれない」と考え、不安センサーが働くのです。不安センサーが働くことで、「闘う」もしくは「逃げる」という行動を促す原動力になったわけですね。もし、そこで不安センサーが働かず、本当に危険な動物がそばにいたら?今頃、人類は生き延びてなかったわけですよね。僕たち人類が今まで生き延びてきているということは、「不安センサー」や「心配センサー」が強かったからなんですね。つまり僕たち人類は、「不安センサー」や「心配センサー」がめちゃくちゃ強く備わっているはずなんです。

だから、多かれ少なかれ、不安や心配などネガティヴな思考に囚われてしまいがちなんです。むしろネガティヴ思考というのは、生物としてはとても重要で、当然の感情であるということなんですね。

不安や心配の対処法

でも、不安や心配などネガティヴな感情が「当然のもの」であり、「人間として備わっているもの」だとしても、時に過度に感じてしまう人がいます。これはある意味、「不安センサー」が過度に反応しすぎている状態なんですね。現代では、生命の危機を感じることは殆どありません。だから不安になることはあまりないはずなんですけれど、何かの拍子で不安を感じた時に、不安センサーが過度に反応しすぎちゃって不安が強くなったり、心配が強くなることがあります。過度にネガティヴな感情を感じることはしんどいですから、なんとか対処したいと思うのは当然のことですね。では、不安や心配を感じた時にどう対処していけばいいのでしょうか。

ここでは敢えて「不安」や「心配」だからこそ「大丈夫」と敢えて口に出して言ってあげることをオススメしています。

これはいったいどういうことか?

つまり、不安や心配が襲ってきた時に不安や心配を客観的に捉えて、「でも、大丈夫」と口に出して言うだけでいいということです。

「えっ、それってただの気休めなのでは?」と思うかもしれません。

そうです。仰る通り気休めかもしれません。けれど実は気休めって大事なんですよ。不安や心配、というのはいつでも気が休まってない状態。気休めという字を見てください。

「気」を「休める」と書きますよね。気休めをすることが必要です。だから、敢えての敢えて「大丈夫」と言ってあげてください。口に出して言ってあげてください。自分自身に言い聞かせるように言ってあげてください。

ちなみに心理学的には、口に出すことで、その通りに行動するという法則があります。例えば、ネガティヴ思考な人は、いつもネガティヴなことばかりに目が向いてしまっていることが多いんですね。逆にポジティヴな人は、ポジティヴなことに目が向いている。

人間の脳って不思議なもので、「大丈夫」と言い聞かせることで、大丈夫と思えるようなことを無意識的に見つけるようになって、結果的に不安や心配よりも「大丈夫」ということばに引っ張られてネガティヴな感情が減ったりするものなのです。

過度にネガティヴ感情が強い場合はカウンセリングを

ほとんどの場合は、ネガティヴなものではなくポジティヴなものに目を向けることでネガティヴな感情が減っていくことが多いですが、それでも不安や心配などネガティヴな感情が減らなくて苦しい方は、カウンセリング・心理療法をオススメします。カウンセリングでは不安になった時の対処法や対策について臨床心理士と一緒に考えていけますからとても有意義になものになります。過度に不安や心配が強い場合は、パニック障害などこころの病気が隠されていることもありますから、一度お気軽に相談してくださいね。

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